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第一回

「もうだめだ…死んでしまおう」

上がらない給料、理不尽な業務。そのすべてが俺を自殺へと追い込んだ。

「来世はもっといい人生を歩みたいなぁ。」

最後にそう呟いて、俺は自殺した。




「・・・のじゃ。」

誰だ、俺を呼ぶ声は?

俺はさっき自殺したはずだ。

もしかして未遂に終わってしまったか?

「起きるのじゃ。」

声の主は老人のようだ。誰かは分からないが、俺は質問した。

「・・・俺は・・・死ねなかったのか・・・」

「いいや、死んだよ」

「えっ?」

死んだ?ほんとに?

俺はあまりの驚きにはね起きた。

じゃあ今いるここはどこなんだ?天国か?

「ようやく目を覚ましたか、横井」

声のする方へ声を向けるとそこには、いかにも神かと言わんばかりの身なりをした老人が座っていた。

「まったく、首を吊るなんて悪趣味な自殺じゃのう」

「なあじいさん、俺は本当に死んだのか?ここはどこだ?」

「ワシの言うことは無視かい。まあいいじゃろう、答えよう」


「お前さんは死んだんだよ。そしてここは天国であり、ワシはお主の生きていた世界の神じゃ」

「神?」

本当に死んだのか。というか、天国も実在していたんだな。

まあ死ねたのならいいや。これからはゆっくり過ごすとしよう。

しかしなぜ、神様が俺なんかに用があるんだろう。

何か悪いこととかいいことをした覚えはないぞ。


「なあ、神様が俺に何の用なんだよ。人違いじゃないだろうな。」

神様は答える。

「まさか。横井明彦、30歳。トラックの運転手だったが、自分の人生にうんざりして自殺した。そうじゃろう?」

「確かに俺だな・・・」

改めて死因とか言われると恥ずかしい。というか人生を見られてたのか、俺。

神様は何か躊躇うような表情を一瞬見せたが、続けて俺に言ってきた。

「お前さんへの用というのは、その、少し申し訳ないんじゃが」


「現世に帰ってもらう」

えっ?

あまりの驚きに動揺を隠せない。

人生にうんざりして自殺したのに、いきなり生き返れだと?

そんなのごめんだ。いくら神様の言うことでも聞きたくない。

「なんで、なんで俺に帰れなんて言うんだよ。また俺に苦しい思いをさせたいのか」

「いや、そうではない。少し言葉が足りなかったな」

神様は俺に一体何をさせたいんだろう。だんだん分からなくなってきた。

少し申し訳なさそうにしているところを見るとそこまで悪い人ではないのかもしれない。まあ神だし。


「お主に現世に帰ってもらいたいのは、余った寿命を使い切ってこいとかそんなものではなくてだな。ほれ、今現世では異世界転生が流行っているじゃろう?あれはワシが本当にやっていることでな。

異世界の神たちが人材を必要としているところにワシの世界から人材を派遣しているのじゃよ」

一体何を言っているんだこの神は。異世界?人材派遣?

現実味のない言葉ばかりで何を言えばいいのか分からない。

そんな俺のことなんてお構いなしに話を続けていく。


「しかしまあ、適当に人を殺してその魂を異世界に送るわけにもいかない。ワシの世界ではそこまで活躍できなくてかつ、異世界の神の要望に応えられる人材でないといけない」

「はあ」

「それに神は現世に直接干渉してはいけないのじゃよ。そこで、お前さんに白羽の矢を立てたのじゃ」

どんどん分からなくなってきた。人材派遣とただのトラックの運転手、何の関係があるんだ。

「それで、俺に何をさせたいんですか。」


「お主、トラックの運転手なんじゃろ?ワシが派遣したい人材を現世で轢いてくるのじゃ。お主が轢いた人間をワシがそいつを異世界に送る。なに、簡単な仕事じゃよ」

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