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現状確認 その5

 地下一階と言えば今挙げた公園エリアや迷宮区以外にも灼熱エリアや入り口2号と3号がある。


 この中で灼熱エリアに関してはランク1~2のモンスターが少し生まれた以外は特筆すべき点は無い。

 これは迷宮区もそうなのだが、やはり変異種はなかなか生まれない為こういった特殊エリアが形になるのはまだまだ時間が掛かりそうである。


 入り口2号は前回俺が死んだ地点の国道から5キロ程南下した森の中にある入り口で口の字の左下と繋がっている。

 この入り口は元々見つかりにくい場所にある上に自然に出来た洞窟に見える様にカモフラージュしてある。

 それに加えシャッター壁でいつでも封鎖可能なので偶然見つけた奴が奥まで来るという事も無い。


 このシャッター壁は口の字にも設置してある為、うちのダンジョンを正攻法で攻略しようとする場合は入り口1号(最初からある入り口)と2号から同時に侵攻しなければならない。(片方を塞ぐ事は可能だが謎ルールのせいで両方のルートを同時に塞ぐ事は出来ない為)


 我がダンジョンながらなかなか無理ゲーになって来たなと思うのだが、それでも数と時間を掛けて攻略すれば出来ないという事は無いだろう。油断は禁物だ。壁壊す奴とかいるしな・・・



 入り口3号は入り口2号から南へ15キロ地点にある元土天の住処であり、白雪の研究所のある地下洞窟だ。

 ダンジョン内から行く場合は灼熱エリアを通っていくか果樹園にある転移門を使って行く事になる。

 ここには白雪と土天、そして無限スライムが住んでいる。


 人間たちに聞いた話だが昔、土天が住んでいたこの入り口3号は人間の世界では立ち入り禁止区域に指定されており人間が近付く事は滅多に無いという事だ。

 それどころかモンスターさえ近付かないので付近は平和な物である。

 もっと言うと洞窟周辺は土天が常にアンテナを張っているので何か侵入して来てもすぐに感知できるらしい。


 そのおかげもあって安全な入り口3号周辺は眷属たちが外の空気を吸いたい時や日向ぼっこしたい時の憩いの場として活用されていたりする。

 周辺には小さいが花畑や沢などもあり、特に子供たちに人気の様だ。ただ、あいつらほっとくとすぐに遠くへ行きたがるから見張り兼護衛は外せないけどな。



 地下一階に関してはこんな所かな。次は地下2階の変化を・・・と言いたい所だが地下2階は果樹園と畑を拡張した位しか変化は無いので省略。樹上住宅もまだまだ建設途中だしな。


 ちなみに土天の協力もあり、ノームの住処は既に完成している。

 リクエスト通り巨大な岩塊の住居であるが、中身は意外な事に狭い洞窟では無く、岩で出来たドームで結構広い。

 個室もあり、窓も無いのにどこから風を通しているのか不思議と空調も良く快適な空間となっている。

 こうした物を作れる事実を見るにノームは戦闘面だけでなく、生産面でも優れたモンスターなのだと分かる。

 小人さん(小人のダンジョンマスターの事)が重宝するのも分かる気がするな~。



 最後はコアルーム、そして居住区の変化を見て行きたいと思う。


 まず居住区は今まで地下1階~10階までだったのだが、壁を壊せる敵を警戒する為に地下一階に居住区を置く事は取り止めにした。

 その為、現在は地下11階を作成。その上で居住区の全ての階層を一つ下げて地下2階~11階までの作りとなっている。

 これによって居住区があった地下一階の口の字の中心部分に空洞が出来たのでここを何かに活用できないかなと思案中である。


 居住区は今、各階にエレベーター、トイレ、移動用の転移魔法陣完備。


 地下2階・北に転移ルーム(エレベーター横)西に酒場。東に食堂。


 地下3階・西に図書館。


 地下4階・西にトレーニングルーム。東にプールと銭湯。


 地下5階・西にシミュレーションルーム。


 地下6階・


 地下7階・


 地下8階・西に倉庫とリサイクルーム、金属加工所や鍛冶場、裁縫や革細工などの生産施設。


 地下9階・全方面に個人宅。


 地下10階・ゴリパーティ宅。ノエル宅。


 地下11階・妖精樹の根本。生命の泉。魔力の泉。治療の泉。貯水槽。



 とこんな感じになっている。

 まず各階に転移魔法陣が追加された訳だが、これの傍にはボタンが設置してあり、幾つか行き先を選ぶ事が出来る様になっている。これによりかなり移動が楽になった。

 この機能は今まで無かった物でいわば転移魔法陣ver2と言ってもいいだろう。何故これが使用可能になったのかは後で語るとしよう。



 次は地下2階だ。この階には食堂が追加された訳だが、人間の食料は大体ダンジョン内貨幣で出す訳だから食堂と言ってもテーブルや椅子が並べてあるだけである。座敷も一応作成してあるがまだまだ数が足りていない感じだ。


