見る目は成長せず
だけど、簡単には嫌いになれない。
もう一度言うが恋は盲目なのだ。
しかし、ある日を境に彼の魅力を感じなくなった。
同じ職場の後輩が私に好意を持ってくれているという話を聞き、そのことばかりが気になるようになってしまった。
そして、そうなると坂道を転がるかのように気持ちは冷めていき、今までは可愛いと思っていた女々しいところや、優しいところも嫌になり、別れを決意した。
決めてしまうと本当に早い。女は。
晃 「別れるって…なんで?」
さやか「好きな人ができたの。」
賛否両論だと思うが、私は相手のために優しい嘘をつくのは優しさではないと思っている。
あと、それはなんかずるい気がする。
晃 「どうして…?さーちゃん…」
さやか「………」
やっぱりというか、なんというか、晃は泣き出した。
さやか「ごめんね」
晃 「やだ…別れたくない…」
さやか「ごめん…。」
晃 「じゃあ就職したら、もう一度告白す る!!!そこで考えて?」
さやか「…その時には彼氏がいるかも」
晃 「そしたら振り向かせて見せるから」
さやか「わかった…。」
今は12月。彼が就職するのは4月だから、あと4ヶ月後だ。
こんな不明瞭な別れ方をした私達だった。
しかし。
2週間後に、彼が駅で女の子とキスしているのを見たので、この約束は消え去った。
まだ好きでいたわけじゃないが、気持ちが悪くなった。
なんだろう。これは。
ああ、そうだ。思い出した。
過去だってそんな男ばっかりだったじゃないか。
私は男を見る目がなかったことを思い出した。
でもさ、15万は返してよね。