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右腕に宿ったのは少女の声の魔法精神体でした  作者: 浦山 花房
過去なき青年と喋る右腕
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ガダリア脱出 4

 きた。

 人の気配が際立つ森の中だ。間違えようがない。

 足音が近づいてくる。一人分ではない歩く音。明確な気配。

 風が一揺れ。

 足音が止んだ。

 だが気配はある。近くにいる。


「……?」


 どうして足音が止まる。今まで走ってきていたはずだ。なのに何で今は違う。

 疑問。寒気。直感。

 思い立ったのは一瞬だった。ネリーとハーニーのものではない、ザッと土を強く踏みにじる音が聞こえた瞬間、理解する。


「ッ!」


 息を潜めているネリーに声をかけている時間はない。屈んでいる細くなだらか背を手で押す時間もない。躊躇いは本能が封じた。


「ごめん!」


 ハーニーは言葉と共にネリーを木の陰から蹴り出した。


「きゃっ」


 女の子らしい声をあげてネリーは木の陰から飛び出し、反動でハーニーは逆に飛び出す。

 その直後、風を切る音。斬撃音。

 転がるように木陰を出たハーニーが振り返ると衝撃的な光景が目に入った。

 大樹が丁度ハーニーたちの首のあった辺りを両断されていたのだ。

 そしてそのすぐ近くに巨木を真っ二つにした張本人がいる。大剣を振り抜いた動作のまま立つ、無精ひげの大男。剣は紫色の電流が帯びていて、バチバチと音が威嚇している。

 あのまま機会をうかがっていたら、確実に殺されていた。咄嗟の判断が功を奏した。

 ゆっくり冷や汗を流す時間はなかった。大剣の大男はハーニーを見ていない。首の方向はちょうど逆。

 ネリーの方だ。


「なんなの……っ」


 ネリーは突然蹴り出されたせいでまともな姿勢ではなかった。慌てて起き上がろうとしているが、今襲われれば一たまりもないほど無防備。

 大男はそれを見逃すような相手ではなかった。ネリーに向かって大剣を振りかぶろうとしている。

 ネリーがまずいっ。


「うわああっ!」


 ハーニーが無我夢中にぶつかっていく。魔法など頭にない。腕を交差させて突っ込んだ。


「ふん? 貧弱だな」


 大男は片腕で受け止める。男が少し足を踏ん張っただけでハーニーの突進は抑えられた。大柄でもなく、武術の心得のない素人が筋骨隆々の大男に勝てる道理はない。


「あっ?」


 一瞬、大男が身体を引いたように感じた。大男にぶつかっていたままのハーニーは、引かれればその分体軸がぶれる。

 ふわっとした時の流れの中、目の端で銀色が光った。


 ……斬られる!


 交差させていた右腕が自然に下がる。右脇腹を守る位置に右腕が構えられた。そうしろと頭が指示する前に動く動物的な反射。そのまま右腕を握りしめる。

 思い描くのはウィルを守った時のこと。

 パウエルの背を守った時のこと。

 今守るのは自分の身だ。

 ガキン。


「うううっ!」


 金属音と同時に全身に衝撃。ハーニーは勢いに圧されて僅かに吹っ飛ばされる。


「あん?」


 手応えを疑う大男の声。ハーニーは何とか身体を持ち直して大男に正対する。右腕に目を落とせば何度も見た半透明な揺らめき。


「よし発現してる……うぐ」


 盾を胸の辺りで構えようとして激痛に気付く。脇腹を庇うため変に受けたのか、右肩の内側が悲鳴を上げていた。肉離れに近い痛みが意識を埋めようとする。

 ただ無造作に振られた片手でこんなに……戦い慣れとか、その程度の実力差じゃない。


「勘のいい小僧だ……女は任せたぞ!」


 相手の顔を見て、気付く。この大男は川沿いで襲ってきた大剣の大男だ。最後、雷の魔法で殺されかけたあの。

 ザザッ、と大地を蹴る音が視界の外から聞こえた。


「なっ!?」


 そうだった。追いかけてくる魔法使いは二人だった。

 どこに……!

