表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/268

銀色のハイエナとの闘い その3

ゴブ太たちが戦っていた頃、北側にある残り2つのスポナー部屋でも戦いは行われていた

その内1つはランク2の冒険者が相手だったのですぐに決着がついた様だ

正直ランク2を倒してもこちらにあまり旨みは無いが

「何もない部屋」の外側にはランク1モンスターが大量に居るので

無駄にならない様にそこで復活させレベル上げに利用する事にする


そしてもう一つの部屋にはランク3冒険者が居た

相手をしていたのはハイピクシーである



◇数分前



罠を索敵する為にスポナー部屋へ侵入し、2,3歩程中へ入った所で

部屋の入り口を塞ぐような形でエレベーターが上昇して来た

中に乗っていたのはピクシーが7体とゴブリンが2体、どいつもランク2だ


ビビらせやがって!閉じ込められたのには焦ったが

ゴブリンとピクシー、ランク2が9体程度なら倒せない相手じゃ無い

俺は元々索敵より戦闘のが得意なんだよ!

面倒な仕事ばっか押し付けやがってあのハゲ!


索敵スキル持ちは戦闘が苦手な者が多い為

戦闘力が高く、索敵スキルを持っているこの男は重宝されていた

だが男からしてみれば危険な最前線へ送られ

索敵という神経を使う仕事を毎回やらされるのだ、面白くないのも当然だろう


男は自然な動作で剣を抜き構える

こいつらを倒したとしても閉じ込められてる事に変わりはない

あのエレベーターに乗れば下に行ける様だが・・・

恐らく下にはわんさか敵が待ち構えているだろう、乗らずにここで助けを待つのが正解か?


いや、ボタンだけ押せばエレベーターだけ下へ送れるか?

だがあの手の建造物はダンジョンマスターの支配下にある

誰かが乗らないと作動しない仕組みになっている可能性は高い

などと倒した後の事を既に考えていた

油断しているつもりは無い、ランク2の相手など今まで何度も狩って来た

9体程度、すぐに片付く

そう思いまずは先頭に立っているハイピクシーを斬ろうと剣を振るう


速度アジリティ特化」

「なに!」


だがその剣は空を斬る、と同時に


「筋力特化」

「ぐおおおおおお!!」


ドゴン!っと、凄まじい衝撃が後頭部を襲った!そして、壁まで吹っ飛ばされ激突する!

殴られた?と思われる後頭部からは多量の出血、全身は痛み、目まいもする

どう考えてもランク2の敵から受けるダメージではない

なんだ?何が起こった!

なんだ、あのハイピクシーの力は!いや、速度も!

あれがランク2モンスターの力なのか?ありえない・・・


見れば俺を殴ったと思われるハイピクシーの腕もぐしゃぐしゃに破壊されていた

異様な光景だ、強すぎる力に体の耐久力が追いついていないのだ!

反撃のチャンスかとも思うが、足に力が入らない。今が、チャンスなのに・・・

そう焦る俺をよそに ハイピクシーは自身の壊れた腕を見つめ、軽い調子で口を開く


「痛たたたた・・・・筋力特化は失敗ね。耐久力にも少し振らないとこっちの体も痛んじゃう」


そして俺を見つめ


「もっと実験したかったけど思ったより消耗が激しいし、終わりにしますか!魔力特化!」


そう言って笑みを浮かべ、風の魔法を放つのが見えた

普段なら避ける事が出来たかもしれない、だが既に俺の心は折られていた

なんだあの化け物は・・・

あんなものが、存在していいのか・・・


俺には目の前にいるハイピクシーが禍々しい化け物に見えた

生まれてほぼ間もないのにこれなのだ

成長すれば一体どれほどの化け物になるのか・・・

「生まれつき強い奴」は人間にもモンスターにもそこそこ存在する

だが、こいつはそういう「雑魚」とは違う

こいつからは強くなろうとする執念を感じる「凡人」の俺には分かる・・・


これだけの才を持ちながら何故そこまで心を燃やすことが出来る?

このダンジョンが出来てから、どんな経験をして来たというのだ!


誰よりも優れた才を持ち、誰よりも強くなる事を願うモンスターの存在

あまりの恐怖に足は震え吐き気さえしてくる

もしこの場を生き延びたとしても、俺はもうモンスターと戦う事は出来ないだろう・・・


そして、俺はその一撃でバラバラに切り刻まれ死んだ・・・





ハイピクシーの使用した能力はチューニング魔法

不要な部分を切り捨て 必要な部分を強化する、といった具合に自らのステータスを操作する魔法である

ハイピクシーは「二代目」と出会ったあの時、この力が発現したらしい

きっとノエルの言った万能を目指すよりも

一芸を極めろといった旨の言葉も気にしていたのだろう

この世界では激しい感情の動きや気持ちの持ちようが

発現する力に大きく影響する様に思える


クロ曰く、初めて見る魔法らしく

恐らくハイピクシーしか使えないユニーク魔法だそうだ


ハイピクシーは元々ステータスの合計値は同ランク内でトップクラスである

そしてチューニング魔法を使えばそのステータスを力に集めたり、速さに集めたり出来る訳だ

その威力は、見ての通りである

ランクが上の相手をほぼ瞬殺、クロが天才と呼ぶのも分からなくもない


そして戦ったのはハイピクシーだけの筈だが、部屋に同行した者は皆ランクアップ出来る様だ

あれでも一応一緒に戦ったとカウントされたらしい

その辺の判定はよく分からないね、まあ今回はおいしい判定ごちそうさまです


【ハイピクシー進化先】

『ネオピクシー』


「あれ?マスター、進化先一つしかないよ?」

「あれ?ホントだな。まあ弱くはならないだろうし、しとけばいいんじゃないか?」

「ぶう、つまんないの!」


『ネオピクシー』

・神々の領域に住まうとされる通常の妖精を遥かに凌駕する力を持ったピクシー

神の土地を守る役目を持ち 強い力を神から授かっている

その代償として何代にも渡り神の土地を守り続ける任を課せられている

滅多に地上に現れる事は無い、伝説級のピクシーである

全てのステータスが高く、弱点らしい弱点も無いハイレベルバランス型



ハイピクシーはネオピクシーに進化した

どうもネオピクシーはユニークモンスターみたいだな

召喚欄には載ってない。残念

っとそれよりも


「そう言えば、これからなんて呼べばいいかな?ハイピクシーじゃ無くなっちゃったけど」

「もう!ちゃんと名前で呼んでください!何度も言ってるでしょう!」

「いや~、ずっとハイピクシーって呼んでたから なかなか言い出せなくてな!」

「もう~!」


ハイピクシーいや、『エア』はプンプンしている

しかし、しばらくは間違えてハイピクシーって言っちゃいそうだな~

友達が結婚とかして姓が変わってもずっと旧姓で呼ぶ男だからね、俺は!


「ごめんごめん!これからもよろしくなエア!」

「へへ~!やっと名前で呼んでくれた~!」


エアは大喜びではしゃいでいる

こういう何気ない会話が本当にかけがえのないものだなと感じる

俺は、これを勝ち取るために頑張っているのだ









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