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無限スライムとの戦い その2

タイトルミスった感半端ないけどこういう前準備も戦いの内って事で・・・(;一_一)

 ゴリの提案は今を生き残る事だけを考えた場合、非常にありがたい物だ。

 なんせリスク無しでこの場を切り抜けられるのだから。

 だが、この問いに対する答えは決まっている。


「いや、前にお前も言ってただろ? 強くなる為には敵も必要だって。

 今回は低ランクの奴らのランク底上げに丁度いい相手だと思ってる。

 だから本当に危なくなったら頼むかもしれないけど、それまでは俺たちにやらせてほしい」


「そうか、分かった」


 ドワーフ達(男)はまだランク2だし、人間たちも冒険者連中や神父を除けば殆どがランク3以下。

 スカウト組の人型モンスター達もランク3以下は大勢いる。

 あれだけの数の無限スライム(ランク3モンスター)を狩れば戦闘に参加した者は間違いなく全員ランク4になるだろう。

 そう考えればおいしい相手だ。ゴリ達に任せてしまうのは勿体無いだろう。


「そういう訳でさっきも言った通りゴリは ̄部分に敵が来てしまった場合、退治してくれると助かるよ。」


「了解した」


「では指示を出して行こうと思う。まず今回はランク3以下の奴らのレベル上げにあのスライム達を利用しようと思ってる。だからランク4以上の奴らは基本的に出番なしの後方待機な」


 これは完全に出番が無い訳では無く、後方支援で働いてもらう。スライムが ̄部分まで入って行かない様に道を塞ぐのも役目だ。


 もし入り口2号からの直線通路を突破された場合、口の字左下に出て来る。

 ここからの進路は ̄部分へ繋がる北と東の道、そして迷宮区へ繋がる南の道だ。

 この内、北と東の道は万が一抜けられたとしてもゴリが居るので大丈夫。なのだが殲滅するまでに植物は結構やられそうな気がするので出来れば通さない様にしたい。



 そして南の道だが、ここは隠し扉で隠されているので多分大丈夫。

 そもそもスライムに扉は開けられないだろって話だが何かの間違いで開けられてしまった場合、迷宮区は入り組んでいるのでこれまた対処が面倒くさい。

 さらに何かの間違いが続いて迷宮区を抜けられ地下2階へ降りられてしまった場合、果樹園や畑が危ないのでこちらにも兵は配置しておきたい。



「まずアーサーとアリスはパラディン、シルフ、エレメントマスター、ダークビショップ以外の人型種族を連れて口の字左下から東への道をアーサー、北への道をアリスがそれぞれ塞いでくれ。

 なお、スライム達が予想外に強く、戦うと犠牲者が出そうな場合は無理せずに ̄部分まで退くように!」


「分かりました。お任せください」「分かった」


 この後方待機組、道を塞ぐ部隊は前線で傷を負った者が逃げ込む先でもあるので出来るだけ均等にヒーラーを配置しておく。

 アリスを北に配置したのは巨人のアーサーだとデカすぎて北にある一通の扉を通れない為である。

 幸いスライム達は足が遅いので最悪の場合でも退却は容易だろうが扉を通れないのではアーサーだけ取り残されるという事態に・・・いや、アリス笑ってるけど笑えないからね? ここ笑うトコじゃないからね?



「ゴブ太はパラディン達を連れて前線組のサポートを頼む。例の『クリアシールド』を使ってスライムの足止めをしてやってくれ」


「分かった」


 クリアシールドとは前回俺とグリフォンが死んだ時に冒険者たちが使用したあの見えない壁である。

 目視困難な透明の盾を作り出し任意の位置に設置するスキルだが遠くに配置する程強度は弱く、位置コントロールも困難になる。


 盾の強度や出しておける継続時間は術者の魔力に比例するが、元々ゴブリンは魔力が高い種族なのでこのスキルの運用には適している様だ。

 ゴブリンナイト(パラディンの進化前の種族)になった時に覚えたらしく、これでやっと盾役らしい活躍が出来るとゴブ太が喜んでいたのは記憶に新しい。

 まあ俺がやられたって話したら微妙な顔してたけどな。ガハハハッ! 嫌な思い出だぜ!



「エアはシルフクイーン達を連れて前線のサポートをしてやってくれ。主に風魔法でスライムの足を遅らせる事が役割だ。特に『跳躍』ってスキルを妨害してくれると助かる。

 あとは、危機に陥った仲間が居たら救出して後方へ送ってやってくれ」


「分かりました!」


 シルフ種は風魔法特化の種族でそのスピードはうちのダンジョンの人型の中では鎌イタチに次いで二番目である。

 エアはランク3からユニーク進化に入ってるので風魔法の精度や身体スピードは同ランクのシルフには劣るのだがチューニング魔法があるので瞬間の爆発力はエアの方が上である。


「エレメントマスターとダークビショップはスライム達への弱体魔法と味方への強化魔法で前線のサポートを頼む」


「「了解です!」」


 この弱体と強化は地味な感じがするけど非常に強力だ。

 例えば10の力を持つ者同士で2割弱体と2割強化をそれぞれ使用した場合、力の対比は12対8と1.5倍もの差になるのだ。

 まあこういうのは凍て〇く波動的なそれを打ち消す技術も研究されてるっぽいのだけどね。でもそれを使えない相手には相当有効な事に変わりは無いだろう。


『ボアは迷宮区の防衛を頼むな。多分出番は無いと思うんだけど一応な』


『分かった。こっちは任せてくれ』


 迷宮区にいるボアにも指示を出しておく。迷宮区には他にもリザードマンや人魚の頭領など超高ランク帯(ランク9以上)の奴らを送っておく。

 あいつらライフドレインとかモノともしない生命力してるからな・・・なにより強いし、適任だろう。



 その後もランク4以上の者達を順に配置していく。

 とは言え今回の様な狭い場所での戦いだと大人数は参加できないので殆どは ̄部分で待機となるが。

 これはゴリを信用していないという訳ではないが、もしゴリがしくじって入り口から草原にスライムが逃げ出してしまった場合、その後の騒ぎはうちのダンジョンのせいにされそうだからな。

 

 別に悪名が増えようが構わないが、他人がした事まで俺のせいにされるのはイラっと来るからな。 ̄部分の守りは万全にしておきたい。


「さて、ランク4以上の者はこれで全員に指示は出し終えたかな? まだの者が居たら手を挙げてくれ」


 俺がそう言って辺りを見渡すと水のかたまりがボコボコっと浮いて来て俺の眼前で止まり喋り出した。

 

「はいは~い! ウンディーはまだ指示もらってないよ~♪ ウンディーどこ行けばいい?」


「え~と、ウンディーは~・・・」


 あれ? こんな眷属居たっけか?

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