高校生、大損する
日本の株式市場が開いている時間帯は
前場と呼ばれる前半が9:00 - 11:30、後場と呼ばれる後半が12:30 - 15:00である。
後場が終わるまでにオサムは色々な銘柄の売買を繰り返してみたが、
上がっていきそうな銘柄を追いかけるとそこが高値で急落、
急落して耐え切れずに売却するとそこから反転して株価は上昇といったことを経験した。
気づけば95万円の資産は85万円まで減っていた。
放課後、カヨシからは家に寄るように言われていたがこのままでは何を言われるか分かったものではない。
オサムは明日の放課後にカヨシの家に寄ることに決めた。
明日の取引で最低でも100万円には戻してからカヨシの家に寄ろうと決めた。
――翌日の放課後、オサムの資産は75万円まで減っていた。
流石にオサムの顔にあせりの色が見え始めた。損失が25万円。たった2日で資産は4分の3に減ってしまった。
これは最悪の事態だ。100万円を500万円にするのは5倍といったが、75万円を500万円にするのは6.7倍である。難易度がどんどんあがっていく。
その日もカヨシの家へ寄るのは中止となった。
オサムは考えていた。75万円を100万円に即座に戻す方法を。まずは33%増やせば100万円になる。すぐに33%に増やせる銘柄は何だろうか・・・。
Yahooファイナンスで色々な銘柄を探しているうちにふとランキングという存在に気づく。
"値上がり率ランキング"
「これだ!」
オサムは即座に値上がり率ランキングを調べると、+10%、+20%と上昇した銘柄がずらっと並んでいる。
「もう上がってしまったから、これらは買えないけれど・・・」
"値下がり率ランキング"
「やはりあったか。」
オサムは値下がり率ランキングをいくつか調べて、大きく下がっている銘柄のいくつかを購入した。
きっとこのまま大きく下がった銘柄はしばらくすると大きく上昇して、すなわちリバウンドして、明日には大きな儲けになっているに違いない。
――数日後、オサムの顔は真っ青になっていた。
株達はその後更に-10%、-20%と大きく下落していた。
資産は50万円、気づけば半分である。
もはやオサムの顔は「ぬ」と「ね」の区別がつかなそうな顔になっていた。
【資産】95万円 -> 50万円
ポイント
・オサムのような取引を繰り返し、損失を出し続けている人はいますぐ株を引退しましょう
・引退したくない人は取引を1度やめて、勉強し直しましょう
・何を勉強すれば良いか分からない人は、何を勉強すれば良いかわかるまで株を引退しましょう
・このような取引をして滅んだ人はブログやTwitterを検索すれば多数出てきます。(あえて名前はあげませんが)彼らは今も損失を出し続けています
・損失を出し続けた人達はお金が手に入るとすぐにまた相場を張りお金を失います。これまで大損を認め「引くに引けない勝負をしている」と言います。しかし引くに引けない勝負など存在しません。それが分からないから彼らは破滅しています
・ある研究結果によると、大金で相場を張っている人は、ギャンブルと同じ興奮を覚えているそうです