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異界の魔王  作者: 十六夜・多々良
第1章 魔狼と毒瓶宮と浮遊城と
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第8話 魔将闘技大会①


「うーん、どうしたもんかな」


 魔将十二宮のメンバー全員を呼び出し終えた後、黒人はどうしたものかと頭を痛めていた。


「どうかなされたのですか?」


 そこに現れたのは、魔将十二宮の一人。

 毒瓶宮のアクエリアス、通称アクエスだった。


「いやな、皆と契約したのは良いんだが、能力とか、何ができて何ができないのか分かんないからさ」

「でしたら、トーナメント形式にして戦わせてみれば良いのでは?」

 ーーそういや、俺とアクエスの関係って微妙だよなぁ。

「ご主人様? ご主人様ー?」

「あ、あぁすまん。少し考え事していた」

「そうですか。それで、どうでしょう」

「良いんじゃないか? トーナメント、やろうぜ」


 とのことで、アクエス発案の下魔将十二宮のメンバーによる、トーナメント形式の闘技大会が開催された。


   †  †  †


 広大なボラル・シュロス本体の城の外で、魔将十二宮全員が召集されていた。


「ではこれより、お前たちの力を知る為に闘技大会を開催する! 頑張れよー」

「司会は、私アリーシャで、解説は我が主(マスター)です」

「え、解説とかやるの? 必要あんの?」

「ご主人様、闘技大会に司会と解説は欠かせませんわよ」

「まぁ、良いけどさ」


 そうして始まった魔将闘技大会。

 第一回戦は、毒瓶宮のアクエリアス対魔蠍宮のスコーピオンだ。


「手加減はしませんよ、スコーピオン」

「俺はしちゃうかもなー、手加減」

「おいスコーピオン、手加減したらぶん殴るからな」

「えっ?!」

「当たり前だろ、実力が知りたいんだから」

「それは、まぁ」

「スコーピオン、貴女を半殺しにする」

「あれ、アクエスちゃん俺に勝てたことあったっけ?」


 静かに睨み合うアクエリアスとスコーピオン。

 今にも戦いが始まりそうだ。


「では、始めてください!」


 アリーシャの掛け声でスコーピオンは飛び退き、アクエリアスは駆け出す。

 駆け出したアクエリアスは、自身の右手に毒を作り出し、短剣状に固めて投擲した。

 スコーピオンは、その毒の短剣を上空に飛び上がって避けると、スキルを発動した。


「|《土人形》《クレイドール》!」


 |《土人形》《クレイドール》は、その名の通り土で人形を作るスキルだ。

 作り出すことのできる数は、LVによって変動し、スコーピオンなら最大で10体作り出すことができる。

 スコーピオンによって作り出された2体の土人形が、アクエリアスに向かって走り出す。

 その人形に対しアクエリアスは、両手に毒を作りすれ違い様に頭に叩き込む。

 すると土人形は、毒を叩き込まれた所からシュウシュウと音をたてて溶け出した。

 アクエリアスは人形の末路を見ることなくスコーピオンに向かう。

 しかし突如としてアクエリアスの目の前の地面が隆起して壁となる。

 アクエリアスは軽く舌打ちすると、その壁に足を掛けてメイド服の裾が翻り、その内が見えるのも構わずに一気に飛び上がる。

 そして、両腕を振るって毒々しい紫色の毒を大量に作り出し、鋭く尖らせてスコーピオンに向かって飛ばす。

 だが、その毒の針をスコーピオンは地面を隆起させて壁とする事でそれを防ぐ。

 地面へと降り立ったアクエリアスは、壁の右側に向かって走り出すと同時に毒の短剣を両手に作り出す。

 一瞬にしてスコーピオンの居る壁へと到達すると、壁の向こうのスコーピオンに両手を振るう。

 毒の短剣を二つ刺されたスコーピオンは、形を保っていることが出来なくなり、崩れ去る。

 

「っ!」


 土人形だったと気づいたときには既に遅く、スコーピオンがアクエリアスの直下の地面を隆起させて、アクエリアスを打ち上げる。

 そして更に地面を隆起させて、アクエリアスを打ち据える。


「ガッ、カハッ」


 一気に肺の中の空気を押し出されたアクエリアスは、空気を求めて喘ぐ。


「そこまで!」


 そこへアリーシャの声が待ったをかける。

 一回戦の結果は、スコーピオンの勝利だった。

 

 

読んで下さってありがとうございます。


感想や誤字脱字などありましたら気軽に教えてくださーい。

待ってまーす。

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