町へ行きたいダンジョンマスター
ミミズを召喚することにした
ミミズは雌雄同体で、繁殖力がとても高いので2体居れば勝手に増えるとの事。スポナーいらずだ
ミミズ2体を50セット程召喚し口の字全体に散らす
こいつも蜂と同様増えるまでは攻撃不可にしておく
ミミズ召喚DP10×2×50で1000消費 残りDP1000
ちなみに虫モンスターから吸収できるDPは動植物系に比べて少ない様だ
残りDP1000か、1000だとスポナーは作れないしエレメントを追加しておくか?
もう最初の頃のDP予備を残しておくという考えは無くなっている。早く色々作りたくてしょうがないのだ
今居るエレメントは土と水のみ。居ないのは風火闇光
この中で闇と光はあまり作る意味は無いかなと思っている
闇はその名の通り、部屋を暗くする事が出来る
寝るときに欲しいかな~とは思うが、あまり使い道は思い浮かばない
冒険者は明かりは常用装備っぽいしな。部屋を明るくする魔法もあるらしいし
コストのわりに使いづらいよな闇は
光は実はデフォルトで付いているらしくダンジョンが最初から明るいのは光エレメントが壁や天井に内蔵されているかららしい
光エレメントは光を生み出し部屋の光量を上げることが出来る
使い道は・・・目くらましか? ランクが上がればレーザーも撃てるらしいが攻撃魔法なら他にも使える奴が居るしな。やはり使い道は思い浮かばない
「作るなら風か火だな」
「風は妖精樹ちゃんが多少代わりは出来ますし、火の方がいいかもです」
「ほ~」
火か、風呂を沸かすくらいしか用途が思い浮かばない
だが今は冒険者が持ち込んできたゴミを燃やしたいので火を召喚したい気持ちは大きい
ツンツン頭達が持ち込んだあのテレポートする杭はダンジョンのあちこちに打ち込まれてたからな。撤去するのにゴブリンやピクシー達も苦労してる様だ
「火はランクが上がれば鉄を加工出来るようになりますよ! 炉や型も必要になってきますが」
「確か土エレメントのランクが上がれば石や鉄を出せるんだっけ?」
「そうですね、しかし今のままでは鉄を溶かす事は出来ないので鉄製品を作りたいのなら火のランクアップは必須です」
「う~ん、でも鍛治の知識とかないしな~」
「それはスキルで持ってるモンスターが居ますよ!」
「まじでか!」
火のエレメント召喚決定! しばらくレベル上げの為に意味もなく火を起こし続けるの巻
鉄を溶かす程の高温を出せるなら戦闘でも役立ちそうだがコストが高いからな~
ランク1で1000だからランク2だと10000くらいか? ちょっと前線には出したくないな
鉄製品で思いついたがゴブ太達の装備も揃えてやりたいな
「鉄って出せるようになるまでしばらく掛かるよな?」
「そうですね、土エレメントのランクが2で石を3で鉄を出せるようになります」
「そっか~」
土エレメントはもうすぐランク2に上がるから武器はもう少しで作れそうだな
出す石の大きさもある程度調整可能らしいから斧やナイフ、槍も作れるな
柄の部分の木材は妖精樹にもらうか?
ちなみに石は石があれば加工出来る。あまり精密なのは無理だけどな
石同士ぶつけて割るだけだ。刃を研ぐのも同じく石があれば研げる
問題は防具だな。鉄はランク3って事だがランク2から3の間が長いんだよな
多分1か月は掛かるか? 他のモンスターみたいに戦闘でレベル上げ出来れば少しは楽なんだけどな
「防具は皮装備という手もありますよ!」
「皮?」
「はい、本格的な物を作るのなら糸や布、金属も欲しい所ですが間に合わせでいいのなら熊の毛皮を羽織るだけでもかなり防御力は上がりますよ!」
クマの毛皮か、容易に姿を想像できるのは何故だろう?
「皮装備は鉄装備程の防刃性はありませんが意外に丈夫ですし、弾力がある分衝撃にも強く、そして何より軽いです!」
そうか、小柄なゴブリンやピクシーにはいいかもしれないな
「糸に関しては麻や木綿はもう植えてますが、毛糸が欲しいのなら羊やカイコが定番ですね!
そしてダンジョン特産と言ってもいいのですが、基本的にモンスターの毛は毛糸に出来ます。変わった所では蜘蛛の糸なんかも加工して衣服に出来ます
ランクの高いモンスターの毛糸は防具にした際防御力が高く、特殊な効果を持つものが多いので それらの素材を目当てにダンジョンへ潜る人も居る位です」
「いや、でも糸とか作る技術無いぞ・・・」
「それもスキルで持ってるモンスターが居ます!」
「まじでか!」
なんというご都合主義!
しかしそれらの技術持ちは人型モンスターなので召喚するには食料の問題が・・・
う~ん、今のところは熊の毛皮でいいか? いや、待てよ・・・
「あのテレポート杭ってさ、1個1万するんだろ?」
「はい」
「あれを売りに行けば人間の装備買って来れるんじゃないかな?」
「ああ、ついでに外の世界を見てみたい・・・なんて思ってます?」
「ダメですかね?」
「ダメですね」
「・・・」
「悲しそうな顔をしてもダメですよ! 基本的にダンジョンの入口には見張りがいるんですよ!」
「そ、そんな暇な奴いるのか?」
「はい、特に出来たばかりのダンジョンにはかなりの数のハンターが張り付いてますね」
「な、なんでよ・・・」
「外への好奇心からか、ダンジョンから出てくるダンジョンマスターが多いからです。危険なダンジョンへ突入するより出てきた所を狙おうと考える人は大勢居ます」
「むぐぐ・・・」
「ま、まあ買い物なら私がして来ますよ! 気を落とさないでください! 人間社会なんてロクなもんじゃないですよ!」
「いや、俺もさ・・・あまり人の多い所は好きじゃないよ。でもさ、限度があるよね? たまには町へ行ってみたいよ」
「なんか方法ない? みたいに見てもダメですよ! 諦めてください! 町へ行きたいのならここに作ればいいじゃないですか!」
それはちょっと違うだろ・・・畜生! いつかきっと見に行ってやるからな!




