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後追い

「そして今度は人型モンスターの話になるが

知性のあるモンスターや人型はマスターが死んでも出て行かない者が少なからず存在するんだ

彼らにとってダンジョンマスターは親であり、ダンジョンは家であり故郷だ

親が大切にしてきたダンジョンを、故郷を守る為に残ろうとする者は意外な程多い」



「う・・・でも、ダンジョンへ残っても・・・」


「ああ、殆どの者は死ぬ

ドワーフ達の様に人間と食す物が変わらないのであればあるいは生き永らえる事が出来るかもしれん

外へ狩りや漁、採集に出かけるなりしてな

しかし、ゴブリンやピクシーなど妖精族は本来自然界に満ちている魔力を糧に生きている

自然の豊かな場所でないと生きて行けないのだ

マスターが健在ならばダンジョン内は魔力で満ちている

だが、死んだ後は前述の様にダンジョン内の魔力は枯渇する

ダンジョンに留まれば3月と持たずに死ぬだろうな

残ると言えば聞こえはいいが、その実後追いだ」


「い、いや・・・流石に死ぬと分かっていれば出て行くだろう?」


「死ぬと分かっていても出て行かないんだよ。理屈じゃあないんだ。忠誠心の高い者程出て行かない

正直気持ちは分かるよ・・・

だが、皮肉な話だ。その忠誠が人型を殺すんだからな・・・」


「・・・」


ゴブ太やエア、アーサーにローレライ、他のみんなもそうなんだろうか?

俺が死んだらみんなダンジョンに残るのか?そして・・・

ぐっ!やめよう、嫌な事を想像してしまう


「つまりマスターが死ぬと大勢の眷属が後を追う

そして、その死体がどうなるかという話だが

本来ならダンジョンで死んだモンスターは時間が経てばダンジョンに吸収される

しかし、マスターの死後はモンスターの死体はそのまま残る

そしてその死体はアンデッドに変じやすいのだ」


「つまり山のダンジョン跡地はアンデッドの巣窟になってるって事か?」


「まあそういう事だな。

特にランク10を超えるモンスターの死体はマスターが生きててもダンジョンに吸収される事は無いからな

二代目討伐戦の時に俺が倒したのだけでも相当数のランク10超えがいた

二代目討伐から撤退までの短い間にその死体を全て処分できたとは考えにくい

間違いなくその幾つかはアンデッド化しているだろうな」


ランク10超えとかマジかよ・・・

俺は何か居るにしても虫なんかが巣を作ってる程度だと思っていた

なんか一気に行く気無くなったんだが

ゴリはそんな俺の様子を見て少しため息をつく


「この事を伝えればそういう反応が返って来るのは分かっていた

しかし、危険を承知で頼みたい

山のダンジョンはおっさんにとって大切な場所なんだ

もう滅んでしまったダンジョンだが形だけでも残してやりたいんだ

ダンジョン化してやってくれ。頼むよ、この通りだ!」


ゴリはそう言って頭を下げてくる

事情はよく分からんが、そこまでされると断りにくいな


う~ん、でもここは情に流されるべきでは無いと思う

ランク10とかこっちへ進撃してきたらゴリ達の力無しには止められないからな

ゴリ達も常に滞在してる訳じゃないだろうし

留守中にそうなれば眷属も大勢死にそうだ

ここは一旦断らせてもらって強くなってから行く事にするか?


う~ん、でもランク10超えとか何年掛かるか分からんしな~

その間に山が崩落とか起こしたら後々気まずいよな~

う~ん・・・


「とりあえず頭を上げてくれ!

で、よければそっちの事情を俺に聞かせてくれないか?

俺たちにとっては山を開拓するのは命懸けみたいだしな

命を懸けるのならそれなりの理由を聞いておきたい」


すぐに断れない辺り俺は甘いのかもしれない

だが、少なからず力になってやりたい気持ちはあるんだよな

最悪開通させる前にコンティニューで戻ってくればいいし、理由次第ではって所だ


「分かった、では長くなるがおっさんと山のダンジョンの関係を話したいと思う」


こうして第二回昔話は始まった






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