 酒場も似たような物でこちらは『無くならないビール』があり、ビールは無料。・・・と言いたい所だがあっという間に飲み干されてしまったのでストックは無い。(無くならないビールは10分で500ml補充される物を警備員が10分毎に倉庫に入れてくれているが全然足りないらしい)



 地下3階は図書館。ここは眷属たちが持ち込んでくれた本を本棚に並べて保管してある。

 椅子やテーブルに加え、寝転がれるソファーや座敷等も完備してあるので割と快適な空間となっている。だがやはり備品の数がまだまだ足りていないらしい。


 図書委員の一人がテレパシーリンク能力(人数制限付き)を使えるので図書館の従業員は皆、瞬時に連絡を取り合う事が可能であり当然司書とも繋がるので探し物がある場合、図書委員に相談すればすぐに見つかるのもポイントが高い。


 余談だがここの本は全てアイテム図鑑に登録済みでもし痛んだり紛失しても心配はない。

 その数、数千冊と全てをコピーする作業は大変ではあったがその甲斐あってアイテム図鑑のレベルも2から3に上げる事が出来た。


 その結果以前よりも登録出来るアイテムのグレードがアップし、コピーの際のコスト削減、装備品の縮小拡大できる範囲が以前よりもさらに数10cm拡大した。


 まあ現時点では縮小拡大はあまり意味ないんだけどね。多分最速でもあと2レベルは上げないと体の小さい妖精種や大きいオーガ種の装備は作れないだろうし、巨人とかはさらに先だ。先は長い。


 グレードアップとコスト削減は地味にありがたい。

 コスト削減で食費が減らせればそれだけスキル取得に貨幣が回せるし、グレードアップは装備品の充実に直結する。

 ま、今の所は平和なのもあってコピーに頼らないといけない程武器が摩耗する事は無いんだけどね。(どんどん新品を生産してくれてるし多少壊れてもそっちで事が足りる)



 地下4階はトレーニングルームとプールに銭湯。


 トレーニングルームは色々なトレーニング用の器具を設置してある共用のトレーニング場だ。

 ダンベルやバーベルは勿論。トレーニングマシンなども人間たちが組み立て式の物を購入して設置してくれている。

 それだけ聞くと何だそんな事かと思うかもしれないが、なんとマシンのお値段は普通の人の年収位するらしい物もあるのだ。マジ感謝。

 ていうか運び込むだけでもかなり大変だった筈。パーツ別にしても重いしね。ホント感謝。


 そんなみんなが苦労して運び込んでくれたマシンはコピーして何個か同じ物を設置してある。取り合いになってもアレだしね。

 余談だが、前世ではベンチ台なんかを占拠してダベッている集団が居てマジ邪魔だった記憶がある。


 そういう事が無いようにトレーニングルームはかなり広めに取ってあり、ちょっと前世でも見た事が無いくらいのサイズになってある。

 なのでジム内の移動も結構大変であり、ジム内移動用の転移魔法陣を設置しようかなと本気で検討中である。


 ここも妖精やオーガ、巨人など人間とは規格サイズが違う種族のマシンはまだ作れない為、身体トレーニングに関しては彼らは少し遅れてしまっている。早く何とかしてあげたい所だ。



 プールは作って欲しいという要望が結構あったのでリクエストに応えて作った物である。用途はトレーニング用、遊泳用と様々だ。

 ちなみにプールの水は貯水槽から持って来た物でプール自体に浄化と温水化の魔法が付与されているので水を入れ替える必要も無く、清潔で適温のプールが24時間楽しめる様になっている。


 一応人魚等の水生型の警備員が何人かは常駐しているし、この世界の生物は鍛えれば前世のそれとは比較にならない程強靭になるし、安全面は前世のそれよりは遥かに上だと思う。



 銭湯は一応何種類か作ってあり、普通の室内風呂は当然として、妖精樹を見ながら浸かれる露天風呂。

 白雪や錬金術師、付与術士に協力して作ってもらった電気風呂やジェットバス。

 ドワーフやノームに作ってもらった岩盤浴。サウナ各種。

 医者監修の元に作られた薬湯など施設はかなり充実していると言っていいだろう。


 ここに関しては常に全員が入りに来る訳では無いので(自室にもシャワールームはある為)広さに関しては問題ない。

 贅沢を言うならばマッサージ機なんかが欲しいかなといった程度で後はほぼ完成している施設と言えるだろう。



 地下5階はシミュレーションルーム。

 これは意外と大人気。特に力を持て余している種族の長などの超高ランク帯の者達はトレーニング目的というよりも腕試しの意味でランキング戦に入り浸りになっている。


 シミュレーションルームは一部屋に3組までしか入れないのでもっと作れと催促がうるさかった為、徐々に増やして今では10部屋にまで増えているがまだ足りないと毎日うるさく言われている。


