スライムの侵入者
やっとダンジョンに話が戻ります
『ダンジョンに侵入者が現れました』
ゴリ達が出て行って3時間ほど経った頃、ダンジョンに侵入者が現れた
慌ててカメラを見ると そこには2体のスライムが映っていた
モンスターの侵入者は初めてだな、ていうか侵入者扱いになるんだね
「鑑定」をしてみた所 2体ともランク4
ラースウェポンスライムとラースソーサラースライムという種族の様だ
ランク4って事はツンツン頭と同じランクか
戦えば強敵だろうが
モンスターにはコアルームを見つけられないだろうという自信はある
そういう点では人間相手より気楽だね、モンスターは
それどころかうまく住み着いてくれれば
ダンジョンの戦力になるんじゃないか?という考えもある
う~ん、でも難しいか・・・
命令も出来ないし
ランク4だと現状強すぎてダンジョンのモンスターが乱獲されかねない
ここは数にモノ言わせて処分するしかないか?
しかし二体のスライムは何をするでもなく入り口付近で止まっている
このまま出て行ってくれれば労せずDPが手に入るし
とりあえず様子見を決め込みカメラを注視していた
すると驚くべき事実が判明、こいつら・・・喋るぞ!
◇
「ここまで来て違ってたらどうしようかと思ったけど ホントにダンジョンみたいだね、ここ」
「うん、懐かしい感じがするよね!ダンジョンマスターどんな人かな?」
「私もおじいちゃんやみんなの話でしか知らないから会うの楽しみなんだ~!」
「へへっ!俺も~!」
なんて話が聞こえる
う~ん、何しに来たんだ?こいつら
二体が話してる感じからすると二体とも子供で、悪意も無いように思える
とりあえず、話を聞いてみるか?
もう俺も相当レベルが上がってランク4とは言え
簡単には殺されない程度のステータスにはなってるしな
スライムは足も遅いし、最悪逃げる位は出来るだろう
なんて思って転移魔法陣で入口へ向かうと
その直後、凄まじい殺気が俺を襲った
例えるなら猫が怒って威嚇してる時の「フーーっ!」って感じだ
あれが猫なら可愛いと思うかもしれないが相手は俺を殺す力を持っている上に
本物の殺気を放っている、やばい、超恐い・・・これは早まったか?
「「人間!!追いかけて来たのか?」」
さっきまでの和やかな空気はどこへ行ったのか?
その言葉の後、男の子?スライムの体から糸のような物が伸び俺の足を搦める
同時に頭上にも糸が伸び、その先端は鎌の様な刃物に変化する
そのまま糸をぐるぐる回し先端の速度を加速させていく
おいおい、あれで斬りつける気か?まじ死ぬって・・・
誰だ!スライムは遅いから逃げられるとか言ったのは!俺だ!
めっちゃ速いぞこいつ!
両方と対峙した俺には分かる、こいつはツンツン頭より強い!
象みたいなモンでランク通りの強さじゃないな、この世界のスライムやべえ!
先端が見えない程に加速した鎌が振り下ろされる!
ああ、また周りがスローに見える、だが、体は動かない・・・
ゴリの時とは違う、この一撃には本物の殺気が籠っている
これは死んだな・・・、と思ったが
「兄貴!ぐううッ!」
追いかけて来ていたゴブ太が割って入り鎌を受け止める!
その手にはオッサから貰ったお古の鉄の盾が握られていたが
一撃で真っ二つになる!
それどころか攻撃の衝撃で鎖骨が折れた様だ
続いてハイピクシーも駆けつけ風魔法を放つが女の子?スライムがそれを防ぐ
どうやら女の子の方は魔法タイプの様だ
そして間髪入れずカウンターで同じ魔法が飛んでくる!やばい!
「ぐおお!」
「マスター!」
「兄貴!」
反射的に2人を庇う。何とか死んで無い、HPだけは高いからな!
だが持ってあと一撃って所か、こいつら強すぎる・・・