 周囲を探す必要もなく、人影が暗闇から飛び出した。

 駆ける足は素早く、ネリーの元へ真っ直ぐ進んでいく。


「ネリィ!」


 ネリーの姿は大男に阻まれて見えない。人影がネリーと接触した瞬間聞き覚えのある声。


「爆ぜよ赤き泡沫──爆泡破!」


 途端、紅色の炎の爆発が生まれる。ネリーを襲った人影が弾かれるように吹っ飛ばされる。


「ネリー!」

「他人の心配してる場合!?」


 その言葉通り大男が動く。ゆらりとした足で右へ移動。足取りはゆったり、油断は一切存在しない。迂闊に攻めれば危機を招く予感がした。

 彼は挟撃を避けるために位置を変えたのだと気付いた時には、ネリーの反撃を受けた襲撃者が立ち上がていた。

 こちらにも見覚えがあった。川沿いの戦いで空から降ってきた大剣使いの青年。金髪が分かりやすい。

 ネリーとハーニー、そして襲撃者二人が向かい合う形になった。


「……僕はどうすべきだ」

 

 東国の貴族は二人がかりで一人を攻めてこないはずだ。どちらかが背を向ける隙は見せないだろう。

 なら、この戦いはきっと一対一だ。

 正直あの大男と関わりたくない。あまりに強大に見える。

 でも僕が青年を相手にすれば、ネリーがあの戦い慣れている大男を相手にしなくちゃいけない。

 それでいいのか? 

 思考を止めたのはネリーの大声。


「私は天才なんだから! 居候は居候で戦えばいいの!」


 それは自身を鼓舞しているようにも聞こえた。

 だが、自分でどうすべきか決めるよりずっと楽な提案だ。


『焦ってはいけません』

「……ああ」


 ネリーもいる。セツもいる。一人じゃないはずだ。

 ハーニーは視界の奥にいる襲撃者。

 余裕綽々な無精ひげの大男を睨みつけた。





 ネリーは息を整える。

 視界の奥で今しがた自分を襲った青年が立ち上がったのが見えた。

 手応えはあった。爆発する水泡を生み出す初歩的一層魔法。イメージと手傷は一致している。


「大丈夫。私の腕は通用する……」


 言い聞かせながら、大男と向かい合うハーニーに目をやる。

 正直頼りない印象が強かったけど、予想以上に機転の利く行動をしてくれた。救われたことに感謝しなくちゃいけない。


「か弱い女の子を蹴り出すのは腹が立つけど」


 つぶやきはネリーの逸る心を静めていく。

 さっきは初めての実戦のせいで焦ってた。でも今は違う。やるべきことは頭の中に入ってる。いつも通りにやれば勝てる!


「っ」


 先に動いたのは敵の方だった。金髪の青年剣士は腰だめに剣を構え、地面を擦るようにネリーに向かって走ってくる。その速度は凄まじく、魔法で強化しているとすぐに看破できた。

 魔法剣士の戦い方は分かりやすい。自分の魔法を心から肯定しなければ発現しないという特性は、つまり魔法は性格通りのものになるということだ。

 武器で魔法の気風は読み取れる。その上迫りくる剣士は若い。直情的に見える。

 なら──


「私は小細工をさせてもらうわ!」


 近づく若き魔法剣士に対してネリーは唱える。


「具現せよ落水する碧色!」


 手を振り下ろすとともにネリーの正面に水流の壁が生まれる。水は虚空から出でて大地へ凄絶に下る。足元で冷たい水が跳ねる。

 水の壁に無理やり剣を振っても、軌道はずれて私には届かない。

 さあ、どう来る!?

 向かい来る剣士は水壁の前で踏みとどまった。ぐっと腰を落として跳躍。魔法で強化していると分かる高度で飛び、大きく一回転しながらネリーを飛び越えて着地。


「やるっ」


 ネリーがたじろぐ。若き剣士に着地の硬直はなかった。そのまま流れるように迫りくる。肩に担ぐ大剣は月の光を妖しく返す。

 ネリーは下ろしていた腕を扇ぐように巻き上げた。


「具現せよ逆巻く緑刃!」


 振り上げる手とともに薄い緑を伴った旋風が生まれた。甲高い風の音が響き、足元の水までも巻き上げながら空を断つ。

 ネリーの魔法は振り下ろされる剣を迎え撃った。


「ぐっ」


 男の呻きが風を割る。剣と風の交錯は相打ちだが、剣を弾かれた青年と違ってネリーに反動はない。さらに青年は巻き立つ突風で体勢が崩れる。


「いける! やれるじゃない!」


 ネリーは大地を蹴って後ろへ下がり、両の手で地面を叩く。一面を覆う水たまりが跳ねた。

 それは初撃を防ぐために生み出した時の水だ。魔法によって生み出された水は土に吸われない。それも想像した通りだ。水は一帯に広がっており水面は、湖面のように夜空を映している。

 ネリーは想像と現実の一致に笑みを零した。

 魔法使いの戦いは様々なものがある。ただ圧倒的な力で捩じ伏せるのもあれば、たった一撃のためにあらゆる策を講じるやり方もある。

 でも私の戦い方はそのいずれとも違う。

 私は魔素の存在を信じている。魔力が身体に宿る通説ではないそれは、魔法の使用に制限がないということだ。そして現に使えている。疲労もない。自分自身が魔素の証明となっている。

