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◆相撲

 おっさんもランクアップ作業を終えた様だ。その後残った参加者も全員ランクアップを終え、現地で休憩も兼ねて食事を取る事になった

 俺たちがランクアップ作業をしている間に警ら隊宿舎では食事の準備をしていたらしい


 食事をしていると冒険者の人も含め何人かが俺に話しかけてきた。好き勝手叫んだから嫌われたかなと思っていたが、そうでも無かったみたいだ

 逆にスカッとしたよっとの事

 俺も少し気まずい感じはあったのでそう言ってもらえるとホッとする。


 俺はこの時点で冒険者になる気持ちは固まっていたので話しかけてくる人たちと

 特に、冒険者志望の人とは今後の事等を話し合ったりして親睦を深め合った


 その中でもおっさん、イケメン、3人娘とは連絡先を交換し、また後日会う約束をした

 そして食事が終わった後、町へ戻りその日は解散となった。長い1日だった、でも良い1日だった



 それから三日後

 ランク上げツアーの疲れも取れた頃にイケメンこと「レオン」と3人娘が訪ねてきた

 レオンはステータスが俺とほぼ互角で、同じ町に住む同じ歳の冒険者志望だ

 18歳、同じ歳でこれほど強い男は初めて見る

 イケメンで強いとか反則だろ、ブサ面に謝れ! なんてのは冗談だ。相当努力したんだろうな流石中身もイケメンである



 3人娘も同じ歳学年の17~18歳だ。てっきり20歳くらいだと思っていたが・・・


 と言うのも美人系の「春花(はるか)」と言う子がすごく大人っぽいのだ

 だが冷静になり残りの2人 ボーイッシュ系の「響」 、そして清楚系の「七海(ななみ)」等を見てみると同い歳、あるいは年下にも見えるくらいだ

 春花を見て年上のイメージが付いていたんだな


 3人も同じ町に住んでいる

 レオンも含め、みんな学校を卒業したら冒険者となるらしい。おっさんは一足先に冒険者として活動する様だ


 俺は冒険者を目指すと決めたものの実戦経験が無いので~という話をレオンたちにした

 それならば、という事でたまにこうやって集まって実戦練習をしようという話になったのだ

 卒業までの1年の間にそれなりに戦えるようになりたいものだ


 とりあえず外で暴れていると通報されかねないので通っているトレーニング道場の片隅のスペースを借りてそこで訓練する事にした

 着くなり軽くアップをして準備完了だ。レオンの講義が始まる


「まず何の練習をするかだが、ゴリが初心者だと言う事なのでゴリに戦闘のイロハを教えながら進めて行きたいと思う。

まあ初心者とは言え、ステータスはみんなと五分なので俺たちにとってもいい練習になると思うがな」


 そうなのだ、信じられない事にこの3人娘めちゃ強いのだ!

 俺は今までステータスの合計値で同い歳の人間に負けたことは無かった

 だが、井の中の蛙だったと言わざるを得ないだろう・・・

 STR、筋力だけは一番高いがステータスの合計値ではこの中で俺が一番低いのだ


「最初にやる事は倒されない練習だ。

人相手でも、モンスター相手でも倒されずに戦うというのは基本となる

人相手の素手の試合なら寝技なども有効だが実戦では武器が出てくるからな

ここは倒されない技術を磨いていく方がいいと思う

まあ口で説明してもゴリもよく分からないだろうし、早速実戦練習をしていくとしよう」


 レオンはそこまで言うと、持っていたマジックテープを地面に張り始めた。何かの準備をしている様だ


「えー、ルールを説明する。このマジックテープの円から出たら負け、足の裏以外を地面に付けたら負け、あとは手のひら以外での打撃禁止、要するに相撲だ。まわしは無いがな」


 相撲か! それなら力が物を言うし俺もちょっとは自信あるぞ! 燃えてきた!


「じゃあ私が合図するよ!」


 響がピョンと飛び跳ね主張する

 俺とレオン、両者位置に付き響の合図で勝負開始となる


 周りを見ると道場の連中も野次馬に来ている。基本的に体育会系はこういうのが大好物である。後で俺とも勝負しようぜ!なんて先輩たちも集まってきている、楽しくなってきた!


「じゃあ行くよ! はっけよい、残った!」

「うらあ!」


 立ち合いの合図と同時に全力でぶつかり押そうとするがビクともしない!

 なんだこれは! まるで鉛の様に重い・・・

 筋力は俺の方が上だった筈だ、ぐおお~!


「ふんっ!」


 そしてレオンの投げ一発で成す術も無く俺は投げ飛ばされる


「勝負あり!」


 こういう力勝負で負けたのは久しぶりだ、正直ちょっとショックだ・・・


「はあ、はあ・・・」

「ゴリ、少し休んだらもうひと勝負だ」

「お、おう・・・」


 ちくしょー! こいつ平然としてやがる!

 俺がへばってる間に先輩たち道場の連中もレオンに投げ飛ばされていく!まじつえーなこいつ、俺が弱い訳では無かった様で少し安心

 そしてまた俺の番、今度こそ勝つ!さっきは油断もあった、気がする・・・


「ぐおおお~!」


 気のせいでした・・・やっぱこいつ強い!

 今度は投げを打とうとするが横にもビクともしない! なんというか固い!

 そして今度はグリグリ押されて抵抗できないまま押し出された・・・

 ぬぐぐ・・・




















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