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1球目〜横浜市中学野球大会決勝〜

横浜市中学野球大会決勝。

野球先進都市の決勝とだけあって球場には家族だけではなく多くのファンが詰めかけ大変なにぎわいとなっていた。

もちろん注目するのはファンだけではない、未来の甲子園のスターを我が校に誘わんとするスカウトが大勢バックネット裏で目を光らせているのだ。

もちろん今年の目玉は海川中学三年『三頭一馬』だ。

「ほう、左腕で142kmhか。さすが将来メジャー間違いなしと言われる三頭君だなあ。是非我が校にきてもらいたいだ」珍しく感心のため息を吐くのはみなとみらい高校通称M高野球部監督『及川徹郎』その人である。30年間甲子園常連校で監督を務め、7回の甲子園優勝を果たした超エリート監督なのだが2年前に突然新設校だったM高の監督に就任した。何でも故郷横浜市から地元選手だけで甲子園に行って優勝するのが夢だったそうで今日もM高野球部顧問である私『中村』を連れてスカウト活動をしている。

「しかし監督、そんなすごい選手をいくらほしがったってウチに来てくれるわけないでしょう。三頭は全国の強豪校があの手この手で勧誘しているんですから。しかも我がM高は新設して2年の全く無名校なんですよ。」

「まあ軽い冗談だよ。それにしても三頭は凄まじい活躍じゃないか4回まで全部三振でアウトを取ってパーフェクトだぞ。」

三頭はボールが相手のバットにもかすらないほどの球威で相手を完全に抑えていた。甲子園常連の大阪院高校に入学確実と言われる相手の4番『大龍昇』も1打席目は三球三振だったほどだ。そう、1打席目だけは。


かきーん

金属バットの心地よい快音が響き三頭が投じた60球目は大龍に完璧に捉えられてホームラン。

「スタミナ切れですかね、5回に入ってから1アウトもとれないで9失点、しかも大龍には2ホームラン浴びちゃいましたね。」

「ここで投手交代か、今日の主役はもう見れない、中村帰るぞ。」

「えっいいんですか?『三頭はどうせ他県に持ってかれるから我々は隠れた才能を探そう』なんておっしゃったのは監督でしょう?」

「出ている選手は一通り見た。その上での判断だ。帰って部員をたっぷりしごいた方が時間の有効活用になるだろ。」

そう言って監督が席をたったとき、三頭が降りたマウンドには三頭が立っていた。本当に瓜二つのピッチャーがそこにはいた。まえの三頭と違うところは背番号、あとグローブが逆にはまっていることだけだ。

「ありゃ三頭一馬の双子の弟『三頭三郎』だな。左腕本格派の兄に比べると弟は右腕下手投げの凡ピッチャーってのが前評判だったが、これは面白いことになりそうだ。」

監督は怪しい笑みを浮かべながら三頭三郎の投球練習を眺めていた


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