 そして。


「魔法の素が外界を満たすなら……」


 ネリーの手は地上に広がる水に触れ、目を瞑る。その感触を鮮明に感じ取る。冷たい水と繋がる感覚。

 そのまま想像を現実に持ち込む。思い描くのはいつか見た雪原。幼少時、父親と行った氷上の風景。

 どこまでも繊細な想像を呼び込みながら、ネリーは持論を振り返った。

 ──私の理論ならどこにだって魔素は存在して世界を満たしている。何でもできる可能性の要素がどこにだって、ここにだってある。それは見える世界全部が私の武器ということ。


「だからっ!」


 記憶の中の感覚は凍てつくような寒さだった。

 肌を刺す冷気だった。

 想像は感覚を補い、周囲の魔素に感応して、想像ではなくなる。


「さあ私! ここはどこ!?」


 ネリーの戦い方は単純だった。

 戦場を自分の戦いやすい場に変える。魔法だけを武器にするのではなく、その場にある物全てを利用し武器にする。利用できる環境がなければ、そうできるように場を変えればいい。そのように作り変えてしまえばいい。

 この場は既に変容を遂げている。

 多色魔法による疑似的な空間支配。

 一系統の魔法に特化できないネリーなりの戦い方。


「ここは……私の世界よ!」


 叫び目を開けば世界は変わる。ネリーの手元から生まれた冷気は爆発的に広がって、水を、空気を、世界を凍らせていく。

 春先の森の中に、皮膚を突く鋭い寒気の空間が生まれる。


「なにっ!?」


 若い剣士の驚愕した声。踏み出そうとした足は氷漬けにされた地表の水で固定されていた。

 ネリーが両手を氷の中に突っ込んだまま、勝利を確信した不敵な笑みを浮かべる。

 だが青年はそれを見なかった。足の自由を奪われた一瞬だけ表情変えたが、それだけだ。

 青年は剣を氷の大地に打ち付ける。硬質な鈍い音。

 彼の足元の氷にヒビが入る。


「うおおおっ!」


 凍った空気を揺るがす咆哮。青年の筋肉と魔法を総動員させた必死の行動は氷の呪縛を解いた。右足、そして左足が順に解放される。雄々しく踏み出す足は青年を押し出していく。

 微かな希望を得た青年は顔を上げた。

その瞬間青年は愕然とする。

 雲のない冷えた空に月や星でない物が浮かんでいた。

 透明で鋭利な氷片。それが無数に浮かび、青年に切っ先を向けていた。それはネリーの二回目の魔法、風の魔法で巻き上げられた水が変質した氷塊。


「使える物を無駄にはしないッ! これで終わりよ!」


 ネリーの声とほぼ同時に氷塊が青年を襲った。青年の身体にいくつもの氷塊が突き刺さる。それは腕や足を貫き、致命傷に至らずとも戦闘不能には十分だった。

 青年は力なく地に伏す。


「ふうっ……ハーニーはっ!?」


 一息してネリーはハーニーの方を振り返った。

 倒れた青年から目を離して。





 右腕の激痛が緊張と集中の両方を削ぐ。大男の一振りを防いだのはいいものの、受け方が悪かったのか、鈍い痛みが続いていた。

 正面で余裕な態度の大男が恐ろしく見える。


「はあっ」


 緊張で整わない呼吸を一つ。

 もしも大男がネリーの方へ向かったら?

 それは……好機だ。そうなれば後ろから一方的に攻撃できる。


「でも僕に攻撃手段なんて……」


 あるのか?


『一度、あなた自身の力で為したではありませんか』

「僕が。ああ」


 3年間だけの記憶。その中のひどく最近の記憶を揺り起す。

 ウィルの家で初めて魔法を人に向けた時のこと。襲撃者に腕を横薙ぎに振るって弾き飛ばした、あの魔法だ。ただ無我夢中だったから、どうやったのかすら曖昧だけど……。

 一度は出来たこと。それならまた出来るはず。

 吐く息とともにそれを反芻。


「できなくてもぶつかっていくしかない」

『私の力も当てにしてください。私自らが行使できる力はありませんが、あなたの力を増幅し明確に制御することはできます』

「分かったよ。珍しく自分から話してくれるね?」

『あなたが死ねば私の存在も失われます。一心同体、いえ、二心同体です。それに私はあなたの周囲にいらぬ動揺を与えまいとしているだけで、黙っていたいわけではありません』

「それって……っ!?」


 目の端で金髪の青年剣士がネリーに向かって走り出した。走りは早く、そちらに注意が向く。


『前を』


 言われて慌てて意識を正面に戻す。人を小馬鹿にした大男の余裕の笑みが迫ってきていた。

 後ろへ下がったところですぐに追いつかれる。元々逃げる場所なんてないんだ!