 2部屋目からは10万DPで作れるとは言え結構痛い出費なんだよな。まあ実用性が高いのも確かなんだけど、DPを貯めて他の施設も解放したいし悩ましい所である。



 地下6階と7階は何も無く、まだ何を置くのかは考え中。

 俺としては病院を置きたいのだが、医者は居ても医療器具なんか手に入らないしな~・・・って感じである。



 地下8階は倉庫とリサイクルーム。いわゆる物置だったのだが、ここに金属加工所や鍛冶場、裁縫や革細工など生産施設が加わった。

 と言っても危険な施設であるのでノエルの忠告通り簡単には中に入れない様になっている。


 まず入り口は倉庫とリサイクル―ムの横にあり、入ると部屋の中に受付が居る。基本はここで用事を言う訳で生産施設関係者以外が入れるのはここまでである。


 受付の奥の扉から次の部屋に入るとそこは倉庫とは別の物置になっており、作りかけの装備品や俺がコピーする前の完成品などが保管してある。

 ここには倉庫番も居て受付の目を盗んで入って来た者が奥へ侵入するのを防ぐ役割も担っている。



 物置の奥の扉から次の部屋へ進むとそこは錬金術に使うインクや薬品などを生産する部屋へと繋がっている。

 当然危険な薬品や劇物もあるので素人は立ち入り禁止である。



 薬品生産部屋から奥へ進むと今度は裁縫や革細工、骨細工なんかを行う大部屋へと繋がっている。


 そう聞くと危険は無いように思うかもしれないが刃物を扱ったりするし、やはり素人は立ち入り禁止である。

 というかこれらは他の生産施設の近くにあった方が都合がいいのでここに置いてあるというのが正しい所か。(革鎧に金属を編み込んだり布に薬品を染み込ませたりといったハイブリッド製品を作る時の為)



 裁縫部屋から奥へ進むとそこは中間素材置き場となっている。要は物置だ。


 中間素材とは加工した素材の事で例えば鉱石から鉄を取り出しインゴットにしたり、皮をなめしたり、綿や麻、動物の毛などを糸にしたりといった具合に素材を使いやすい形に加工した物を指し、それらを保管する倉庫がここな訳だ。



 中間素材置き場からさらに奥へ進むとそこは金属加工所と鍛冶場に繋がっていて彫金や鍛冶など金属製品を扱う仕事は全てここで行っている。

 ここは一番危険なので職人ですら専門知識が無い者は立ち入り禁止である。プレス機に挟まれれば並のモンスターなら死んでしまうだろうからね。

 今の所は付与できる人数的にそうもいかないが、将来的にはここで働く者には全員コンティニューを付与してやりたい所だ。


 現在の対応策としてはもしそういった事故があった場合は即座に妖精樹が根を伸ばし救助し、回復の泉や治療の泉から水を吸い上げて治療するといった手筈になっている。

 でも即死なら助からないだろうし、そこは気を付けて作業してもらいたい。ここで働く者は頑張ってランクを上げて体を頑強にしてほしい物だ。

 ちなみに妖精樹はダンジョン内なら根を通じて泉の水をどこにでも放出する事が可能である。



 地下9階は個人宅。この階には個人宅が70件くらい建っていてほぼ全てに人が住んでいる。


 俺的にはこっちの方が妖精樹が見えて眺めがいいし、庭もあるのでコアルームのマンションより断然お勧めなのだが、不思議な事にコアルームマンションの方がいいと言う者も多く、個人宅派とマンション派の人気は7体3(個人宅が7)といった所である。


 一応空き家もあり、住みたいという者が居ればすぐにでも住める状況ではあるが今の所そういった者は現れないので今の所これ以上拡張する予定の無い階である。

 でもせっかく建てた家が勿体ないので老朽化防止の魔法を掛けて保存してあったりする。



 地下10階はゴリパーティ宅とノエル宅。


 ノエルにも一人になりたい時があるだろうと思い家を建ててやった。でもあまり使っていない様で物置に近い存在と化している。


 当然だがゴリたちもノエルもこのダンジョンにずっと滞在している訳では無く、外へ出ている事が多い。特に最近は。

 もしかしてだが最初の内は俺の事守ってくれていたのかね? なんて思ったりする。考えすぎか?



 地下11階は妖精樹の根本。


 ここは貯水槽と回復の泉3種しか置いていない場所だが俺としては妖精樹を近くに感じられるし、とても落ち着く場所であるのでたまにここへ来てボーっと座り込んでいる。

 たまに同じ考えだと思われる先客がここに居たりして、何を語るでも無くお互いにボヘーっとしている時間が俺は結構好きだったりする。

日本だと大体南か北に建物の入り口があるので実際にこのダンジョンへ行ったら方向感覚が気持ち悪い事になりそう。というどうでもいい話でした。

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