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「……っ、花音は、ズルいよ……」
ぽつり、と呟く。
その呟きは、誰にも届くことなく、消える。
そう、花音はズルい。
一人で勝手に死んで。
遺された方の気持ちなんて、結局考えてない。
花音のお墓の前で、私は一人佇んでいた。
制服のまま。
帰宅部とは実に便利なもので、放課後、何処にだって寄ることが出来る。……花音のお墓参りだって来れる訳で。
「……ほんと、何で……」
どうして。
どうして、死んじゃったの。
……分かってるんだ、本当は。
私はただ、誰かのせいにしたいんだって。
この現状を。
私は、静かにその場に踞った。