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先天性スキルランキング

「そういえば先天性スキルってコンティニューの他にどんなのがあるんだ?」


 痛む腹をさすりながら質問している。ハイピクシーの回復魔法でHPは回復する

 しかし回復魔法は傷を塞いでいるだけで失った体力は回復しないし痛みもしばらくは残るのだ


「ふふっ! 知りたいですか?」


 ノエルは少し前まで「もう知りません!」とか言って プンプンしてたのだが、この話題は彼女のスイッチを入れてしまった様で早くも機嫌が直っている。


 俺はあのカタログの中身はすごく気になっていた。それに他のダンジョンマスターの事も気になる。

このハードモードな世界でどうやって生き抜いているのか?


・・・まあノエルが言うには生まれて1週間以内で8割は死ぬらしいが、それでも2割も生き残るとは驚異的な数値だと思わざるを得ない


「パンパカパーン! ダンジョンマスター100人に聞きました! 人気スキルトップ5の発表です!」

「いや、ちょっと待て!」

「はい?」

「人気スキルも何もあの場で好きなの選ぶ時間なんて無かったぞ?」


100人ってのも気になるがそこが一番気になる所である


「ああ、それは普通ある程度絞って選ぶでしょう? あ~から順に並んで載ってるんだから例えばモンスター強化関連が欲しければ もん~から探しますよね?」


「・・・」


 言えない! そんなの気付かずにフィーリングで選んだなんて!

 ってか他の奴らあの状況でそこまで頭回るの? 賢過ぎじゃね? 微妙に気まずい沈黙が流れる


「え、え~と・・・では気を取り直して第5位の発表です! 第5位は『モンスター資質強化』と『モンスターステータス補正』のセットです!」


「お~!」


 パチパチ! と拍手する


「セットって事はBランクスキルか?」


「はい! 基本的にスキル等の効果は重複するのでこの2つをセットで取っている人は多い様です。効果が分かりやすいのも理由の1つですね!」


「ほうほう」


「モンスター資質強化はモンスターがレベルアップした際に10パーセントのステータス上昇補正が付きます。スキルレベルが上がると、今確認されているもので最大が50パーセント上昇ですね」


「まじでか・・・」


「モンスターステータス補正はダンジョンのモンスターに5パーセントのステータス上昇補正が付きます。

資質強化はある程度レベルが上がった者にしか効果が現れないのに対し、こっちは生まれたばかりの者にも効果があるのが強みです

常時発動型で状態異常や魔法の耐性にも補正が掛かるので意外と強力です

こっちは最大で30パーセントまで確認されています」


 ということはセットで取れば初期状態でモンスターの強さは15パーセント増し、最終的には80パーセント増しか!

 ざけんな! なんだそのチートスキルは!


「では続いて第4位の発表です!」

「わ~!」


 パチパチパチ! とハイピクシーが拍手している

 俺はもうすでに他のマスターに嫉妬しつつある、聞きたくね~!


