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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
131/139

旗を守る勝利

敵陣が崩れ、広場から鋼の列が散り散りに退いていった。

 槍は地に落ち、旗は守られ、町を覆っていた威圧は一気に霧散する。


 


「……勝った……?」

 誰かの震える声が広場に響いた。


 次の瞬間、群衆の胸に押し込められていた息が一斉に解き放たれた。



歓喜の爆発


「勝ったぞぉぉっ!」

「旗は守られたんや!」

「やったあああっ!」


 叫びと歓声が渦を巻き、抱き合う者、涙を流す者、天を仰いで拳を突き上げる者。

 広場は歓喜に満ちた熱狂に包まれていった。



人々の笑顔


 老人が杖を掲げて泣き笑いし、母親が子を抱きしめながら涙をこぼす。

 子どもたちは転がる槍を拾い、旗の周りで跳ね回った。


「見たか! うちらの旗は折れん!」

「この町は、みんなで守ったんや!」


 声が重なり、勝利は確かな形を持ち始めた。



まかない部と刺客


 ソラは杓文字を振り上げ、仲間へ叫んだ。

「やったな! みんなで守り抜いたんだ!」


 ダグは剣を掲げ、ルナは微笑みながら頷き、ミナは鍋蓋を高く掲げた。

 そして刺客は、旗を見つめながら低く呟いた。


「……旗は……人の心で生きるものか……」


 その瞳には、もはや敵の影はなかった。



結び


 歓声が夜明けの空に溶けていった。

 涙も笑顔も声も、すべてが「旗を守り抜いた」という誇りで一つになっていた。


 


 ――旗を守る勝利は、町に熱狂と未来への光をもたらしたのだった。


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