 決心は一瞬。

 右腕を前に。何度もやった盾のイメージ。強く拳を握りしめ。


「くうっ」


 構えたところで激痛。改めて変に受けた腕が悲鳴を上げるが、盾状の半透明な力場は現れる。

 衝撃に備えて強く歯噛み。

 これから盾の上から剣が振るわれる。断ち切られない硬度が必要だ。その想像をしなくちゃ……!

 大男が肉薄する。

 大剣はまだ背中に隠れて見えない。

 まだ。

 まだ……。


「なっ!?」


 剣は振られず、迫った大男の左腕が色のない盾に伸びた。

 顔には獣じみた凶暴な笑み。笑う余裕があり、その上戦いを楽しんでいるような生き生きした表情。

 盾を掴んだ手は闇から現れ出でたように見え、盾をどかそうと物凄い力が加えられる。

 まさか素手で魔法の盾を掴みにくるなんて……!


「ぐ……!」


 男の腕力は凄まじく、ハーニーの構えていた腕は下へ除けられる。完全に無防備な形。瞬間、男の後ろに剣の輝き。

 右腕は……間に合わないっ!?

 空いた手、左腕が咄嗟に身体を守りに動く。重ねるようにただ出された左腕。


『やれます』


 不安が消し飛ぶ。

 道理につけ込む思考。一度できればまたできる。右腕でできたなら──


「左腕でもできるはずだッ!」


 叫びの直後、大男の一閃。左腕に衝撃。金属音。後方へ弾かれる。


「うわあっ!?」


 後ろへ仰け反りながら、左腕で揺らめく力場が目に映る。宿る痺れは腕が健在な証だ。

 右腕にあるのと同じ、透明な盾。魔法が発現している。

 これなら凌げる。


『気を抜かないでください』


 すぐに釘を刺される。しかしそれを不快に感じることはなく、むしろ落ち着きを覚えた。


「まるで色の無い魔法……純粋な魔力か? 妙な魔法を使う」


 大男がつぶやく。ともすれば話しかけているのか。

 男はハーニーが反応する前に先に動いた。

 愚直な一振り。

 上から振り落とされる剣先をハーニーは交差させた両手の盾で受け止める。強烈な重量。腕から流れる力が足へ行き、地面に足が埋まるほどの圧力に抗う。


「頑丈だなァ!」

「くっ」


 大剣は幾度と振られる。ハーニーは必死に目で追って防ぎ続ける。


「どうしたぁ! その程度か!?」

「誰が……! ん」


 耳を劈く風の音が打つ。

 ネリーの魔法だ。感覚で分かる。


「っ!?」


 ネリーの息遣いに気が緩んだ瞬間、透明な盾の奥の大男の目が怪しく光った……気がした。

 人を窺うことに慣れた心が、嫌な予感を高める。

 ハーニーは咄嗟に身体を横に逃がした。


「ふん!」


 男の掌底がそれまで腹のあったところで空を切る。バチバチと弾ける音が耳を打った。

 電光を纏う拳の速さは残像を作るほど凄絶。先に動いていなければ避けられなかった。


「よく気付く!」


 外れたというのに更に嬉しそうに大男は叫んだ。

 拳を引いて大剣を持ち直し、横に一閃。


「くそうっ」


 ハーニーは無様に泳いでいた身体でなんとか屈む。低い姿勢を取り盾で受け流した。

 弾かれた剣はそのままハーニーの頭上を通り過ぎる。


『好機です』


 そうだ。

 この瞬間は絶対的な隙だ。剣術武術の素人以下のハーニーにも分かる隙。剣の勢いに身体が持っていかれている今は、反撃の絶好の機会。


「くっ」


 しかし手が出ない。手を前に、心を前にするのに躊躇いが生じる。

 それは怯えか。不安か。それとも期待か。

 ……期待だって?

 大男は剣の勢いに逆わらなかった。遠心力を利用して回転斬りに移行しようとする。


「う……!」


 盾で受け流した結果ハーニーは体勢を崩している。上半身が外に逃げていて、続く攻撃を防ぐことができない状況だ。どう頑張っても盾は間に合わない。身体が真っ二つになる。

 ……先に動かないから。

 自分を責める自分の声に、ハーニーは唇を噛む。

 何やってるんだ僕は。いつまでも後手後手で。いつまでも受け身で。今まではそれでよかったかもしれないけれど、今はもう違うんだぞ。僕のことを守ってくれる人はもういなくて、それどころか僕が守る番なんだぞ。僕自身が踏み出さないと何も変わらないのに……!


