炎の中の対決
炎に包まれた路地。
瓦が落ち、火の粉が吹き荒れる中、ソラたちは黒き旗の担い手と対峙していた。
「……旗は炎の中でこそ立つ」
男の声とともに、掌から紅蓮の火弾が放たれる。
轟音とともに石畳が爆ぜ、炎の壁が路地を覆った。
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戦いの始まり
ダグが剣を振り上げ、火弾を斬り払った。
刃に炎が絡みつき、熱で腕が痺れる。
「チッ……こいつ、本気で町ごと燃やす気か!」
ミナは杓文字を構え、鍋の蓋を盾代わりに掲げる。
火花が弾け、彼女の顔に赤い光が踊った。
「ソラ! うちが守るから、攻めて!」
ソラは頷き、杓文字に魔力を込めた。
青白い光が杓文字の先に集まり、炎を切り裂く風刃となる。
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魔法と剣の応酬
敵は炎を操り、路地全体を火の迷宮のように変えていった。
壁から炎が噴き出し、頭上から火の粉が雨のように降り注ぐ。
ルナが素早く詠唱し、氷の槍を放った。
氷が炎を裂き、蒸気が白い霧となって立ちこめる。
「この町を焼かせはしない!」
だが敵は霧の中で笑った。
「炎は止まらん。止めた先から、また燃え広がる!」
炎の鞭が振るわれ、石畳を砕く。
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反撃の連携
ソラが風刃で炎の鞭を切り裂き、ルナの氷がその隙を狙う。
ダグが突撃し、剣を振り下ろす。
ミナは後方から声を張り上げ、仲間を支える。
「まだや! うちらの鍋は燃えへん!」
四人の息が揃い、炎と氷、風と剣が交錯する。
炎の赤と氷の青がぶつかり合い、夜の路地を昼のように照らした。
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結び
炎の渦中で、敵はなお笑っていた。
「面白い……炎に抗うその灯、果たしてどこまで続くか」
爆ぜる炎が町を照らし、戦いはさらに激しさを増していった。
――旗を巡る戦いは、剣と魔法の火花となって燃え広がっていた。