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「……だ、だって……その……」
真奈は言葉を濁す。
真奈?と尋ねる様に言うと、真奈は唇を噛み締めた。
「…っ、怖かったんだもん!」
真奈はそう言うと、私の腕を抜けて、全力で駆けていく。
…怖かった?
何が?
私が?
さっきの真奈の言葉が、ぐるぐると脳内を回る。
ふと、真奈の落とした花束が視界を掠める。
…一応、お供えしておこうかな。
そう思い、私は花束に手を伸ばす。
…うん?
私は、あることに気付く。
真奈が持ってきた、この花束はもしかして。…。
「…まぁ、考えすぎかなぁ」
そう呟いた声は、誰にも届かない。
私は、再びお墓の前に踞る。