旗を守る勝利
敵陣が崩れ、広場から鋼の列が散り散りに退いていった。
槍は地に落ち、旗は守られ、町を覆っていた威圧は一気に霧散する。
「……勝った……?」
誰かの震える声が広場に響いた。
次の瞬間、群衆の胸に押し込められていた息が一斉に解き放たれた。
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歓喜の爆発
「勝ったぞぉぉっ!」
「旗は守られたんや!」
「やったあああっ!」
叫びと歓声が渦を巻き、抱き合う者、涙を流す者、天を仰いで拳を突き上げる者。
広場は歓喜に満ちた熱狂に包まれていった。
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人々の笑顔
老人が杖を掲げて泣き笑いし、母親が子を抱きしめながら涙をこぼす。
子どもたちは転がる槍を拾い、旗の周りで跳ね回った。
「見たか! うちらの旗は折れん!」
「この町は、みんなで守ったんや!」
声が重なり、勝利は確かな形を持ち始めた。
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まかない部と刺客
ソラは杓文字を振り上げ、仲間へ叫んだ。
「やったな! みんなで守り抜いたんだ!」
ダグは剣を掲げ、ルナは微笑みながら頷き、ミナは鍋蓋を高く掲げた。
そして刺客は、旗を見つめながら低く呟いた。
「……旗は……人の心で生きるものか……」
その瞳には、もはや敵の影はなかった。
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結び
歓声が夜明けの空に溶けていった。
涙も笑顔も声も、すべてが「旗を守り抜いた」という誇りで一つになっていた。
――旗を守る勝利は、町に熱狂と未来への光をもたらしたのだった。