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カナ。彼女は死んでいた。
カナは僕の目の前にいる。
ファストフード。
退屈そうな顔で、ジュースを飲んでいる。
「服でも見ようかな…」
「お金、あるの?」
「ない…」
僕らは、いつものように、テキトーに街をぶらつく。
何ヶ月前だろうか?
カナから、自殺をほのめかすようなメールが入った。
夜。大きな公園。
僕がメールの場所に行くとカナは、胸をナイフで刺して、もう死んでいた。
僕が悲しんでいると、物音がした。
カナだった。
「君は?」
「カナ…」
生きているカナの話はこうだった。
彼女の世界では、僕が自殺したらしい。
しかし、彼女は、僕を失いたくなかった。
そんなとき、次元の扉が開いた。
そして、ここに来たと言う。
「死体を隠しましょう」
僕と彼女は、彼女を、次元の狭間に隠した。
…そんなわけで、僕らは日常を平気な顔で送っている。
…いいんだろうか?