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【第三回】誰の文章だゲーム  作者: 誰文企画
5/5

ぷろっと

 ハイリレン共和国とフレスベルク王国、長らく仮想敵国であった両国間の友好条約が結ばれて二年。

 二国合同の大武闘会のメインイベント、ハイリレン共和国の代表選手「超者」アルバートは渡されたあまりに大味な脚本に頭を抱えていた。


脚本(八百長じゃなくて演出と言おうね!)


双方によるマイクパフォーマンス


魔術(※1)による小手調べの中距離戦


武器を用いた高速戦闘


「覇王」が武器を捨てて挑発するので徒手格闘戦。追いつめられた「覇王」が毒霧(※2)で目潰しをして仕切り直し。


武器と魔法を交えた大立ち回り。目潰しのダメージを引きずる「超者」が苦戦


「覇王」(※4)の大魔術「暗黒崩壊波デスペラード」を真正面から直撃で受ける。(※3)

「超者」(※5)の代名詞「聖光天滅」(※6)で「覇王」を吹き飛ばして決着。

(注釈:技は暫定です。新魔法、新技に変わることが有ります)


※1:魔術――この世界においては生物に宿る不思議パワーの一つである「魔力」を用いた技術全般のこと。基本性質は物理現象の上書き。火や風を生み出すことは出来るけど水や土と言った実態のあるものは生み出せない。性質上、高密度にして直接相手にぶつけるのが一番手っ取り早い。

※2:毒霧。悪役レスラーの必殺技として用いられる、毒々しい緑色の液体を口から霧状にして噴き出すテクニック。本当は実際の毒を扱う訳ではない。けどファンタジーなので実際に毒。

※3:常識で考えて死ぬ。

※4:魔人国独自の文化。実際に王族。詳しくはキャラ説明を参照。

※5:伝説に語られる『勇者』よりも強い人って意味だけどちゃんと測定したわけではない。もっと言うと共和国で一番強い人くらいの意味合いしかない。詳しくはキャラ説明を参照。

※6:生物の持ついろんな不思議パワーをちゃんぽんして剣から放つ技。見た目が派手。そういうキャラを売りにしてるだけで聖なる要素は無い。



 アルバートはアウェーでの試合のはずなのに、相手選手がまるっきりヒール(悪役)という自分の常識ではありえない脚本に驚き、『大技には大技をぶつけて魅せる』文化圏の人間なので最後の三行に大きく困惑する。


 『受けの美学』『人気悪役闘士』と言った単語をぼんやりと思い出しつつ、紙を捲ると【マイクパフォーマンス】資料という名目で、対戦相手の個人情報やコンプレックスがびっしりと。

 こういう設定なんだよな? と思いつつ、罵詈雑言のボキャブラリーに自信のないアルバートは自分が出ない試合での魔人国側の選手のパフォーマンスを参考に突貫工事で仕上げる。


 何となく空気感を掴んだところで対戦前インタビュー。とりあえずめちゃくちゃ大言壮語する。


 マイクパフォーマンスでもベストを尽くして煽り倒したため、煽り耐性が標準レベルの「覇王」が内心でキレ散らかす。


 脚本通りの試合をしようとする「超者」と、本気で殺しにかかる「覇王」の激戦に場内大盛り上がり。手加減した魅せ技じゃない攻撃を受け止められて「覇王」のストレスがマッハ。文化の違いだと思い込んでる「超者」、恐怖と痛みの中プロ意識で対戦続行。


 青筋を浮かべた「覇王」の新大魔法「終焉連鎖カタストロフィ」が放たれる。本気にしか見えない(実際本気の)攻撃に観客はどよめき実況は焦る。この期に及んで回避しようとしない「超者」に「覇王」もめちゃくちゃ焦る。


 襤褸切れのような有様の「超者」に二国間の友好すら危ぶまれる。


根性で立ち上がった超者が新必殺技いたくないを放ってみんな一安心。自分のやったことに呆然としてた「覇王」はうっかり直撃を食らって墜落し、全然痛くないことへの思考が追い付かず場外テンカウント負け。


 アルバートへ二国間統一王者のベルト授与。


 「覇王」は納得がいかず再試合を申し入れようと「首を洗って待っていろ(意訳)」と言ったところ、聴衆に勘違いされてはやし立てられ、感情が迷子になる。


 この間半死半生の「超者」は半分意識が飛んでおり事態の推移を一切把握しない。






以下 ザックリ設定


アルバート 苗字は無い。長い歴史と、他人種受け入れ政策で繁栄している共和国の闘技場で78戦78勝という輝かしい戦歴を誇る。祖父母まで遡っても共和国国籍民だが、血統的には物凄い混血。複数の意味で共和国の象徴的存在。顔が良い。

 性格的にも自己認識的にも、決闘者ではなくパフォーマー。強さは本物だが、その強さをどう娯楽として提供するかということに特化しており、どんなピンチもどんな勝利も演出してきたという自負が有る。そのせいで今回文化の違いと雑な脚本で痛い目を見る。