「もらったなァ!」


 大男の威勢ある宣言。

 今から身を守るために腕を伸ばしたところで間に合うはずがない。物理的にどうしようもない。


「それでも……!」


 僕は今死ぬわけにはいかない。だから、そのためなら図々しくても生き汚くても、自分だけの力じゃなくっても、人任せでも。

 視線だけは向かってくる銀色から外さず。


「セツ! 力を貸せえッ!」


 音のない世界に『はい』とひどく場違いな落ち着いた返事が聞こえた。


「なにっ!?」


 男の大きな動揺。

 ハーニーはその事象に驚かない。それは自らが想像し願ったことなのだから。

 虚空。

 何もない空間にただ無色の魔法があった。

 今までのように腕の延長線上などではなく、思い描いた空間に魔法が発現した。

 色のない魔法の力場が、血肉を散らせるはずの刃を受け止めている。空中に浮遊する半透明なそれは、月光を歪ませながら透過させる。

 色のない儚い魔法が、しかし厳然と存在していた。


「ここだッ!」


 ハーニーの決意に満ちた目が魔力の壁を通して、大きく見開いた襲撃者の目を射抜く。

 大男にあったのは動揺。

 予期せぬ事態に固まる思考。突くべき精神の隙。

 顔色ばかり窺ってきたから分かる相手の怯み。


「セツ! 今度は腕の先だッ!」


 ハーニーが腕を振るう。邪魔な草木を除けるように。そこにあるものを退かすように。

 身体を動かすことで想像は強固となる。

 薙ぎ払う魔力の塊が大男に襲い掛かった。


「くうっ」


 腕を振るいながら、それまで忘れていた右肩の痛みが意識を混濁させた。望んだ世界が乱れる。


「ぐおっ」


 初めて聞く大男の苦悶の声。

 真横から襲った魔力を大男は全身で受け取った。大男は打ち付けられた勢いそのままに横滑りする。

 やがて止まるとがくっ、と膝を落とした。大剣を杖替わりでやっと倒れずにいるような状態だ。

 ……鈍痛で集中が切れたとはいえ、手応えはあった。一矢報いることくらいはできたはずだ。


『油断や慢心は危機を招きます』

「……分かってる」


 右肩に手をやる。痛みがあるはずなのに手で触っている実感がない。

 脂汗が滲む。

 思ったより痛手だったのか、指を動かそうとするだけで激痛が走る。集中しなければ想像を形にできない魔法にとって痛みは致命的な問題だ。理屈どうこうではなく、そもそも想像がままならない。


「やってくれたな……!」


 大男は唾を吐き捨てながら、ゆったりと立ち上がった。


『よく喋るものです』

「確かに……君が言う?」

『嫌ですか』

「そうは言わないけど……う」


 言葉の途中でその場の空気が一変した。春先なのに急に冷気が辺りに満ちた。


『ネリー・ルイスの魔法です』


 大男から目を離せないハーニーの代わりにセツが確認した。どう確認しているのか分からないが、それを気にしている場合ではない。

 攻めなければ。

 初めて攻勢に出れたんだ。腕の痛みはあるけど、やれないわけじゃない!


「いくぞッ!」


 声はセツに対して。ハーニーは掛け声と共に足を前へ踏み出した。

 痛みごと右腕を振り上げ、叩き下ろす。空中にある塊が連動して動き、相手を押しつぶすイメージ。


「ぬうっ」


 大男が慌てて横へ逃げる。男がいた場所に無色の魔力が落ちて、ただ風圧だけが周囲を席巻する。

 避けられた! でもまだ!

 追撃を試みる。

 その時、異音。

 柔らかいものに何かが刺さる音がした。呻き声も闇に落ちる。そしてばたりと人が倒れた音。


「ジャック! 無茶はするなと言っただろうが!」


 無精ひげの大男の焦った叫び。

 ネリーの方を見ると既に決着がついていた。森の氷上でネリーの金色の髪がたなびいている。絵画のような幻想的な光景があった。


『これで状況は有利になりましたね』

「ああ、うん……」


 ネリーの目の前で氷塊が刺さったままうつ伏せに倒れている若者が見えた。遠目でもただでは済んでいないことは分かる。

 これで戦況は二対一。

 セツの言う通り有利になった。

 無精ひげの大男に意識を戻すと既に顔から焦りが消えている。精悍な顔に思慮の色。野性の顔色が窺いとれない。

 ……ん?


『来ます』


 先に動いたのは大男だった。真っ直ぐハーニーに向かうことはせず、横に移動する。結果として大男、ハーニー、ネリーの順に縦に並ぶ形。


『あなたとネリー両方を視界に入れて、不意打ちを防ぐ目的でしょう』

「……」


 本当にそうだろうか。

 大男は結果として仲間の青年から離れたのだ。さっきのように仲間の名を焦って呼ぶような人間が、仲間を置いてそこから離れるだろうか。もう見捨てたのだろうか。そこまで割り切れるものなのか。

 大男はハーニーとネリーが重なって見えるほどの位置までにじり動く。そして重なると、ぐっと身体が沈み、跳ぶ。

 強く地面を蹴った男は、勢いよくハーニーへ一直線。振りかぶる剣が煌めく。

 そしてその眼は。

 ──違う!

