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子育てファンタジー  作者: モモノ猫
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俺、パパになります

 異世界転生…

 まさか俺にこのチャンスが訪れるとは思わなかった。


 と言うか、

 風俗通いの帰り道にこの展開が待っているとは…

 いいのかよファンタジー世界。

 俺みたいなのが、お邪魔しますよ?

 そう思ってみて、悲しい気持ちになった。


「いいんですよ」


 返事があった。

 目の前には神々しいまでの光を放つ羽人間もとい天使様。

 普段風俗で抱いている女どもが霞む美しさを魅せていた。

 まて、さすがに人間と比べるのは失礼か?


「いいんですよ」


 返事があった。

 でも、こめかみ辺りに青筋が立っている。

 天使は分かり易い方だった。



「強くてNEWゲームがしたいです」


 異世界に転生するにあたり、雑魚キャラとか願い下げである。

 俺はそう答えた。


 今は異世界についての説明が終り、

 俺のステータスが提示されたところだ。


 その数値があまりに貧弱だった為、

 俺は仕方なく苦言を呈した。


「そのステータスは適正値です。

 異世界で強くなる努力をしてください」


 その機械的な返しにイラッとする。

 しかし、せっかく降って湧いたチャンスだ、ここは穏便に進める事にした。

 勿論、俺の都合のいい方向で。

 

「そこを何とか頼むって」


 天使が一時悩んだ顔をする。

 そして何かを閃いた様だった。



「神の子を育てて貰います」


 ん?何言ってんだこいつ…


「里親になって貰います」


 ???

 

「分かりませんか?里親です!養親です!育ての親です!」

「言葉の意味は分かるよ。

 でも無理っしょ。

 神の親とか…マジないわ」

「本気ですよ」


 天使の顔が嘘をついていなかった。


「育ててくれるなら…

 その願いかなえましょう」


 その声音は今までとは違い感情を含んだものだった。


 ここで頷けば強くてNEWゲームが実現する。

 その事実に俺は躊躇う事無く食いつく。


 天使はそれに邪悪な笑みを浮かべていた。

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