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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
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新部署誕生!? まかない部が“独立部隊”に昇格する

「よし、“魔王軍まかない部”を正式に独立させるわよ」


 


 魔王様がそう言い放ったのは、朝の全体会議でのことだった。


 


 それまで非公式扱いだった“まかない班”は、

 表向きは厨房、裏では外交・福利・軍内安定まで担っていた。


 最近は各部署の兵士たちが**「心の安定のために週一で魔王城勤務希望」**を出してくる始末。


 


「ソラ、あなたが班長ね」


「えっ!? 俺ですか!?」


「厨房に入る頻度も多いし、調整能力もあるし、あと、他の人が嫌がったから」


「理由最後のやつ酷くない!?」


 


 こうして、“魔王軍 まかない独立部(正式名称:栄養管理戦略課)”が誕生した。


 通称:


M・S・F(Maounojou Shokudo Force)


 


「なんでアルファベットにした!?」


「なんか強そうだから」


「軍隊っぽさだけは出てる……!」


 


 新部署の機能は以下の通り:

•まかない提供・改善もちろん

•新規メニューの開発と配布

•戦場での非常食・慰労食設計

•外交賓客への“迎賓メシ”制作

•要人警護中の“胃袋制圧”戦術(!?)


 


「胃袋から平和を築くのが我々の任務です」


「いい話みたいに言ったけど、任務名“胃袋制圧”だからね!?」


 


 そして、ある日。

 第六課(爆発物処理班)から、一通の書簡とともに“兵士本人”が送られてきた。


 


「転属希望者が“転属前に荷物ごと着払いで送られてきた”って何!?」


「しかも荷物の中に自爆術式仕込んであって解除めっちゃ大変だった!!」


「それはお前が解除してくれて助かったわ、リド」


 


 彼の名はバス=グラント。


 爆発物をこよなく愛し、

 “火加減を物理で理解する男”。


 


「オレ、味の奥深さ、知りたい。

 爆発だけじゃ、胃は満たされねぇ……」


「……ようこそ、MSFへ。火力枠は空いてる」


「火、出すの得意」


「火加減ってそういう意味じゃないけどまあいいか!!」


 


 こうしてまかない部は、

•魔王様(総責任者)

•ソラ(現場統括)

•リド(技術)

•ミナ(火力)

•ルナ(管理)

•バス(……火力)


という、妙に戦闘力の高い構成で、本格稼働を始めた。


 


「次は、世界に食べさせるわよ」


 


 魔王様がにっこり笑ったその目に、

 かつて厨房の片隅で飢えていた少女の影は、もうなかった。


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