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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
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混戦の渦

広場は、剣戟と怒号の渦と化していた。

 槍の列は崩れ、兵と町人が入り乱れ、誰が優勢か判別できぬ戦況が広がっていた。



石を投げる子ら


 路地に隠れていた少年たちが、瓦礫を拾って兵へ投げつける。

「やめろ!」と兵が怒鳴るが、その隙に若者が飛びかかり、槍を奪い取った。



老人の抵抗


 背を曲げた老人が杖を振り回し、兵の兜を叩く。

「わしらを侮るな!」

 その一撃は軽かったが、兵の注意を引くには十分で、その背後を別の町人が突いた。



母親の守り


 母親は子を背負いながらも、濡れ布を振って火の粉を払い続ける。

「こっちは任せて! 早く前を押さえて!」

 その声が仲間を動かし、前線の町人が踏みとどまる力を得る。



まかない部の連携


 ダグが剣で敵兵を押し返し、ソラが風刃でその隙を切り裂く。

 ミナは蓋で矢を弾き、ルナは氷で地面を滑らせて敵を転ばせる。


「一人じゃ押し切れん! みんなで力を合わせろ!」

 ソラの声に応じ、町人たちも互いに背を預け合った。



群像の積み重ね


 瓦礫を投げる子ども、負傷した男を引きずる若者、布で矢を逸らす娘。

 一人ひとりの小さな戦いが積み重なり、渦巻く戦況を少しずつ変えていく。



結び


 混戦の渦は混沌そのものだった。

 だが、個々の小さな抵抗が寄り集まり、確かに大きな流れを形作り始めていた。


 


 ――町はまだ、折れてはいなかった。


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