友人
「と言うことは今はもう2週目なんですか?」
結局相談する事にした
現状詰みかけてるのでなりふりかまっていられないというのもあるがそれだけではない
まだ会ったばかりだが俺はこの子の人柄が気に入っている
明るく快活で俺が相談を持ち掛けても嫌な顔ひとつせず、疑いもせずに真摯に話を聞いてくれる。
何より相当な実力者である筈だが俺の事を弱者と見下すような態度も取らない
ここで俺が嘘をつきコンティニューについて伏せたまま話をすることも可能ではあるだろう
だが、この子に対してそれはしたくない
それをするときっと、後悔する気がするから・・・
それにごまかさずに状況を説明した方が正確な対策も立てやすいだろう
「ああ、このままだと俺は明日死ぬ」
ホントは話している時間も惜しい位なんだが、行動を起こすにしても何か目標になるものが欲しい
ガムシャラに動いてもまた殺されるだけだろうからな
「う~ん、しかしランク4を倒すのは難しいですね」
やはり倒すのは厳しいのか・・・
半端な強さじゃ無かったもんな、あいつ
「時間があれば何とかなるかもですが、明日来るとなるとモンスターをレベリングする時間が足りません」
数で攻めても無駄だったしな、どうすんだマジで・・・
「ですので、もう倒すのは諦めて時間を稼ぐのがいいと思います」
「ん? どゆこと?」
「はい、武器以外何も持っていなかったという話なので恐らく偶然見つけて入って来たんだと思います。ダンジョンを攻略するのに何の準備もして来ないなんてあり得ませんからね」
「ふむふむ」
「つまり食料は携帯していないと思うので2~3時間もすれば帰ると思いますよ。ここから一番近い町でも2時間はかかりますからね」
「いや、そんなに足止め出来る気がしないんだが・・・」
あの時は10分も経たずにやられたからな。悔しいが2時間も保つ気がしない
だが、自信無さげにしている俺を見てノエルはこう言った
「大丈夫です、出来ますよ!」
本来なら気休めはよしてくれと言いたい所だが、ノエルの声には不思議な説得力があった
そして聞く者に元気を与える力がある様だ。
少し、元気が出た気がする
その様子を見て安心したのかノエルは少し微笑みそして、俺をまっすぐに見て続ける
「ダンジョンマスターという種族はあなたが思っている以上に強大な力を秘めているんです!」
ノエルは目を逸らさずに続ける。
「後悔させてやりましょう! ランク4の冒険者如きがダンジョンマスターに! 私の友達に! 牙を剥いた事を!」
ノエルが友達になった
会ったばかりだが時間は関係無いよな
ノエルは俺を元気づけようとしてくれている
俺はその気持ちが嬉しいし、いつかこの恩を返したいと思っている。
お互いを大切に思えるんならそれはもう友達だろうと俺は思う




