うちの部員が最強すぎる件! 料理バトル大会、まさかの招待状!?
ある日の昼下がり。
まかない部の食堂に、金箔付きの封書が届いた。
「差出人、“国際料理戦連盟クロス・ディッシュ運営部”……?」
それは年に一度、各国・各種族から料理人たちが集う、
グルメバトル大会《クロス・ディッシュ杯》への正式招待状だった。
「我らが魔王城まかない部を“推薦”したのは、南大陸アブラカ商会だそうです」
「あのサミルか……!」
推薦理由は、以下の通り:
・未知なる旨味“第六味”を自在に操る
・魔王軍の士気回復率を“食で”上昇させた
・幻獣ミーレンの知能成長に寄与
・なにより、「うまそうな雰囲気がある」
「最後が一番ふわっとしてるな!」
大会会場は、中立都市“カラントア”。
参加者は約30組。
魔法国家、獣人連邦、精霊領、さらには人間の王国代表まで!
「しかも、なぜかソラが“代表料理人”枠に登録されてる」
「ええぇ!? 俺まだ“まかない係”だよ!?」
「しかも“副将:ミーレン”って……なんで!?」
「ぼく、味に関しては“解説役”だから!」
「審査員じゃなくて!?」
魔王様は、封書を手に、満足そうに言った。
「――行きましょう。
“味で国境を越える”戦いに、魔王城の名を刻みに」
こうして、“魔王軍まかない部”の代表メンバーが決定:
•ソラ(代表料理人)
•ミーレン(副将・味覚解説)
•ミナ(火力枠)
•リド(調理技術指導)
•ルナ(衛生&魔力調整)
•グルノワ(バックアップ調達)
「……このメンバー、普通に戦闘力高いな」
「戦うの“味”でだけどな!」
ちなみに参加国の中には、
かつて魔王様が“下働き”していた人間の王国もエントリーしていた。
「へぇ、あの国も出るんだ。
“私が皿を洗ってた厨房”の連中が、今や一流扱いかぁ」
「それ、対戦相手になる可能性もある?」
「なるわね。だから、味で勝つのよ。立場じゃなくて、実力で」
魔王様の声に、ほんの少しだけ熱がこもっていた。