銀色のハイエナとの闘い その9
もう既に敵は半壊し、敵幹部もスキンヘッド以外は倒す事に成功した。
それぞれ別々の場所に転移させ絶賛レベル上げ中だ
もうランク5の敵なら数の暴力で倒せる程にモンスターは成長している
『ゴブリンパラディンが「ゴブリンロード」へ進化しました』
『ネオハイピクシーが「エルフ」へ進化しました』
『玉龍が「ベビードラゴン」へ進化しました』
ついにランク5に到達する者も出始める。
すげー気になるけど今は見ている余裕はない
『マジムンが「クマのぬいぐるみ」へ進化しました』
『セイレーンが「ローレライ」へ進化しました』
『ホブゴブリンが「ギガース」へ進化しました』
次々と進化のメッセージが流れる
もう敵は敗走を続けながら逃げるその背に攻撃を受け屠られるのみ
テレポートする暇など与えない!
ランク2~3の敵はもうレベル上げ部屋でも飽和状態なので倒しても入口へ送る様にしている
入り口で復活した敵は這う這うの体でダンジョンから逃げ帰っていく
恐らく奴らは二度と来る事は無いだろう・・・
スポナー部屋前で待機してた者達も敗走してくる仲間の姿に気付き
持ち場を放棄して入口へテレポートを始める
う~ん、こいつらは倒すのは無理だな。
テレポートを止める手段が無い、遠すぎる
まあ下っ端っぽいし見逃してやるか・・・
下っ端連中は命令されて仕方なくやってた部分もあるだろうしな
後は大将のスキンヘッドを倒せば完全勝利だ
まあ、倒した所でもう自己満足なんだが
死んでいったスライム達の事を思うと少しは痛い目に遭わせてやりたい
だが、これは厳しいか?
「畜生!どけ!モンスターども!」
元々最後尾に居たスキンヘッドは旗色が悪いと見ると早々に退却を始めた
最悪自分だけは助かる様にと後ろに陣取っていたのだろう
一応追手は放っているが、前線にいるのはランク4が最高
ランク5はレベル上げポイント周辺にしか居ない
ランク5モンスターで囲めば倒せるだろうが そこまで送る手段が無い
口の字部分には転移魔法陣は置いてないからな~
走って追うしか無いが、今から追っても奴がダンジョンを出る方が速いだろう
「どけっつってんだろが!おらあ!」
やはりランク6のスキンヘッドからするとランク4モンスター等雑魚同然の様だ
簡単に倒され、囲みを突破される
もう入り口が見える所まで逃げて来ている。
正直、強い!
もしこいつが前線で闘いに参加していれば結果は違った物になっていたかもしれない
そう思わせる強さだ。くそ!ここまで来て逃げられてしまうのか?
「へっ!逃げ切ってやったぜ!ざまあ見ろ!」
スキンヘッドは入り口まで10数メートルという所までやってきた
もう前方に行く手を遮るモンスターは居ない。
残念だ、逃げられてしまったか・・・
「はあ・・・だが、俺ももう終わりだな・・・
生き延びたのはいいが、もうクランに残ってくれる奴は居ないだろうし
1からやり直せる歳でもねェしな・・・」
ぼやきながら歩くスキンヘッド、入り口まで5メートル
ここで何故かスキンヘッドの足が止まり、その顔は苦痛に歪んでいる
一体何が起こったのか注視してみると足の甲から刃が飛び出ているのが見えた。あれは!
「ぎっ!痛ってえええええェ!」
「「逃がさないよ・・・」」
見ればユウが体の一部を刃に変化させ、地面の下からスキンヘッドの足を貫いた様だ
あいつ、いつの間に!
気が付くとコアルームで寝てた筈の2人の姿は無かった
コアルームには入り口に繋がる転移魔法陣があるからな。
あれに乗って行ったのだろう
それにしても、ユウ1人か?アイはどこ行ったんだ?
ユウ1人で大丈夫かな?強いとはいえランク2つ上の相手だぞ?
戦う事自体は止める気は無い。
復讐は何も生まない、なんて言うつもりは無い。
逆の立場なら俺も、立ち向かっていただろうからな・・・
幸いダンジョン内でなら倒しても相手が死ぬ事は無い。存分に戦うがいい
「業」を背負う事も無いだろう。
これはけじめだ。けじめをつける為の戦いなんだ




