表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
128/137

共闘の刃

 広場に再び怒号が響いた。

 刺客が外部勢力を裏切ったと知った兵たちが、牙を剥いて殺到してくる。


 


 まかない部と刺客は、自然と背を合わせて立っていた。

 それは敵として刃を交えた距離ではなく、仲間として生き残るための距離だった。



背を預ける瞬間


「右は任せる」

 短く言ったのはダグだ。


「……ああ、左は俺が落とす」

 刺客はためらいなく応じた。


 


 ソラが風刃を放ち、ルナが氷を走らせる。

 その隙を刺客の短剣が突き、ダグの剣が受け止める。

 互いの動きがまるで約束されたもののように噛み合っていった。



群衆の目に映るもの


 町人たちは戦いながら、その光景を目にしていた。

「……敵だった奴が、いまは旗を守ってる……」

「背中を預けとる……本気なんやな」


 恐怖に縛られていた心に、確かな勇気が灯っていった。



ミナの言葉


 ミナが蓋を振るいながら笑った。

「なんや、悪くないやん! 鍋の蓋も背中も、預け合える仲間や!」


 その声に、ソラが思わず笑い返す。

 緊張の只中でさえ、確かな絆が芽生えていた。



信頼の戦い


 刺客は初めて声を荒げた。

「背中を任せるってのは……こういうことか!」


 彼の短剣が走り、ダグの剣と交差する。

 その二人を支えるように、ルナの氷が敵の足を封じ、ソラの風が吹き飛ばす。



結び


 かつての敵は、もはや町を守る刃の一つだった。

 背を預け合い、互いに欠けを埋め合う。


 


 ――共闘の刃が、戦場に新たな均衡を生み出していた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