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ぼくの詩集

無題 雑多な思考

作者: 桜井あんじ

あったかいところが

どこにもない


ぼくの からだのなか

あったかところなんて

ひとつも

のこってない


あったかいところなんて

なくていい

だってぼくはそれでやけどする

痛いから

あったかいところなんて

どこにもなくていい

だれがなんといおうと


なのに

ぼくの中に眠るなにかが

かってに

あったかいところを

つくろうとする

だけどそれは炎になって

ぼくを焼く

ぼくはぼくを冷やし続けねばならない

生きてるかぎり ずっと

矛盾をかかえる

ぼくという存在


つらい つらい つらい


いろんなひとたちは

いろんなことをいう

だけどそれは

結果論でしかなく


ぼくは文字をかいて

内部の熱を外に逃がす

言葉を燃やして

ぼくが燃えないようにする

生きのびるために

だけど そうまでして 

なぜ?


ぼくはきまぐれに

自分をちょっと切ってみる

ほんとうにまだ生きているのか

確認するために

もしかしてこれはすべて

悪い夢かもしれないと

期待しながら

だけどあたたかい血は流れ

ぼくはすこし 失望する

まだにんげんでいることに

安心もする


一度失敗したことを

またやろうなんて思わない

ちがうことを

したほうがまし


吐き気はずっと止まらず

それを止めてくれる他者は いない

そんな世界なんてほんとうは

ぼくにとって なんの価値もない


ああ あなたはそこにいてください

その檻のなかにずっと

そこでそうしていてくれるなら

ぼくは あんぜんです

でないと

ぼくはあなたを殺さねばならない

あなたがぼくを焼かないように


美しいものは早々に消え

醜いものは残るのですね

そういう ものなのですね


愛は消え

思いやりは消え

それらが生み出した

憎しみとエゴと苦痛ばかりが

残りました


一部のひとびとは

価値あるもの

自分を捧げ尽くして余りあるなにか

それを 探している

求める人が エゴイストなのか

それとも

求めない人こそ エゴイストなのか?

いずれにせよそんなものは

この世に存在するはずもなく

追い求める者は むなしい

ただひらひらと舞う蝶のように


汚いものははじめからきたないもので

それがうつくしく変わることはない

うつくしいものとは

醜く変わる前に消えゆくもの

とどまるものはすべて みにくい


美しいものは 死にゆくもの

生きるものはすべてみな 醜い! みにくい!

だがそれならば

究極の美とは なにもない 虚無のことなのか


たとえばぼくが

いつか

うつくしいなにかをみつけたとしても

それは

ぼくとはまったく関係のない世界にあるもの

ぼくはその時 幸福だろうか?

美をただ眺めるのは 幸福だろうか?

この世に美の存在を確認するだけで

ぼくは 幸福だろうか?

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