審判
マスターは早速ダイアナを呼び出し土地の強化を行う為にコアルームから出て行った
ホントによく働く奴だと感心する
今コアルーム周辺に人気は無いが、マスターはダンジョン内の音声を傍受出来る様になったみたいだし、漏れるとまずい内容もあるので念話での会話を開始する
『皆も聞いての通りここでの戦いにおいてハイエナ連中には1名の死者も出ていないそうだ。その話を聞いた時に俺の中ではもう完全に結論は出たよ。まあ皆も初めて来た日に結論は出ていたと思うが改めて聞きたい。マスターは善性か否か?俺は善性だと思う』
『俺も善性に一票だ。ていうかゴリだけだろ?色々疑って掛かってたのは』
『いや、普段は善人でもきっかけがあれば魔王に変じる奴も居るんだよ。だが今回の件でマスターはそうはならないと思ったんだ』
『・・・ゴリは屁理屈ばかりこねる。私も善性と思う。というかそれを通り越してお人よしだあれは』
『お前が感覚に頼り過ぎなの!・・・まあいい!善性3票で審判は終わり!粛清は無し!以上!』
『・・・一件落着だな』
『しかし家を建ててしまったからこれからも度々訪れるとは思うがな』
『ノエルちゃんもよく来てるみたいだしな!』
『・・・』
『それにしてもクロはいつに無くよく喋るじゃないか。どういう風の吹き回しだ?』
『・・・まだ短い付き合いだが、私はここのみんなが好きなんだ。山の様な事にはなって欲しくない、だから・・・』
『おい、おっさんの前でその話は・・・』
『構わんよ、俺も同じ意見だ。元々は審判に来たんだがな。すっかり好きになってしまったよ』
『う、まあ、俺もなんだがな・・・今更粛清しろとか言われても俺には無理だわ』
『もう審判は乗り切ったと見ていいだろう?7人中4人が認めたんだからな』
『ノエルちゃんがどういう判断を下したかは分からんだろ?』
『マスターの話を聞く感じでは仲良くしてたみたいだし気に入られたと見て間違いないだろ』
『・・・逆行を阻止するなというメッセージが来た時点でお察しだ』
『ああ、あれ意味分かんなかったんだけど、マスターの能力と関係あるのかな?』
『ここが出来てすぐにメッセージが来たからな。間違いなく関係あるだろう』
『そっか、しかし俺ら以外にも阻止されなかったって事は他の3人にも連絡は行ってんのか?』
『多分な。7人以外に逆行を阻止出来る者は居ないだろうし、今後はマスターの能力行使を阻止しようとする者が居れば俺がそれを止めるつもりでいる。そっち方面は大丈夫だ』
『・・・粛清派が1人でも出れば厄介な事になる。まだ安心は出来ない』
『いや、マスターに安全って言ってたのお前だろ!』
『・・・ほぼ100パーセント安全と思うのは本当だ。我々やノエルが審判した者に対し、あの3人が何かしてくる可能性は低いだろう。もう結果は出た物と考えわざわざここへは来ないだろうと思う。だが念の為ノエルに確認を取っておきたいというだけの話だ』
『まああの3人はノエルちゃんには甘いからな。お気に入りに手を出したりはしないだろ』
『そうだな。しかし、その辺りがはっきりするまではここで待機する事になるか』
『そうだな!久しぶりにノエルちゃんにも会いたいしな!』
『・・・』




