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異世界への扉

 今まで手に入ったギフトアイテムは全て貴重な物であり、ハズレと呼べる物は存在しない。

 何とか量産したい所だが謎の技術が使われている為、白雪や人間の技術者に調べてもらってもどうやって作った物なのかは分からないらしい、残念。


 では続きを見て行こう。


『異世界への扉』

・ドアの形をしたシール。壁に張り付けるとそこに扉が出来る。

 その扉はこことは違う異世界へと繋がっていて、一度でも行った事のある世界はデータとして保存され何度でも行く事が可能となる。何種類でも登録可能。扉の開け閉めはマスターしか行う事が出来ない。

 また、3年に一度しか使えないがランダムで行った事の無い世界と繋げる事も可能である。



 これは説明の通りのアイテムなのだが、嬉しい誤算として俺が前世で住んでいた世界は既に登録されていて行く事が可能の様だ。

 まあ繋がる場所はランダムらしいのでまだ試して無いけどね。扉がどこへ出るか分からないから恐いし・・・


 同じ理由で行った事の無い世界へってやつも試せていない。

 こっちの場合は危険な世界へ繋がったらと思うとちょっと気軽には試せない。

 今死ぬと今回の周回で使える筈だった時間を失ってしまうし、試すとしたら次の周回を始める手前位の時期、死んでも問題の無いタイミングで行う事になるだろう。



 ちなみに他の候補としては『別惑星への扉』や『別世界への扉』があった。


 別惑星はそのままの意味なので説明不要だろう。

 これは一見良さそうな気がするのだがこの中では一番の地雷らしい。

 理由としては知的生命体が存在する星へ飛べる確率は皆無であり、ほぼ全てが無人の惑星へと繋がってしまう。


 その上、ダンマスの行動可能範囲の外側に位置する事が殆どの為、マスター自身は大抵行く事が出来ないし、勿論ダンジョン化もダンジョンの直径ルールに引っ掛かるのでほぼ不可能だ。(一応コアルームのランクをめちゃくちゃ上げて行動可能範囲を広げ、たまたま近くの星に当たれば可能らしい)


 その為、この星では取れない資源を狙ってモンスターを送り込むか、あるいは高重力や超高熱、極寒の星と繋げてモンスターの修行の場に利用する位しか利用価値は無いらしい。夢が無い話だね。



 別世界というのはこの世界の中に内包されている通常の世界とは別の異空間を指しており、土天の話に出て来た龍の世界や妖精たちが暮らしている妖精界、精神生命体が暮らしている精霊界など様々な世界が存在する。


 これらは通常の手段では行く事が出来ないし、そこでしか手に入らない便利な武器やアイテムなども存在するので行く事で得るメリットはデカいらしい。


 さらにダンマスに対して友好的な種族が多い上(過去のダンマスたちと色々あったおかげらしい。先人に感謝)こちらの世界に興味を持つ者も存在するので眷属をスカウトするのにも向いているらしい。


 

 ダンマス同盟では空さんが別惑星。水さんが異世界。他は全員別世界を選んでいる。

 別世界に偏っている理由としてはそれが一番実利があると判断したからだそうだ。

 ではそれ以外を選んだ人は何故選んだかというと


 空さんの場合は宇宙基地を作るというロマンを求めて。・・・いや、冗談みたいだけどホントにそんな理由らしい。

 でもあの人、ラピュ〇もそうだけど、ただの夢想家じゃなくて夢を現実化する為の手段を考えてたりするからね。その行動力もそうだが意外と思慮深くて侮れない人だと思う。



 水さんは前世の世界に思い入れがあるらしく、それが異世界を選んだ理由の様だ。

 たまに向こうへ行って思い出の地を回ったり大好きだった祖父の墓参りをしたりしてるらしい。

 話してて感じたんだけど水天魔王なんて呼ばれてるとは思えないほど感傷的で情に厚い人なんだよな。

 俺への助太刀に関しても真っ先に声をあげてくれたし・・・


 しかし気になるのは水さんは結構前世の事を覚えてる感じなんだよな。俺は殆ど覚えて無いんだが・・・

 同じダンマスでも俺とは出来が違うのかね? それとも何か他に理由があるのか? まあ考えても仕方ないか。



 ちなみに俺が異世界を選んだ理由としては別世界は確かに実利は大きいが、それを選んでいるダンマスは多いし、行ける世界が他のダンマスと重なる場合も多い様なのだ。


 そこで同盟ダンジョンゲートが通じた際には我々のダンジョンを通じて別世界へは案内するから君は他のを選びなよと砂漠さんに言われたからだ。


 その後、異世界への扉は知的生命体の居る付近にしか繋がらないという水さんの補足説明が決め手となり異世界を選ぶに至った。


 空さんも一緒に宇宙基地作ろうよ! とアピールして来たがやんわり断っておいた。

 正直、少し興味はあるんだけどね。今はそれどころじゃないし・・・くっ! ちょっと心が痛むぜ!

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