冒険者の受け入れ
コアルームへ到着した
昨日 土エレメントがランク2になり「石」を生み出せる様になったので
早速石の斧を作り(柄の部分は妖精樹に枝を分けてもらった)
ブラックチェリーの木を一本切り倒し、丸太椅子を何個か作り置いてある
切り口がデコボコだったのだが、シルフ達に風の魔法でカットしてもらい滑らかにしてもらった
おかげで座り心地も抜群だ。魔法って便利だよねって思う。俺はゴリアテ達に腰掛ける様に促し、話を聞くことにする
「それで、頼みたい事というのは?」
「ああ、その事だが、本題に入る前に確認を取っておきたい。このダンジョンで死んだ者は生き返るという話は本当か?」
この前の冒険者達に話を聞いてきたのか?この位はバラしても問題無いかな?
ここは正直に本当だと頷いておく
「・・・多分本当だと思う、死の先をゆく者の称号持ちがたくさん居たから」
「ああ、そういえばそうだったな。不思議だとは思ったんだ」
クロとオッサも補足してくれる
コアルームへ来る道中でもたくさんのモンスターとすれ違ったからな、しっかり鑑定してる辺り抜け目ないなと思う。
もうそろそろ通路を拡張するべきかもしれない、モンスターの数に対して狭い感じがするからな
2人の説明を受けてゴリアテも納得したのか、それならば問題無いなと話を続ける
「頼みたい事というのは、このダンジョンを冒険者のレベル上げの為に使わせて欲しいのだ。出来ればランク2スポナーを設置して欲しい」
「レベル上げ?」
「ああ、そうだ」
「そんな事の為にわざわざ俺の許可を取りに来たのか?冒険者なら許可なんか取らなくても勝手に乱獲しそうなモノなんだが・・・」
「いや、死んでも復活するという保険も欲しいんだ。あんたを怒らせて能力の付与を切られる訳にはいかんからな」
ゴリアテが言うには冒険者のレベル上げは安全マージンを多めに取るのが基本らしい
パーティでランクが下のモンスターを数多く倒すというのが主流でレベルを1つ上げるまでに数か月
ランクを2から3へ上げるのに2~3年は掛かるのが普通らしい、しかも
「そのやり方には弊害があってな、格下を相手にする事に慣れすぎると技術がおろそかになり、いざランクを上げるという時に同ランクの敵との戦いで思う様に動けず、不覚を取り死亡するというケースが少なからずあるのだ
だが、このダンジョンなら死亡しても復活できる。同ランクとの戦いの経験を積む場として、ランクやレベルを上げる為の修行の場として、最適という訳だ」
死んでも復活出来るなら安全マージンを取る必要は無くなるもんな
同ランクの敵を狩れば格下を狩るより遥かに速くレベルも上げられる
本来ランクアップまで2~3年掛かる所を1~2か月にまで縮められるのだ
技術も身に付くし良い事尽くしな訳か
「しかしこっち(ダンジョン)側としてはあまり冒険者を受け入れると身の安全がな・・・」
正直俺としてはそんなの協力したくないので遠回しに断ってみたつもりなのだが向こうも簡単には折れない様だ
「それはこっち(冒険者)もルールを作り守らせると約束しよう。具体的にはどこかに境界線を敷き、そこより先へは侵入しないといった風にしたいと思う
もし境界線を越えて来る者が居れば好きに撃退してくれて構わない」
ぬう、では別方向から
「ふむ、しかしランク2スポナーを作るとなるとすぐには作れないぞ?何か月も待ってもらう事になると思うけどいいのか?」
ホントはそんなに掛からないけど大袈裟に言っておく。
凄腕の冒険者とは言っても多分ダンジョン運営のDP事情まではよく知らない筈だ。と思う
ここは若いダンジョンというのは向こうも知ってるし、これで育つまで放置してくれるのなら儲けものだ
「DP不足に関しては俺たちが何とかしよう!俺たち4人が出入りを繰り返せば3日もあればランク2スポナーは作れる筈だ」
「・・・ユズ、こっち来てみろ!すごいぞ!」
「クロさん!人の家の扉を勝手に開けちゃダメですよ!」
ぬぬっ!これは失敗したか?どうもダンジョンについても調べて来ている様だ。
ランク2スポナーは今作れる一番安いのでも2万DPするのだが
こいつら4人が出入りすれば恐らく1人2000×4で8000の収入
3日あれば作れる計算になる。かなり正確な数値と言える
「しかしスポナーとは言え乱獲されると結局DP収支マイナスになると思うし・・・」
「そこは同ランクのモンスターしか狩らない様に徹底させよう
勿論、スポナーから出現するモンスター以外は狩らない様にもする。
同ランクのモンスターと戦闘出来る回数はかなりタフな奴でも1日10回前後が限界だろう
ランク2の人間が出入りをすれば約180~190DPは入手出来ると思う
最低でも4人で来るとして185×4の740DP
対してランク2スポナーの1体の召喚コストは40DPといった所だろう
10体で400DPだから収支としてはプラスになる筈だ」
「・・・オッサも来てみろ!綺麗だぞ!」
「いや、お前ら・・・今ゴリが真面目な話をしてるんだが・・・」
「ホントに綺麗ですよ!オッサさん!」
やっぱめっちゃ詳しいなこいつ!
確かに相当なDPプラスになるとは思うんだがそういう事じゃないんだよ!
どんどん侵入者に入って来られると落ち着かないんだよ!
だが理詰めで来られると断りにくくなって来たな・・・
くそ!最初にはっきり断っておくんだった!




