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迷宮区探索

 ノエルの攻撃から解放された後、引き続き迷宮区を歩いている

 苦しかったが背中に残る感触は悪く無かったのでプラマイゼロだと思う事にしよう。俺はロリコンではない


 ここは当初からほぼ手付かずで放置されているエリアだがDP約3000、つまり通路3000メートルを使って作られた迷宮だ

 よってなかなかの難易度を誇り前にゴブ太とテストプレイした時は自力でのクリアは無理だった苦い思い出がある


「ノエルはライフドレインは平気なのか?」


 多分平気だとは思うが一応聞いておく。ちなみに俺はちょっとスタミナの消費が早い程度で割と平気である。少なくとも滞在するだけで死ぬことは無いだろう


「この位なら全然平気です!」


 ピョンピョン飛び跳ねて元気アピールするノエル。ホント元気だね、これなら問題ないか


「そっか、なら「何もない部屋」まで競争しないか?」


 今更だが「何もない部屋」は地下2階へ続く迷宮区のゴール。終着点である


「競争ですか? いいですけどマップ使うのは無しですよ?」


「分かってるよ。そっちこそズルは無しだからな」


「ふふ、いいですよ! では負けた方は勝者の言う事を1つ何でも聞くって事で行きましょうか!」


 いま何でもって・・・いやいや、何でそんな話になるんだ。って! もう行っちまった! ずるいぞ!


「ま、まあいいか。あんま無茶な事は言わんだろう・・・部屋の隠し扉を開放状態にしてっと。ゲーム開始だな」


 そもそも何故俺が突然こんな事を言い出したかというと、近い内にこのエリアは拡張する予定だがその前に前回クリアできなかった今の状態でクリアしておきたかったからである。要するにただの自己満足だ

 ノエルも一緒だと俺だけの力でクリアした事にはならんからな、なんか理由を付けて離れておきたかった


 こんな事になるとは思ってなかったが・・・まあ勝負と言うからには真剣にやろうと思う

 決してやましい気持ちからではないし俺はロリコンではない

 ・・・なんか前もこんな事あった気がするな


 

 さて、探索開始だ


 目の前にはY字の分かれ道がありノエルは左へ走って行った。競争なのでノエルが選んだ道とは違う道を進もうと思う

 右の道をまっすぐ進んでいく。まっすぐと言ってもこの迷宮の道は南や北といった風に分かりやすい方向ではなく南東や北西といった感じに微妙に方向が分かりにくくなる方向に道が伸びている場合が多い


 また、まっすぐな道だけでなくカーブしてる道も多いので先が見えないし、コンパスなどを使わず感覚に任せて歩いていると方向を見失いやすいのだ


 右の道をまっすぐ進んでいくと今度は左、真ん中、右と三股の分かれ道へ出た

 勘で真ん中の道を選ぶが少し行った所で行き止まりに当たった。ハズレか・・・


 少し時間をロスしたが戻って今度は左の道を選ぶ

 そしてしばらく進んでいくとまた同じような三股の分かれ道へ出た

 

 俺が今出て来た道は三股の右の道なので一見すると三股の左と右の道は繋がっている様に思える

 しかしこれはそう思わせる為の罠であり、最初の三股と今出て来た三股は違う場所なのである

 試しに真ん中の道を選んでみるとさっきは行き止まりだったのが、今度は先へ進む道が開けている


 こんな感じで割と小技こわざを駆使して作られた迷宮ではあるのだが、マッピングによってあっさり攻略されてしまったんだよな

 こんなの頑張って作るだけ無駄だと思い知らされた物だがこうやって遊ぶ分には楽しいね

 ここはライフドレインがあるからダメだが子供たちの遊び場にもいいかもしれない。DPに余裕があれば娯楽用に作ってみてもいいかもな

 まあ、DP全然足りない訳だが・・・



 自分のダンジョンを攻略すると言うのも変な話だが、たまにこうしてテストプレイするのも侵入者目線になれていいかもしれないな

 迷宮を歩いてると段差を駆使してもっと立体的にすればとか、ループ空間や転移魔法陣を使って四次元迷宮にすればマッピングも難しいんじゃね? なんて色々考えてしまう

 なんだかんだ迷路を作りたいというロマンは俺の中で捨てきれていない様だ


 一時間ほど迷路を彷徨い、ようやく「何もない部屋」の前に到着する

 ゴール前にはトレーニング器具が雑多に並べられており、この周辺でアーサー達眷属がトレーニングをしていた事が伺える

 成程ここらはモンスターも居ないし静かなのでトレーニングをするには適した環境だったのかもしれない

 しかし今はライフドレインもあるしその内モンスターバトルも始まるだろうから引っ越しは急がないといけないな

 トレーニングルームは居住区地下3階に作る予定だが、今はレイアウトについてみんなで相談している所だ

 引っ越しはダンジョンマスターの能力があるので物品の移動は前世に比べれば楽勝だが、あまり精密な動作は出来ないので大雑把な移動になる。まあ細かい設営は眷属たちが手作業でするだろ



 「何もない部屋」に入るとノエルは既に到着していて部屋に居たドワーフと何やら話し込んでいる

 実は迷路で結構迷ったので待たせてしまったかなと思ったのだがどうやら退屈はさせずに済んだみたいだ

 ノエルは俺を見つけるなりタタタッと走り寄って来て


「ふふ、私の勝ちですね! さあ、何してもらっちゃおうかな~!」


 なんて言ってとても楽しそうに笑った

 お、お手柔らかにお願いします・・・

 

 

 

 

 


 


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