「第4位は『バトルダンジョンマスター』です」

「ほ~!」


 と言いつつ聞き入ってしまうのが自分でも悔しい


「これはその名の通りダンジョンマスターの戦闘力が上がり本人が主力として戦える様になります。戦闘用のスキルもガンガン覚えるようになります」


「ほうほう」


「前世で体育会系だった人が選ぶ傾向が強いみたいですね。

部下に任せるより自分が前線に立ち戦いたい。

または自分自身が強くなりたいと願っている人

色々選ぶ理由はある様ですが共通しているのは人任せにせず、自分でなんでもやりたがるって所ですね。私も嫌いでは無いです」


「でもマスターが前線に立つって危険じゃあないのか?」


「危険ですね・・・

実際未熟な内に殺される事も多いマスターだと言えます。

しかし、育てば強力で最強クラスの戦闘力に加え、前線に立つ事が多い分レベルも他のマスターに比べ上がりやすいので自動吸収DPも莫大です。

当然成長分ダンジョン作成能力も他のマスターより解放されています。

何より、本来弱点の筈のマスターが強いというのはそれだけで驚異と言えます」


「・・・」


「では第3位の発表です! パチパチパチ!」


 パチパチ! っと拍手するがもうホント聞くのがつらいんだけど・・・

 ゴブ太とハイピクシーも飽きたのか、どこかへ行ってしまった


「第3位は『消費DP半減』です。消費するDPが半分になります

最初はモンスター召喚のみが対象で、レベルが上がるごとに対象が増えて行き最終的に全てが半額になります」


「う~ん、すごいんだけどこれより5位とか4位のほうがいいかな? 俺は」


「私もそれは思いますけどDPは人間世界でいう所のお金の様なものです。生涯半額で買い物が出来ると考えればなかなか魅力的なスキルかなとは思います」


「た、確かに・・・」


「それにダンジョン施設の中には作成の為に何年もDPを貯めなければならない物もあるので、半減取っておけばよかったっと後悔している人は多いようです」


「施設って例えばどんなのがあるんだ?」


「有名なのは『ショップ』ですね!

通信販売で買い物が出来ます! 異世界の物も買えますよ! 漫画とか雑誌なんかも最新の物が買えますし、電化製品なんかも買えます!

ちなみに通貨はDPです! 貨幣価値は1DP=10円くらいなのでぼったくりと言う事はないです」


 な、なんかテンション高いな・・・

 やっぱ女の子だから買い物はテンション上がるのか?

 電化製品は何故か魔力で動くらしい

 まあ俺もショップは欲しいな

 今は無理だが運営が安定すれば購入を目標にしてもいいかもしれない


「ちなみにショップは幾らくらい?」

「1億DPです」

「・・・」

「・・・」



「では第2位の発表です!」

「・・・」


 無言で拍手する

 何故地球は丸いんだ? 何故人は生まれてくるんだ? パチパチパチ!


「・・・第2位は『ボスモンスター召喚』です!私の中では1位です!」

「ほ~」


「5位に代表されるモンスター強化系のスキルがダンジョンモンスター全体を強化するのに対し、こっちはボスモンスター1体に強化の力を注ぐスキルとなります

量より質という考えの人が選ぶ傾向が強い様です」


「ふむふむ・・・」


 これは他のに比べまともな気がするな・・・


「ボスモンスターは初期からランク3を召喚でき、強さも同ランクモンスター平均の2倍程です。」

「・・・」


 気のせいでした・・・


「また、1度の進化で2ランク上がる事もあるので成長速度も通常以上であると言えます。進化先の選択肢も膨大で世の中に同じボスは2体居ないと言われています

自慢スレなんかもあるみたいですよ!」


 スレって・・・一気に世界観がおかしくなったが・・・

 ちなみに異世界ネットを繋げるのに1000万DP掛かるらしい、どこのセレブだ!


「そして、ボスモンスターは不滅の存在です。例え死んでも14日、2週間もあれば自然復活します」


 なんかコンティニューの上位互換に聞こえるぞ・・・


「さらにダンジョンマスターが許可すればダンジョンの運営も一部任せる事ができ、ボスモンスターと交代制で運営しているダンジョンもあるそうです」


 ボスモンスターどこへ行けば売ってるんですかね?めっちゃ欲しいんですけど・・・


「何より、ダンジョンマスターは不滅の存在ですが半面孤独にも陥りやすい種族でもあると言えます。

同じく不滅の存在であるボスモンスターはお互いを支え合い助け合い、苦楽を共にする相棒とも呼べる存在です。

能力面だけでなく、心の支えとして必要とされているのでは無いでしょうか?」


「ち、ちなみに先天性スキルって後から覚えられるの?」


「無理で~す!」


「・・・」


「ではいよいよ1位の発表です!栄えある1位に輝いたのは!」


「ノ、ノエル・・・もういい・・・・」


「え~? なんでですか! 言わせてくださいよ~!」


「いや、まじでごめん! つらいの! もうこれ以上聞くのつらいの・・・」


「な、なんで落ち込んでるんですか」


「いや、俺さ・・・あまり覚えてないけど前世で大切な選択を失敗して、後悔した記憶があるんだよ」


「・・・はい」


「だから今度は失敗しない様にって、後悔しない様にって思ってこの能力を選んだんだ、なのに・・・」


「なのに?」


「お前の話聞いて後悔しまくりだよ! 畜生! 俺もボスモンスターがよかった!」


「な~んだ! そんなオチですか! では栄えある第1位を発表します!」


「や~め~て~!」


















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