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今日も魔王城は飯がうまい  作者: 昼の月
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炎の渦の中で

轟音が夜空を切り裂いた。

 燃え上がる旅籠町の屋根から炎が竜のように立ち昇り、煙が黒い渦を巻いていく。

 人々の悲鳴と鐘の音が遠くで混ざり合い、町全体が戦場と化していた。


 


「これが……旗の戦いだ!」

 炎の担い手が叫び、両腕から火柱を放つ。

 炎は蛇のように地を這い、家々を飲み込もうと迫る。



炎の嵐


 ソラは杓文字を振りかざし、風刃を次々と解き放った。

 炎の奔流が切り裂かれ、爆ぜる火花が空に散る。

「こっちは……負けられない!」


 


 ルナが詠唱を終え、氷の結界を張り巡らせる。

 炎と氷が激しくぶつかり合い、蒸気が爆音とともに爆ぜる。

 白と赤の光が交錯し、視界はまるで昼と夜が同居するかのように明滅した。



剣と炎


 ダグが炎の奔流に突っ込み、剣を振り下ろす。

 刃が炎を切り裂き、火の粉が鎧に降り注ぐ。

「この剣は……人を守るためにあるんだ!」


 


 敵は笑い、炎を渦に変えて叩きつける。

「守る? 炎はすべてを平等に呑み込む!」


 


 轟音とともに路地が崩れ、石畳が裂けた。



連鎖する爆発


 南の倉庫の火薬に火が移り、再び爆発が町を震わせた。

 炎の柱が天に昇り、広場の建物が次々と崩れ落ちる。

 逃げ惑う人々の悲鳴が渦となり、戦いの熱気をさらに煽った。



炎の渦の中心で


 ソラ、ルナ、ダグ、ミナ――四人は背中を合わせ、炎の渦に立ち向かった。

 敵の炎と彼らの魔法と剣がぶつかり合い、町全体を揺らす衝撃が走る。


 


「ここで止めなきゃ……町が消える!」

 ソラの叫びが、炎の轟きにかき消されながらも仲間に届いた。



結び


 夜空を焦がす炎の渦。

 その中心で、まかない部と炎を掲げる敵が激しくぶつかり合っていた。


 


 ――町の命運を賭けた戦いは、いま最高潮に達していた。


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