 最大の違和感は男の表情から。

 特攻でもなく、また自分の腕に自信があってかかってくるようにも見えない。そこには勝利への自信。確固とした作戦めいたものが裏付けしている。そんな目だ。

 考えてみればおかしい。

 何故魔法で加速してこない。

 何故そんな落ち着いた顔つきで迫ってくる。


「今助けるから!」


 ネリーの声はハーニーの背後から。

 状況はネリーと大男が真ん中にいるハーニーに向かって走る形。ハーニーが避ければ、大男はそのまま進みネリーを狙うだろう。

 これが企みの全容?

 いや、そんな曖昧なはずない。そんな甘い相手でも顔色でもないはずだ。もっと合理的な……。

 気付け。

 気付け……! 何が嫌な予感を呼ぶ……!?

 気付けば強く握られた右拳。

 心の奥底、頭の内、胸の内、深いところで何かと繋がった感覚がした。

 ネリー、大男。それだけじゃない。自分以外の生きる音。

 気付く。


「ネリー! こっちじゃない!」


 気配。潜めていても分かった人の気配。その方にハーニーは首を向ける。

 ネリーがこちらへ走り寄っていて、そのすぐ後ろ。

 倒れていたはずの若き剣士が立ち上がり、ネリーを追ってきていた。赤い液体を流しながら、それでも大剣を担いでネリーのすぐ後ろまで迫っている。満身創痍な青年の目には決意。その視線はネリーの背に向けられていた。


「えっ?」


 ネリーが振り返ろうとするがそれでは間に合わない。既に青年は戦闘距離だ。


「くっ」


 危険なのはネリーだけではない。ハーニーも突進してきている大男から目を離している。

 完全な隙だ。一度は追い詰められた襲撃者側からすれば値千金の好機。

 ……ネリーなら。

 ネリーなら何とかするだろうか。たった一人で青年を戦闘不能にしたくらいだ。何とかしてくれるかもしれない。


「馬鹿か僕は……!」


 迫ってくる現実から逃げないって決めたじゃないか! 自分の命まで人任せにするな! 死ねない理由が僕にもあるんだぞ? 僕の命は僕だけのものじゃない。僕が死ねばリアはどうする。セツだって消えてしまう。ネリーも守れずに死ぬ。

 これほど重い物を、誰かに投げ捨てていいのか!

 出来なくても……やらなくちゃいけない!


『私はあなたを助ける存在です。一人では、ありません』


 人らしくない無感情な声。

 心がざわつく。

 心臓が跳ねる。

 緊迫しているのに落ち着いた。

 安心しているのに闘志があった。

 この状況を切り抜ける。そのために必要なのは何だ。

 ……守ることだ。自分を。周りまで。

 自分を守ることは、自分以上に他人を、リアを、ネリーを、セツを守ることになるのだから。


「ネリー! こっちへ!」

「きゃっ!?」


 ハーニーはネリーの腕を引っ張って抱き込む。ネリーの頭を胸に抱くようにして庇う。


「な、なにするのっ」


 ネリーが暴れようとする。しかし今さらネリーが何とかしようとして間に合うとは思えない。


「僕に任せてくれればいいっ! 守ってみせるから黙って!」

「っ」


 ネリーを隠すように抱きしめながら目を瞑る。

 逃げではなく、集中するために。

 自信のなさを補うために、過去の自分を追う。

 僕にできることなんて限られている。地力で勝てないのは確か。

 ならば魔法だ。無色の魔法。

 僕の魔法に定型なんてない。きっと盾ばっかりじゃなく自由にできるはずだ。思ったままの形に顕現できるはずだ。

 想像するのは絶対防御の球体。

 内部を外界から隔絶する魔法力場。独りぼっちの僕の殻。

 

「守ってくれ僕の魔法ッ!」


 願いは想像に。想像は魔法に。

 ハーニーから溢れた魔力の圧力は、一瞬で二人を囲う球体を作り出した。

 二つの金属音が連続した。


「なにっ!?」

「くそうっ」


 驚愕の声も二つ。

 挟撃の大剣二振りは弾かれる。


『今です』


 力場の中から襲撃者二人を意識する。躊躇いはなかった。


「弾き飛ばせえッ!」


 球体を形成する魔力を全方位に押し出すイメージ。

 防御に使われていた力場が怒涛の勢いで全方位に広がる。

 集束していた魔力が溢れて放たれた。

 魔法は2mほどで消えたが襲撃者を二人弾き飛ばすには十分。


「なにいっ!」

「ぐああっ」


 金髪の青年は吹き飛び、倒れた。

 大男は飛ばされた先で受け身を取って、こちらを恨みがましく睨みつけた。

 