共和国の闘技場 大衆から資本家まで広く愛されている娯楽公営賭博は行われておらず、純粋に観戦の場である。半径五十メートルほどの舞台と、非常に近い特等観客席。それらの全力を出すには狭い条件の中で、全力を出していることを一切疑われない戦い方をできることが大きな大会のメインイベントに出場するための最低条件。

 公示されている対戦相手が30秒で倒され、飛び入り乱入者(という名の本命の挑戦者)が観客席から出てくる。催眠術(という演技)でタッグマッチが3対1の対戦になるなど、観客たちを飽きさせない工夫が随所に凝らされている。




リリアナ・フレスベルク 「覇王」で第三王女。一応国家元首。わがままで癇癪持ち、なおかつそのことを自覚しているがそれでもやりたくないことはやりたくない。そんなわがまま王女だったが不幸なことにとんでもなく強かった。

 「覇王」の座につくことでお見合い話を突っぱね、挑戦者をボコボコにし、思う存分甘いものを貪り、過度な自己鍛錬に打ち込むという自堕落な日々を過ごす。それ自体が目的のため国政は国王に丸投げしている。

 丸投げしているせいでこの二年間に発行された建設国債の名義が「覇王」になっていることを知らない。興行収入で補てんする見通しで有ればメインイベントを台無しにすることはないだろうという左大臣の思惑だったが、そもそも知らなかった。

 スレンダーな美人。本質的に箱入り娘。


「覇王」 フレスベルク王国の役職。国王より偉い。大雑把な性格と強さを貴ぶ文化、優秀な血を取り入れることに腐心した王家。それらの要素によって、無駄に高い戦闘力とそれに付随するカリスマを持ってしまう、どう考えても為政者に向いてない王族が生まれたことで四百年前に急遽制定された役職。「敗北することが有れば引退して国王の元に付く」「複数人であっても挑戦を拒んではならない」「規定範囲内で特別財源を制定することが出来る」「国ではなく「覇王」名義の国債を発行することが出来る」等、ある程度やりたい放題させつつコントロールするための条項がてんこ盛り。当代の「覇王」は歴史上五人目。

 覇王が国内から集った英雄達に倒され、国に平穏が訪れるという話は非常に人気で、細部を変えつつ他国にも流れている。史実には『勇者』が「覇王」を討伐したという事実は無い。魔人国では倒される側の覇王も人気のため、四百年の時間とともに、「いかに格好良く負けるか」という文化も生まれることになった。「最強の大技を打ち破られて負ける」「群衆から集まった巨大なエネルギーに吹き飛ばされる」等が理想的と言われている。



フレスベルク国立大闘技場 東京ドーム7個分の面積を持つ巨大闘技場。軍備縮小に合わせた公共事業でもある。

非情に大きく、様々な競技を行うことができる反面、加重魔術などが設備に組み込まれておらず、トップアスリートの競技を行うには機材の持ち込みが必須である。二年しかなかったので仕方ない。

大会の後は観客席を取り壊し、そのまま街の外壁として使われる計画。




オレガ・オリナシ 自称:魔人国一の天才脚本家。自分の事天才だと思ってるから自国の王族が自国の新造したスタジアムで負けるような脚本書いちゃうし、その方が盛り上がると本気で思ってるし、魔人国の人は実際盛り上がる。最悪「超者」が立てなくても仕方ないと思ってる節が有る。別に天才じゃないし「覇王」が脚本を気に入らなかったため今回の試合の盛り上がりへの寄与は事実上皆無。





生物に宿る不思議パワー 魔力が一番メジャーだけど他にもいろいろある。特性も様々だけどとりあえず直接ぶつけとけば済む。種族によって得意不得意が有る。


妖力 生物に宿る不思議パワーの一つ。妖術に用いられる、世界を騙す力。応用力が高く、様々な事象を起こせるが、時間が経てば影響が元に戻る。生物の死等、元に戻すことのでいない事象を妖術で確定させてしまった場合、術者は強い揺り戻しを受ける。狐の獣人や人族の一部の人種が得意としている。


霊力 生物に宿る不思議パワーの一つ。霊術に使われる。精神を物体に伝播させる力。離れたものを動かしたりできる。死後や幽体離脱した霊体にもそのまま引き継がれる。モノを動かしてぶつけるより霊力を直接ぶつけた方が手間が少ない。訓練を積めば種族や人種にかあ変わらず扱うことが出来る。


気 生物に宿る不思議パワーの一つ。気力とも呼ばれる。呼吸によって生じるとされ、身体能力が全面的に強化される。技術もへったくれも無いので気術とは呼ばれない。掌などから放出して直接ぶつけることも出来る。


雷力 生物に宿る不思議パワーの一つ。ナマズの魚人などが扱えることが確認されている。それ以外の生物にも微量に宿っているらしい。むしろ直接ぶつける以外に攻撃する方法が無い。


理力 生物に宿るとされている不思議パワーの一つ。理術に用いられる。体に纏うことで物理攻撃や魔術から身を守り、理術を用いた体術は身体能力以上の攻撃力を持つ。体外に出した場合魔術と呼ばれてしまうので直接相手にぶつけることは出来ない。


そしてプロット。

全ての元凶とも言えるプロットを書いたのは+−さんでした!

先生、このプロットからデベソ太郎は出て来ません。

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