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キッカケ
キッカケは些細なことだった。
彼氏がいた。2歳年上の人。
優しい人だった。向こうから告白してくれた。
働きながら夜間専門学校へ行っていた。
付き合って1年。
卒業して就職したら結婚しようと言われてた。
不満はあった。
嘘をつくのが上手い人で息を吐くように嘘をつく人だった。
私はどちらかと言うと騙されやすい方で、見抜けてないこともたくさんあっただろう。
そしてお金にルーズ。
お金が無いくせにパチンコをする。
一度私にお金を貸してほしいと言ってきた。
15万。無いわけではない。貯金を崩せばあるが、就職1年目の私には辛いものがあった。
理由を聞くと、学費が足らず、これを払わないと卒業できないと言われた。
悩んで悩んで…
貸すことにした。
これこそ、恋は盲目である。
だけど、やはり後ろめたい気持ちがあり、この事は友達にも家族にも誰にも言えないままだった。
結局。
15万は、学費ではなくギャンブルに使っていたことが後に判明した。