プロローグ
俺は転生者だ。
唐突に何だ、と思うかも知れないが本編を始めるのに必要な事だ。
先ず、俺は大学生だった。
顔、普通。
性格、ヘタレ。
体格、平均。
成績、平均。
運動神経、平均。
ただ、資格の数はそれなりにある。(簿記、調理師、整理収納アドバイザー、英会話等を暇な時に取っていた)
死んだのは21才、バイクで通学中の時だった。
いつも通っている道をバイクで走って居たんだ。
それだけなら事故は起こらないだろう。
なぜ死んだかと言うと......
進路上に野良猫が飛び出して来て、それを避けた先がガードレールだったんだ。
気付いたら宙を舞って居た。
幸い......と言って良いのかわからないが、即死だったらしく痛みも無く死ぬ瞬間の事はわからなかった事だ。(もしかしたら、脳がセーブを掛けて忘れているのかも知れないが)
そして定番のように、気付いたら見知らぬ部屋で。
目の前には綺麗な女性が居た。
その人は女神様で、俺は異世界転生出来るらしかった。
勿論俺はその話しにホイホイ乗ってしまった。
特典は魔法の才能でお願いした。
もっとわかりやすいチートが良かったのだが、女神様が言うには「強すぎる力を最初から持つと、世界から敵と認識される」らしい。
転生直後は意識が無く、物心つく頃に意識が戻るらしい。
赤ん坊スタートは抵抗あるから良かった......
それで転生! したのは良いんだが、意識が戻った時に一番最初に気付いた事がある。
TS転生してんじゃねぇか!
まあ仕方が無いので、思考までは男のままだったのでそのまま過ごして居たのだ。
そして、10才になった頃に私は......
思考まで女になっていた。
解せぬ。