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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
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夜明けの誓い

東の空が白みはじめ、広場に柔らかな光が差し込んだ。

 長い戦いを越えた町は、夜明けと共に静けさを取り戻していた。


 


 人々は旗の下に集まりながらも、大きな声を上げることはなかった。

 ただそれぞれが、胸の奥に小さな誓いを刻んでいた。



老人の誓い


 杖を突いた老人は、皺の刻まれた手を旗に当てた。

「次の世代に……この旗を渡す。

 わしの役目は……それだけで十分じゃ」



母の誓い


 母親は眠る子を抱きながら、静かに微笑んだ。

「この子が大人になる日まで……私は守り続ける。

 どんな小さな力でも……必ず」



若者の誓い


 若者は瓦礫の上に立ち、拳を握った。

「俺は鍛える。

 守れる力をつけて、町を前に進める。

 逃げるんじゃなく、支えるために」



まかない部の誓い


 ソラは杓文字を握り、心の中で呟いた。

「誰もが腹いっぱい食べられる町を……俺は諦めない」


 ダグは剣に手を置き、無言で頷いた。

「剣は、守るために」


 ルナは朝日に目を細め、

「私の知恵も……町の未来に使おう」と静かに決意を結んだ。


 ミナは鍋蓋を胸に抱え、

「笑い声の絶えん町にするんや」と心の中で小さく笑った。



刺客の誓い


 刺客は短剣を地に突き立て、その上に手を重ねた。

「……過去を斬ったこの刃で、未来を守る。

 それが……俺の贖いだ」



結び


 誓いは声に出されることはなかった。

 だが、夜明けの光はその決意を照らし出していた。


 


 ――一人ひとりの静かな誓いが重なり、町は新しい朝を迎えていた。

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