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ハードモード

「と言うことは今はもう3周目なんですか?」


 またノエルに相談している所だ

 まあやられはしたが前回ほど痛みや恐怖は無かったな

 どうも最初に非表示にしたステータスの中に『痛み耐性』や『恐怖耐性』などがあり、それらが成長している様だ。

 とは言え、死ぬことに慣れる訳ではない・・・


「というか、ちょっと聞いてほしい事というか・・・ってか愚痴なんだけど聞いてくれないかな?」


「ん? いいですよ! 愚痴ならいくらでも聞きますから元気出してください!」


 ノエルはそう言って力こぶを作るポーズを決めニコッと微笑んだ

 ああ、癒されるな。もう一度頑張れる気がする・・・

 こんな少女にこれから愚痴を聞かす俺は、情けない男だな・・・


「この世界さ、雑魚は居ないの?」


「はい?」


「いや、普通こういうのって最初は咬ませ犬的な奴が出てきて主人公の実力をアピールする、みたいな? そんな感じだと思うんだよね」


「は、はあ・・・」


「でもさ~! 転生してから会うやつみんな強いし、マッピングとかしてきてやらしいし~! 腹パンとかしてくるし! 出来たばかりなんだからさ、もう少し手を抜いてくれてもいいと思うんだよね・・・

なんで最初からハードモードなんだよ、畜生!」


 うう、やばい・・・愚痴りだすと止まらねえ~! ごめんなノエル・・・


「い、いえ・・・出来たばかりのダンジョンというのはまだ情報が無いので意外と危険なんですよ」


「・・・そうなの?」


 少し落ち着いてきた


「はい、出来たばかりなのにやたらとモンスターが強い所もありますし、見た事も無いような罠が仕掛けられている事もあります

だから普通はよほど自信が無いと新しいダンジョンへは行きません。100人で来たというのも警戒している表れではないでしょうか?」


「・・・」


 そんな偉大な先人と一緒にしないで欲しいな・・・こっちは『コンティニュー』できるだけの凡夫だっつの!






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