師事
45レベルで得た倉庫作成だが 現時点では微妙と言わざるを得ない
倉庫の中は謎のご都合主義空間となっていて
内部に保管した物は劣化する事が無く
鉄などは錆びる事は無いし、食べ物も腐らず何年でも保管できる
しかも直接倉庫へ取りに行かなくてもメニュー画面からアイテムの出し入れは可能である
将来的にはお世話になりそうではあるが、今のところ倉庫へ入れるほど物資が余ってないんだよね
と言うわけで今の所は作らずに放置してある
最近 戦力強化という意味では微妙な能力ばかり覚えてるとぼやくと
50レベルではかなり良い能力を覚えるから期待していいぞとクロが言っていた
明日が楽しみだな
クロはなかなか博識で俺の質問に的確に答えてくれる
普段は無口らしいが、ウンチクを語るのは嫌いではない様だ
ノエル曰く世界最強の魔法使いらしいのでゴブリンやピクシー達に魔法を
特にテレポートを教えてもらおうと思ったのだが
「・・・この中でテレポートを覚えられるのはハイピクシーの子くらいだな」
と言われてしまった。どうやらテレポートは杭無しだとかなり難しい魔法らしい
逆に言うとそれを覚える資質を持つハイピクシーはかなり優秀なのだろう
「・・・あの子は天才かもしれない、私がここに居る間は出来る限り教えてやろうと思う」
家のお礼だ、とクロは言う。
とりあえずハイピクシーに集中的に教えるので
他の者にはハイピクシーから教えてやってくれとの事だ
「・・・人に教える事で自身の勉強にもなるし 身内の能力の把握にも繋がるだろうから そのやり方で行こうと思う。私1人では皆に教えるのは難しいしな」
と言うわけでハイピクシーにはクロの元で魔法を習得してもらう事にする
そしてゴブ太はもう1人の最強オッサに教えを受けている様だ
ゴブ太は才能ありそうか?と聞いたところ
「ゴブ太はやる気はあるが、才能は平凡だと言わざるを得ない」
う~ん、そうなのか・・・
ゴブ太に限らず ハイピクシーが特別なだけで他の者は皆 横並びらしい
しかし、とオッサは付け加える
「いいんじゃないかな、才能なんか持っていなくても・・・
最初から何もかも持っている完璧な男が
挫折もせず勝ち続け 英雄になる、そんなストーリーよりも
平凡な男が幾多の困難を越え、成長していく!
そんなストーリーの方が俺は好きだよ」
うんうんとゴリもユズも頷く
前も見たな、この光景
2人は、特にゴリはオッサの言葉に自身を重ねているのか
今まであったことを思い出しているのか目を瞑り黙ってしまった
「それに、ゴブ太と話しているとおぬしの事を守りたいという
気持ちが痛いほど伝わってくる
大事な時に力になれず悔しい思いをしたと、強くなりたいと・・・
精神論など古いという奴もおるかもしれん
だが、盾役として一番大切なのは
誰かを守りたいという気持ちだと俺は思っている
才など無くとも一番大切なものを持っているのだ
強くならない訳はあるまい?」
俺は何も言えなかった
答えを返さねば、と思ったがこの言葉は重く、気軽に返事を返してはいけない気がしたのだ
きっと、オッサはゴブ太と自分を重ねている部分もあるのだろう
その言葉はオッサ自身にも言い聞かせているように聞こえたからだ
最強は、最初から最強だった訳ではない
彼らを見ているとつくづくそう感じさせられる
きっと俺などの想像を絶する経験をしてきたのだろう
いつかまた、その話も聞いてみたいものだ




