22、ギャグの発想とは、シリアスとナンセンスの紙一重にあり。
22、
ぼくらの世代(アラフォーとか言われているおっさん世代)が育った時代には、
『木曜スペシャル』だとか、『水曜スペシャル』だとかの企画で有名な、
〔UFO特番〕だとか、〔川口浩探検隊〕だとか、〔怪奇特集〕などというジャンルがありました。
正直、エンタメとしてユーモアがあって面白かったと思います。
ナンセンスギャグという側面から見れば、これはとても好意的に受け取れるものなのですが、
それがですね、こういう番組はあんまりシリアスに受け取ってしまうと、どうしても思考停止に陥ってしまうんですよね。
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僕は最近、本当にテレビを観る機会が少なかったので知らなかったのですが、某番組が悪質なヤラセの演出で製作を停止したみたいですね。
ここに、エンタメを造る製作側の矛盾を感じるんですよ。
というのも、エンタメはいわゆる“ガチンコ”である前提を掲げた時点で矛盾してしまっているんですよ。
もちろん、スポーツなどの勝負事はそれなりのルールが前提になっていますからそれは別なんですが、いきなり製作側前提のルールを掲げた時点で、それは一つの“虚構である”としなければならないんですね。
昨今、このサイトで“異世界転生”と呼ばれる設定が流行る理由も、実はその“虚構”の世界を楽しむということが一つなのではないかと思えるのです。
無論、その筆者側に社会経験が不足しているがゆえの、保険としての理由など様ざまだと思うことはあります。しかし、エンタメの基本中の基本であるところの、
『読者を、その世界観に引きずり込む』
という意味合いにおいては、正解であるということも言えるのです。
これを、古典サブカルチャーで喩えるのなら、
『宇宙刑事ギャバン』でいうところの、
『魔空空間』という場所へ、敵側のマクーが自分たちの都合の良い場所へ主人公のギャバンを転移させるということと同意なわけなのです。
つまりは、逆の意味でいいますと『魔空空間』というのは、“ご都合主義をモットーとする人たちのメタファー”なわけです。
☆☆☆
これも70年代の漫画での喩えなのですが、よく『スポ根』というジャンルがありましたよね。
思いっ切り大真面目にど根性で青春を突き抜けてゆく物語。
あれも、紙一重にギャグなわけだし、『北斗の拳』などもシリアスな表情でギャグを飛ばす物語としても有名ですね。
実は、現実でも気をつけて見ていると、そういうことが多々あるんです。
ときどき思うことがあるんですよ。
「この人たち、本当に大丈夫かなって」




