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彼女の名前はナオミ。
「私が自分で死んで、気がついたら、この身体になってたの」
僕は正直、この世界のカナ、ナオミとの再会を喜んでいた。
カナは固まっていた。
「私と付き合おう、トオル」
ナオミが言った。
カナは止めなかった。
次の日。
僕とナオミはデートした。
全てが元のままだった。
僕らは再会を喜び合った。
「トオル、怒ってるでしょ」
ナオミが、カナとは違う声で言った。
「何を?」
「私が死んだの」
「仕方ないよ。家庭のことだからね」
「…キスしよ」
キスした。
違った。
カナと姿が違う。
目が違う。
声が違う…。