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異界の魔王  作者: 十六夜・多々良
第1章 魔狼と毒瓶宮と浮遊城と
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第9話 魔将闘技大会②

 魔将闘技大会第二回戦は、金剛牛宮のタウロス対重操宮のライブラだ。

 片や筋骨隆々の3mの偉丈夫。

 片や胸は大きい見た目はただの女性。

 しかし、互いに悪魔であり、見た目で判断するのは早計であろう。

 

「おでは、負けないぞ。ライブラ」

「お手柔らかにお願いしますわ」

「では、始めてください!」


 アリーシャの掛け声で両者が動く。

 まずタウロスが両肩から一本ずつ腕を生やす。


「えっ、なにあれキモッ」

「キモいとか言ってはダメですよ我が主(マスター)

「ごめんごめん」


 外野の声を無視して二人の戦いは続いていく。

 両肩から腕を一本ずつ生やしたタウロスは、合計四本の腕でライブラに襲いかかる。

 ライブラは、それを冷静に見据えながら魔法を発動する。


「|《重力龍》《グラビティ・ドラゴン》」


 それはライブラのみが使える重力魔法。

 重力龍は、口腔に引力を発生させて敵を引き寄せ、体内に入ると内と外からの斥力によって押し潰される。

 しかしタウロスは、重力龍の口腔に発生している重力場を物ともせずにライブラへと突っ込む。

 ライブラは、少し後退しながら更に魔法を発動する。


「|《圧壊》《オーベンインパクト》」


 タウロスの上方から下方へ向けて、斥力を発生させて足を止める。

 しかし、タウロスはそれでも止まらず動こうとする。

 ライブラはそんなタウロスに魔法を発動する。


「|《鈍重な体》《アブレストボディ》」

「あ゛、ががっ」


 タウロスの体に作用する重力のみを重くすることで、より動けなくする。

 自身の体も重くされ、上からの重力もどうにもできない。

 どう見てもタウロスの敗けだった。


「そこまで! 勝者、ライブラ!」

「やりましたわ!」


 ガッツポーズするライブラとは対称的に、タウロスは悔しがっていた。

 続く第三回戦、サジタリウス対ピスケス。

 弓を扱うサジタリウスに、銛を扱うピスケス。

 リーチ的にはピスケスが不利だが、そこは技量でどうとでもなる。


「俺っちが勝つ!」

「吠えるな小童、格の違いを思い知らせてくれる」


 火花バチバチな二人は、アリーシャの声が掛かる前に戦いを始めそうだった。


「なんかもう一触即発だな」

「てすね、始め!」

 

 戦いが始まると同時にサジタリウスが走り出す。

 馬の足で駆けるサジタリウスは一気にピスケスの目前まで走り出す。

 呆気にとられたピスケスは、銛を振るうもそこには既にサジタリウスは居らず空を切った。

 宙に飛び上がったサジタリウスは、左手の弓を目下のピスケスに向けると、キリキリと弦を引き絞る。


「《漆黒十二連》!」


 打ち出された十二の黒色の矢は、うねりながら様々な軌道でピスケスへと殺到する。


「っ、ぐっ!」


 最初のいくつかは銛で防ぐも、次第に押され、遂に一本がピスケスへと到達する。


「っぐあぁぁっ!」


 防ぐことのできなかった十の矢がピスケスに直撃すると、彼は傷だらけで気絶した。


「そこまで!」

「ふうっ」


 戦いを終えたサジタリウスは、着地と同時に詰めていた息を吐き出す。


ーーただの変態馬かと思ったが、評価を改める必要がありそうだ。


 黒人はその様子を眺めながら、次は誰を戦わせようか考えていた。

  

いつも読んで下さってありがとうございます。


感想や誤字脱字などありましたら気軽に教えてくださーい。

待ってまーす。

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