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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
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決死の一撃

炎は夜空を赤く染め、旅籠町を呑み込もうとしていた。

 瓦は崩れ、梁が燃え落ち、熱気が大気を震わせる。

 炎の担い手は狂気の笑みを浮かべ、両腕を広げた。


「見ろ! 旗は炎の中でしか輝かぬ!」


 


 火柱が天を裂き、町全体が揺れる。



決死の連携


 ソラは杓文字を握りしめ、仲間に叫んだ。

「……全員で行くぞ! 一人じゃ止められない!」


 


 ルナが素早く詠唱を繋ぎ、氷の魔力を集める。

 ミナは火の粉を払いながら、鍋の蓋を掲げて防御の陣を築く。

 ダグは剣を構え、全身の力をその刃に込めた。


 


 四人の呼吸が、炎の渦の轟きの中でぴたりと重なった。



技の融合


 ソラの杓文字から解き放たれた風が炎を切り裂き、

 ルナの氷がその隙を突いて炎を凍てつかせる。


 ダグの剣は凍った炎を叩き砕き、

 ミナの蓋が最後の火花を跳ね返した。


 


 ――四人の力がひとつの流れとなり、炎の渦を逆流させて敵に押し返していった。



決死の一撃


 轟音とともに、一条の光が夜空を貫いた。

 炎と氷と風と鉄――四つの力が混ざり合い、巨大な奔流となって敵を呑み込む。


 


「これが……うちらの旗や!」

 ミナの叫びとともに、渾身の一撃が放たれた。



結び


 炎の渦は砕け、赤黒い火柱が一瞬にして消し飛んだ。

 町を覆っていた炎の嵐がわずかに収まり、空に静寂が戻る。


 


 ――まかない部の決死の一撃は、確かに敵の炎を打ち破っていた。


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