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◆ランク上げツアー

 俺は道場へ通いだした日から飛躍的に成長した

 と言うのも今まではただガムシャラにトレーニングしていただけだったのだが、正しいトレーニングのやり方を知り、人間の体について深く学ぶ事でその努力に体が応えてくれるようになったのだ


 2年も経つ頃にはウエイトリフティングで敵う同年代の者は居ない程になっていた。


 俺の高等部での生活は殆ど体を鍛えるばかりだった

 道場だけでなく、家でのトレーニング用にも器具を買い体を鍛えた

 決して広い家では無く、器具の置き場も無かったので寝室はバーベル等の置き場と化し、地震が来たら重りに潰されて死ぬぞ、なんて言われたが聞く耳持たずに鍛え続けた


 人並みの力を持って生まれた者が見れば何故そこまでするのかと疑問に思ったに違いない

 地獄の様なトレーニングを毎日続けるだけの青春、何が楽しいのか? と

 だが、俺は楽しくて仕方が無かった。


 元から人並みだった者にはきっと分からないだろう

 俺たち弱者がどれだけ『強さ』に飢えているのか。トレーニングはきついが楽しい、鍛えれば成長するのだ

 理想の自分に近付く事が出来るのだ! こんなに楽しいことがあるだろうか?

 俺の人生はこれだけでいいとさえ思える

 だからこそ、これだけは誰にも負けたくは無い・・・



 ある日、成長がぱったり止まった

 どれだけ鍛えても全く成長しないのだ、いわゆる壁に当たるってやつだ


 壁を超えるには何かのきっかけが必要だったり、特殊な条件を満たしたりと色々方法はある

 だが分かりやすい方法はモンスターを倒しレベルを上げ、ランクを上げる事だろう

 トレーニングで経験値を貯めたりステータスを上げる事は出来るがランクだけは実戦で戦わないと上げる事は出来ない

 そして恐らく今のランクではトレーニングで上げられる限界点が来ているのだろう


 とは言え、実戦経験も無い俺がモンスターを倒すのは独力では難しい

 ここは冒険者に頼ろうと思う。冒険者ギルドへ行き、「ランク上げツアー」へ参加申し込みをして来た

 今まで稼いだ金の3分の1、30万ほど掛かったが強くなる為の出費だ。惜しくは無い。我ながら行動力がついてきたと思う

 数年前の自分なら、なかなか行動に起こせず時間を無駄にしていた事だろう


「ランク上げツアー」

 これは戦闘力の優れた冒険者に同行してもらい、モンスターと戦いランクを上げる事を目的としたツアーだ


 ランクを上げれば普段の生活も便利になることが多いので一般人でもランク2まで上げている者は多い。人気のツアーだ

 ちなみに俺はランク1だが、同い年のランク2の知り合いよりステータスは上だ

 器がデカくても中身が満たされてなければダメって事だろう


 ランク上げツアーで上げられるのはランク2までとなっている

 理由としてはレベルは格下相手でも上げる事が出来るが、ランクを上げる際は最低でも同ランクの敵を倒さなければならない為だろう

 高ランクを目指す程 危険度が跳ね上がる

 ランク1のモンスターとランク2のモンスターでは危険度がまるで違うのだ

 昔はランク3まで請け負っていたが事故が相次いだ為 中止となったらしい



◇ランク上げツアー当日



 このツアーの参加条件としてはランク1でレベル10の者、つまり1度戦えばランクアップする者に限られる

 これは冒険者の負担の軽減、そして俺たちの安全の為でもあるんだろうな

 俺もなんとか条件を満たしていたので無事ツアーに参加することが出来た


 集合場所に来て周りを見てみると今回の参加者は20人程居る様だ

 下は小等部の子供から上は40代まで年齢層は幅広い


 引率とサポートをしてくれる冒険者達も同じく20人程

 皆なかなかいい筋肉をしている。細く見える者も立ち振る舞いを見ればよく鍛えている事が分かる


 これは信頼しても良さそうだと思うが念のため鑑定してみる

 ちなみに鑑定は体調管理の為もあるが自らの成長を数字で知る事でトレーニングのモチベーションを上げる効果もある

 というのは先輩の受け売りだ。必死に勉強、練習し何とか習得した。現在鑑定LV5だ。毎日暇さえあれば使ってるからな、勝手にレベルが上がる

 今では他人のステータスもスキル以外は読み取れる様になっている


 鑑定してみると冒険者達は皆ランク3~4だった

 ランク3以上の者は冒険者全体の10分の1程度しか居ないらしいのでなかなかの精鋭では無いだろうか

 一般人死なせたら洒落にならんから厳選してんのか?


 それにしても全員ステータスが高い

 ランクのせいもあるだろうが、それを差し引いても俺たちの様な学生とは鍛え方が違うな

 同い年相手にいい気になっていたが、俺もまだまだの様だ

 感心する様にステータスを覗いていると主催者らしき男から集合するよう声を掛けられた

 どうやら出発するようだ。男は出発前の挨拶を始める


「え~、皆さんこんにちは。本日はツアーに参加頂き誠にありがとうございます。

早速今から狩場へ向かいたいのですが、その前に幾つか注意点がございます

今から向かう狩場は「アオルソイ草原」

ここに住むモンスターは殆どがランク1、最高でもランク2となっており

その上、我々が事前にランク2を狩っておりますので非常に安全な狩場となっております。

しかし、街を一歩出れば絶対安全! とは行きません。

我々も最善を尽くしますが、不慮の事故というものはどうしても起こり得るものです。ですので、最低限ルールを定めさせて頂きます」



「まず1つ目、我々から離れないこと! トイレなどに行く際も必ず冒険者の誰かに付き添ってもらうこと!

2つ目、モンスターとの戦闘は殆ど我々が行います。我々がモンスターのHPをある程度奪い、動きを封じますので皆さんはその後トドメを刺して頂くだけで結構です。

3つ目、基本的に我々の指示には従うこと

特に、ツアー進行の妨げとなるような悪質な行動を起こした場合には実力で拘束させて貰う場合もあります。ご容赦ください」



「え~、注意点は以上となります。少し脅かす様な事も言いましたが最後に事故が起きたのは20年も昔の話であり、それ以来1度も事故は起きておりません

今と昔とでは安全管理のレベルがまるで違うのです!

事前の調査、高ランクモンスターの排除、サポートする冒険者の数と質の向上など、安全面には最大の注意を払っておりますので

どうか皆さま、リラックスしてランク上げに挑んでください!

長くなりましたが私の方からは以上となります」


 話なげえ~! 要約すると冒険者から離れるな。全部冒険者に任せとけって事だな

 周りを見ると戦いたそうに物足りなそうにしてる奴も居るが俺は正直実戦は恐いからトドメ刺すだけってのは助かるわ



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