「色無しでここまでやるか……!」


 大男と目が合う。


「……この場は譲ってやる。退くぞジャック!」


 無精ひげの大男が俊敏に青年の元へ駆け寄った。そのまま青年を担いですぐに森へ消える。

 敵意が離れていく気配。

 大男は傷ついた青年を連れて逃げたのだ。

 戦いは終わった。襲い来る者ももういない。

 危機は去った。


「……はぁっ」


 知らないうちに止まっていた呼吸が再活動する。

 肺が求めるものを貪欲に取り入れる。息苦しくも生きていることを実感した。

 気配の消えた先を見る。

 追撃をする気も余裕はなかった。

 脱力感。倦怠感がどっと押し寄せる。

 ただ訪れた平和を夜風とともに受け入れていた。


『見事でした』

「そんなこと……ないよ。辛うじて、運が良かったんだ……」


 最後に逃げて行ってくれたのもそうだ。僕の力量を量り損ねたと思ったから退いてくれた。あのまま戦いが続けば負けていたかもしれない。無事ではいられなかっただろう。

 なんとなしに空を見上げると夜空に雲はなかった。さっきまで空気が冷えていたせいか、星の瞬きで溢れている。


「ちょ、ちょっと……」


 控えめに震えた声がすぐ近くからした。それは本当にすぐ近くで、顔を向けると顔がぶつかりそうなくらいだった。

 目が合う。

 青い瞳は綺麗でまるで吸い込まれそうなほどだった。戦いの後のせいか現実感がない。ハーニーはぼんやりと目を奪われていた。


「ううっ」


 唸り声はネリーから。見ると頬を紅くして視線に耐えていた。

 そういえばネリーを抱きしめてたんだっけ。

 遠い理解が湧き出る、それはだんだんと現実味を帯びていく。掴んだ肩は細くて、でも柔らかくて、気付いてみればいい匂いがして……。


「い、いつまでくっついてるわけ?」

「う、うわっ! ……ごめん! 咄嗟だったから……つい」

「それは、分かってるけど」


 お互い慌てて離れた。

 なんとなく居たたまれない。


「ふー」


 改めて落ち着く。

 抱きしめていたことに慌てはするが、極度の緊張が過ぎ去ったからか今更慌てることはない。仕方ないことだったし。

 逆にネリーはひどく慌てていた。落ち着きなくあたふたしている。

 ハーニーは安心に身を任せて仰向けに寝転がった。

 頭に浮かぶ言葉はよかった、よかった。そればかりだ。


「そ、そういえば。今の! ねえ今の! 何今の!」


 やがて調子を取り戻したネリーが好奇心を露わにした。


「今の?」

「そうよ! あの魔力の塊! 色のない魔力の拡散!」

「何とかなったね」

「何とかなったって、何とかしたのはあなたでしょ。……任せてくれって言ってたし」

「そうか……うーん。なんかそんな感じしなくてさ。僕、というか」


 右腕を空に向けて伸ばす。腕の向こうで輝く星のようにSETUの字がいつも通りに瞬いている。


「セツが助けてくれたって気がする」

『いえ。私自身に力を行使することはできません。今の戦いを切り抜けたのは、あなたの実力です。あなたの成果です。むしろ私は至らない点が多々ありましたから……』

「それでも、僕だけの力じゃないって思うから」


 何となしに右腕を撫でる。

 誰かを褒めた気はせず、ただ自らを撫でた感触しかなかった。


「それにしたって魔力をあそこまで自由に扱うなんて……しかも無色透明……」

「そんなにすごいことなの? ……よいしょっと」


 ハーニーが身体を起こすと、ネリーは少し離れて考え込む仕草。


「何ていうか、魔法にはどうしたって個性が出るのよ。色って言うんだけどね。激情の人には赤。つまり火系統が宿ったりとか、そんな感じ。でもあなたの魔法には色がない。まるで無色透明なんて……魔法を覚えたての子にならたまにあることだけど、それにしたって成長につれてどうしても色がつくものよ」

「……それって僕が子供ってことじゃないか」

「それは分からないけど、色がないから変幻自在に魔法が変化してたわ。普通は無色の魔法って力を伴わないんだけど、さっきのは違っていた」

「セツのおかげかな。前までは僕の魔法、綺麗に見えるだけで力はなかったから」

「それにしても色のない魔法だなんて……記憶がないから色がない? 魔法を操るには記憶、経験が関係するってことかしら。魔法は生き方の表れとは言うけれど、でもそうだとしたら……」


