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flower  作者: NOA
6/11

*6



どうして気付けなかったのだろう。

花音が、苦しんでいたことに。


どうして止められなかったのだろう。

花音の、死を。



例えば、花音の苦しみに気付けたとして。

私は、花音を止められた?


例えば、花音の死を止められたとして。

私は、花音に気が付けた?



それは違う、と何処かで声がした。




あれから、早くも一週間が経とうとしている。


「……あ」

思わず声を漏らす。

それは、廊下の先に真奈が居たから。


放課後の、誰も居ない廊下。

私は、少し立ち止まって、そして……。



「……………っ、真奈、」




真奈に、声を掛ける。


きっと、花音が死ぬ前の真奈なら、笑顔で『なぁに』と言ってくれた。

それでも、今の真奈は、違うから。



「………………」



真奈は、夕陽が差し込む廊下を、ただ歩いていく。私には、目もくれずに。






あれから一週間。

真奈とは、話さなくなった。……話せなく、なった。



知ってる。認めたくなくても。

これは、花音の死が原因でしょう?



もしも。

もしも、前に戻れたなら良かったのに。

そしたら、全部元通りなのに……。






ため息は、静かに廊下に消える。

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