黒と白
この世界に来る前の説明で、
ステータスについてはおおよそ把握している。
熟練度ランク制、スキルと特性の取得。
それがこの世界における成長の概念だ。
熟練度とはステータスの各値の事である。
各値は下記の方法で上昇する。
筋力…力仕事など
魔力…魔法の使用など
敏捷…走るなど
耐久…ダメージを受ける
耐性…魔法や状態異常を受ける
運…幸運な出来事に会う
各値は上昇すれば上がりにくくなり、
そして、ランク上限が存在している。
ランクを上げて、上限を開放し強くなる。
それが、熟練度ランク制。
そして転生者に共通するアドバンテージが存在する。
それが初期値1000ポイントと僅かばかりのスキルポイントだ。
これを振り分け、途中参加の異世界に溶け込む事が、
この世界に転生するテンプレートらしい。
例えば俺の熟練度ALL200プラスとSP2万ポイントこれは例外だ。
子育てを条件に与えられた更なるアドバンテージである。
これがどれほど強力な事なのかまだ分からないが…
あ!
やべ、ステ振りを忘れていた。
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筋力:200
魔力:200
敏捷:200
耐久:200
耐性:200
運:200
初期値を設定してください。
残り1000p
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初期値を設定しないとランクが与えられず、成長も見込めない。
今回の性病から俺が得る成長は何も無いようだった。
そう言えば、うちの女神達のステータスはどうなってんだ?
気になったので確認する。
クロ と シロ。
そこにはそう書かれている。
女神達の名前。
クロとシロ。
ステータス画面と合わせて確認する。
「クロ」
「はい!」
手を上げて片方の女神が主張してきた。
この子がクロ。
よく見ると肌がほのかに浅黒い。
クイクイ。
袖が引かれる。
そこにはもう一人の女神。シロ。
こちらはよく見ると透き通るように白い肌をしている。
遠目からの大差は感じないが、見分ける事は出来そうだ。
そして、何かを期待する眼差しを向けてきた。
「シロ」
「はい!」
元気よく返事する少女。
なにこれ可愛い。
ついつい本音が心に漏れてしまった。
クイクイ。
クロが頬を膨らめせ嫉妬の表情を浮かべている。
やばい。
俺の娘、くっそかわいいんだが…
何かが目覚めようとしていた。
ただそれは、
俺の親バカが始まる序章に過ぎなかった。