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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
364/383

魔王の一皿

城の奥。


玉座の間は、

いつも通り静かだった。


高い天井。

長い影。


魔王は

そこに座っている。


動かない。


だが――

存在が重い。


ミナが

小さく言う。


「……全部、ここに集まっとる」



◆集中の極点


城の歪みは

ほぼ整った。


流れも、

差も、

分散も戻った。


だが、

最後の一点。


魔王に

すべてが集まっている。



◆動かない理由


魔王は

多くを背負っている。


決定。

責任。

均衡。


だから

動かない。


動けば

崩れる。



◆料理の選択


アリアが

静かに言う。


「……最も単純にします」


ミナが

頷く。


「……余計なん

 いらんな」



◆最小の料理


材料は

三つだけ。


水。

豆。

少量の塩。


それだけ。



◆火加減


火は

強くない。


弱すぎない。


揺れを持たせる。


止めない。



◆何も足さない


途中で

足さない。


引かない。


ただ

見守る。


ルナが

静かに混ぜる。



◆一皿


完成した料理は

極めて単純。


飾りもない。


匂いも

強くない。



◆差し出す


三人は

魔王の前に

皿を置く。


何も言わない。


魔王が

一口食べる。



◆沈黙


長い沈黙。


誰も

動かない。


やがて

魔王が言う。


「……軽い」



◆重さの正体


アリアが

静かに答える。


「……重さは

 足されたものです」


「……本来は

 もっと軽い」



◆背負いすぎ


ミナが

笑う。


「……抱えすぎや」


「ちょっと

 抜け」



◆分けるという選択


魔王は

しばらく考える。


そして

ゆっくり言う。


「……分けるか」



◆決断


命令が下る。


一部の決定を

下へ渡す。


役割を

分ける。



◆変化


玉座の間の空気が

変わる。


重さが

少し抜ける。


ルナが

小さく言う。


「……軽い……」



◆料理の意味


アリアが

静かに言う。


「……整えるとは

 すべてを抱えることではありません」


「……持てる形にすることです」



◆まかない部の役割


ミナが

肩を回す。


「……これで一通りやな」


ルナが

微笑む。


「……終わり……?」



◆新しい始まり


魔王が

三人を見る。


「……いや」


「ここからだ」



◆次へ


調理場の火が

静かに揺れる。


城は整った。


だが

世界は広い。


そして――

まかない部は

まだ終わらない。


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