教育開始
『社内恋愛』問題をなんとか誤魔化して片をつけたところで、改めてスキル『魔物教育』を試してみる。
スマホをタップしてスキル詳細を確認する。
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・魔物教育
仲間にした新入魔物を教育し、業務遂行に必要なスキルを習得させる。信頼関係を築くことが大事。信頼ポイントの運用が鍵。
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次はゴブ太郎のステータスをチェックする。
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名前 : ゴブ太郎
種族 : ゴブリン(♀)
レベル : 4
信頼度 : 大好きピ
ジョブ : 未選択
能力 : こうげき ☆☆
まもり ☆☆
すばやさ ☆☆
状態 : アゲアゲ
弱点 : 頭(色んな意味で)
好み : コーラ
大好きピ
性格 : 恋する乙女
《備考》
愛する大好きピと結ばれる為に元群れへの討伐に燃える乙女。「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られる前にあーしが殺すし!」。ヒロイン枠。処女。
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おい、またなんか色々変わってんぞ……。
『信頼度』が「好きピ→大好きピ」になってるし、性格も「ぼっち→恋する乙女」に変わってる。
『弱点』の頭には「色んな意味で」という謎の注釈が追加。
おまけに『備考』に至っては全部変わってんじゃねぇか。
「てか、なんで俺のステータスより遥かに豪華なんだよ! 俺のなんて5つくらいしか項目ないのに!」
くそ、相変わらずツッコミどころが山ほどある。
これ全部にツッコんでたら身が持たん。
俺はもう何も言わない。スルーだ、スルー!
そういうもんだと思って気にしないほうがいい、精神衛生的に。
さて、スキルの詳細にある『信頼度』『信頼ポイント』を見てみる。
この『信頼度』が高いとレベルが上がった時の『信頼ポイント』の入手量が変わるっぽい。
『魔物教育』のメニューに書いてあった。
『終末はじめました』アプリのトップメニューへ戻ると、『ステータス』の下に『魔物教育』という項目が増えてた。
それをタップすると、いつものよく分からない事務的なメニューが表示される。
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《魔物教育:メニュー》
・『昇進』:雇用魔物を昇進させジョブを与える(信頼度が一定値必要)。
・『スキルアップ』:特定のスキルを教育し習得させる(信頼ポイント消費)。
・????
・????
・????
︙
︙
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「なんだこの項目……仕事か? いや、もう、何も言うまい」
つまり、コミュニケーション取って『信頼度』を上げて、『昇進』させてジョブにつかせ、レベルを上げて『信頼ポイント』を稼いで『スキルアップ』でスキルを習得って感じだ。
まんま会社の新人教育だな。
なんで終末世界で人事っぽいことやってんの俺。
……もうさ、全部ひっくるめて『魔物強化』でいいじゃん。
なんでビジネスっぽいんだよ。
「くそ、俺だけがこうなのか? それとも魔物使いのジョブがおかしいのか?」
こんなことになるなら、違うジョブにすれば良かった!
「ゴブ? ゴブッゴ、……ゴブ?」
「あ? あぁ、うん、そうだな。……いや、遠慮しとくよ」
ゴブ太郎に「気にしちゃダメだよ? 大丈夫? おっぱい揉む?」って慰められた。
スルーだ。
ゴブ太郎が画面の『昇進』を「ゴブ!」っと指差し、見るからにワクテカしている。
こいつ、普通に日本語読めるのな。
まぁ、俺と同じでフワッと雰囲気で読み取ってんだろう。
ゴブ太郎からの信頼度が『大好きピ』なら、『昇進』の条件はクリアしているだろ。
よし、うだうだやっててもしょうがない、やってみるか。
教育メニューの『昇進』をタップし、ゴブ太郎を選択。
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《ゴブ太郎を昇進させます》
《ジョブを選択してください》
・戦士
・武闘家
・盗賊
・狩人
・労働者
・お姫さま
・お嫁さん
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はい、下3つは無しだ。
ちょっと選んでみたい欲に駆られるが、どうせネタジョブだろうし我慢する。
面倒くさいジョブなのは分かりきっているんだ、そういうのは魔物使いだけで間に合ってる。
「うーん、この中から選ぶなら『戦士』かな。
『武闘家』は前衛職だけど素手で魔物に挑ませるとか、なんか人としてどうなんだっていう思いがあるんだよなぁ……。却下で」
『盗賊』は鍵開けとか罠解除する人だろ?
それも大事だけど、今はそれよりも単純なパワーが欲しい。
だいたい『盗賊』って何だよ? 犯罪者じゃん。却下。
『狩人』は弓使うイメージがあるし、遠距離タイプだろう。
俺は俺より前で戦う元気な盾が欲しいんだ、却下。
「ということで、ゴブ太郎。お前のジョブは『戦士』でいいか? カッコつけて言うと『ゴブリンファイター』って感じだ!」
「ゴブ!」
ゴブ太郎がナイフをクルッと回して、気合バッチリに元気よく頷く。
よし、『戦士』をポチッとな!。
ピロン!
俺の時と同様、軽快な音が響いてスマホが一瞬光る。
画面が切り替わってゴブ太郎のステータスが表示される。
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名前 : ゴブ太郎
種族 : ゴブリン(♀)
レベル : 4
信頼度 : 大好きピ
ジョブ : 戦士
能力 : こうげき ☆☆☆
まもり ☆☆☆
すばやさ ☆☆
状態 : アゲアゲ
弱点 : 頭(色んな意味で)
好み : コーラ
大好きピ
性格 : 恋する乙女
スキル : 『戦士の心得』
《備考》
愛する大好きピと結ばれる為に元群れへの討伐に燃える乙女戦士。『戦士』ジョブに就いたことで、大好きピの力になれることを喜んでいる。ヒロイン枠。処女。
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「よし、ゴブ太郎のジョブが無事『戦士』になったぞ」
『こうげき』と『まもり』に☆が一つずつ増えて、『戦士の心得』とかいうカッコいいスキルも生えてきた。
ゴブ太郎も強くなったのが嬉しいのか、ナイフを振り回しながらソファで飛び跳ねている。
「危ないからやめろよ」と五分太郎に注意して、『戦士の心得』をタップし詳細を表示。
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・『戦士の心得』
『戦士』のジョブに就くと取得できるスキル。滅私奉公、会社の為なら私を捨てて働け。如何なる困難も乗り越える突破力と、如何なる理不尽にも耐える忍耐力。上司の命令は絶対。ブラック上等、リメンバー昭和!(こうげき+☆、まもり+☆)
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また説明が変なんだけど。
ブラックとか昭和ってなんだよ。
そんな理不尽な命令しねぇわ。
ただ、俺の為に無休無給で肉壁になって欲しいだけだわ。




