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flower  作者: NOA
3/11

*3



がしゃん。

受話器を、足元に落とした。


嘘だ。だって、花音は、昨日まで……。


足元に落とした受話器から、私の名前を呼ぶ真奈の声が聞こえる。


それでも私には、受話器を拾い上げる余裕なんてもう無い。



そこから、なぜか私の記憶は飛んでいる。



***


気が付けば、もう花音のお葬式だった。


着たくもない黒い服を着て、聞きたくもないお経を聞いて、


…見たくもない、花音を見てしまう。


首吊りはグロいらしいけど……思ったよりも、綺麗な死に顔だった。


そう、まるで眠っているような。


彼女が遺した、私宛ての遺書を、ぐしゃりと握り潰した。



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