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flower  作者: NOA
5/11

*5

「……ただいま……」


がちゃり、と家のドアを開ける。

母親が玄関に来る気配がしたが、何となく顔を合わせたくなくて、階段をかけ上がった。


そして、そのまま部屋に入ると、ベッドに倒れ混む。


一階から母親の声がしたが、無視。

一階に行く気力など、残っていなかった。

だって、もう疲れてしまった。


そして、枕に顔を押し付けたまま考えた。


ーー夢なのかな。

夢であって欲しいなぁ。


だって、理解出来ない。

昨日まで、笑ってたのに。


夢だったら良かったのにーー。


そんな、バカなことを。


いくら現実逃避しても、握られている遺書が、私を現実に引き戻す。

花音がいない、この現実に。




カーテンの隙間から、オレンジの光が差し込んでいた。


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