三つの炎
三つの火球が夜空に軌跡を描き、町の三方向へと飛び散った。
炎の担い手はその場から動かず、冷徹に言い放った。
「止められるものなら……止めてみろ」
その言葉を背に、ソラたちは瞬時に走り出した。
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ソラとルナ ― 北の炎
北の街道へ走ったソラとルナの前で、火球が地を砕き、炎の壁を作り出す。
燃え上がる火柱が道を塞ぎ、逃げる人々を追い詰めていた。
「ソラ、風で道を作って!」
「任せろ!」
ソラが杓文字を振ると、烈風が炎を裂き、避難路を切り開く。
ルナはその隙に氷の槍を放ち、火球そのものを貫いた。
炎と氷が激しくぶつかり、爆音とともに霧が広がる。
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ダグとミナ ― 南の炎
南の倉庫街に落ちた火球は、火薬の残骸に火を移し、爆ぜようとしていた。
「ダグ! うちが蓋で押さえるから、今や!」
「了解だ!」
ミナが鍋の蓋を盾にし、火の粉を受け止める。
その背後でダグが剣を振り抜き、火球を斬り裂いた。
火花が散り、倉庫の壁が崩れる中、二人は必死に踏みとどまった。
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フードの人物と炎の残滓 ― 広場
一方、残る一つの火球は広場に留まり、燃え盛る炎を渦に変えていた。
フードの人物は冷徹に見下ろしながら、その炎を操り続ける。
「結局は戻ってくる……すべての炎は旗のもとに」
広場に残された人々が悲鳴をあげ、逃げ惑う。
だが、その場にはまだ力を合わせる者が残っていた――。
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結び
町は三方向で炎に包まれ、それぞれの場で死闘が繰り広げられていた。
ソラとルナ、ダグとミナ――二人ずつの連携が、炎の猛威に挑んでいる。
――だが広場にはなお、冷徹な炎の担い手が立ち続けていた。