 自分の世界に入ったネリーにハーニーは呆れ笑う。


「やれやれ……いたた」


 立ち上がろうと腕に力を入れて、鋭い痛み。


「ん、大丈夫? 怪我したの?」

「え」

「なに?」

「いや、ネリーがすぐに気付いてくれたから……」

「どうせ考え込んで気付かないだろうと思ってた?」

「う」


 気まずさに目を逸らすが、ネリーは妙に大人しい。


「まあ、いつもならね。今はそういう気分じゃないの。怪我は?」

「怪我ってほどじゃないんだけど……いてて。うわ、肩上がらないや」

『骨には至ってません。筋肉の酷使でしょう。完治に時間はかからないと思います』

「そんなことまで分かるのね。どれどれ」

「どれどれって何を……うわ」


 ネリーが懐から取り出した小さなナイフで、ハーニーの服の肩口を切り離した。


「赤くなってるけど外傷もなし……大丈夫そうね。さ、左手出して」

「左手? どうして」

「どうしてってそんなの決まってるじゃない。体、起こすんでしょ?」


 ほら、と言ってネリーは手を差し伸べてくる。


「う、うん」


 どこか気恥ずかしく、ネリーの目を見ることはできなかった。

 握った手は小さく、驚くほど冷たい。まるで氷のように冷え切っていた。

 やっとのことで立ち上がる。

 凍えた手は離れなかった。


「……ネリー寒いの?」

「え?」

「だって手が」

「あ、ああ。そうね。もう必要ないわね」


 動揺を見せながら手を放した。ネリーはその手をにぎにぎさせるのをぼんやり見つめながら、口を開いた。


「そういえばさっき」

「うん」

「私のこと蹴っ飛ばしたじゃない」

「うっ、あれはだって……!」

「私が怒ると思ってるの? ……そんなわけない。助けられたんだからお礼くらいちゃんと言います」

「そ、そうなの?」


 危うく意外、と口にしかけるが、なんとか踏みとどまった。


「……」

「……」


 沈黙。夜風が木々を揺らす音だけが流れる。


「なによ」

「え。だってお礼を言いますって」

「……アリガトウ! はいこれでいいでしょ! 別にそんな身構えて待つことないじゃない。もう」

「誤魔化そうとしてたんだ?」

「失礼ね。感謝の気持ちが伝わればいいと思っただけよ。……腕痛い?」

「動かすと少し。大丈夫かな、これ」

「冷やした方がいいかもね。ん、いいこと考えた」


 ネリーはハーニーの右側へ移動する。そしてそのままむきだしの肩に手を添えた。


「冷たっ!?」

「どう? 少しは熱冷ましになるでしょ」

「……冷え性? いてっ」


 パチンと右腕を叩かれる。小気味いい音だけで痛くない。


「こんな冷たい冷え性がいるわけないでしょ。魔法使った時に少し凍らせちゃったのよ」

「そうなんだ。ならこれでいいかもね。ネリーの手も温まるし」

「……私のことなんか心配しなくていいのに」


 ネリーは俯いて小声でつぶやいた。


「魔法の知識に富んでいるなら私がもっとしかりしなくちゃいけないのに、何度も助けられてばっかり。貴族なら失格よ」

「別に僕だけが何とかしたってわけじゃないよ。ねえ、セツ」

『私の所有者はあなたなのですから、あなたが状況を打破したと言えるかと』


 ああ、君は空気が読めるわけじゃないんだね。


「ほら、やっぱりそうじゃない……」

「と、とにかく助かってよかったよ!」

「……そうね。私だって気を遣わせたいわけじゃないもの。でも、ね。いい?」


 ネリーはハーニーの右腕を両手で包み、おでこを右肩に当てながら少し寄りかかった。


「……感謝はちゃんとしてる。守ってくれたこの恩は必ず返すから……忘れないでよ」


 言葉が終わった途端、ネリーは顔を上げて元気に振る舞う。


「夜はしおらしくなるからダメね。さ、追いつくわよ! ハーニー!」

「あ……」


 思考が止んで流れる時間に呆然とする。今自分のことを何て呼んだのか理解が進むほどに頬が緩んだ。内から湧き上がる嬉しさと恥ずかしさが綯交ぜになった気持ちで、顔がにやけて仕方がない。


「何その顔」


 怪訝そうな視線にハーニーは自然と笑うことが出来た。


「なんか、必死になって頑張って良かったなって思った。こんなの初めてだ」

「な……にそれ。恥ずかしい恥ずかしいっ」


 ぷいと顔を背けられても、月明かりに照らされた横顔が紅潮していて照れているよう。

 生き延びられて本当に良かった。改めてそう思った。


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